綾波‧‧‧、ここは?
ここはLCLの海、生命の源の海の中。
ATフィールドを失った、自分の形を失った世界。
どこまでが自分で、どこからが他人なのか分からない曖昧な世界。
どこまでも自分で、どこにも自分がいなくなっている靜寂な世界。
僕は死んだの?
いいえ。
全てが一つになっているだけ。
これが、あなたの望んだ世界世界そのものよ。
‧‧‧でも、これは違う。
違うと思う。
他人の存在を今一度望めば、再び心の壁が全ての人ュを引き離すわ。
また、他人の恐怖が始まるのよ。
いいんだ。
ありがとう。
あそこでは‧‧‧嫌なことしかなかった氣がする。
だから、きっと逃げ出してもよかったんだ。
でも、逃げたところにもいいことはなかった。
だって‧‧‧僕がいないもの‧‧‧。
誰もいないのと同じだもの。
再びATフィールドが、君や他人を傷つけてもいいのかい?
かまわない‧‧‧。
でも、僕の心の中にいる君たちは何?
希望なのよ。
人は互いにわかりあえるかもしれない‧‧‧ということの。
好きだ、という言葉とともにね。
だけど、それは見せかけなんだ。
自分勝手な思いこみなんだ。
祈りみたいなものなんだ。
ずっと續くはずないんだ。
いつかは裏切られるんだ
‧‧‧僕を見捨てるんだ。
でも、僕はもう一度會いたいと思った。
その氣持ちは本當だと思うから。
これらのセリフから、レイやカヲルは、「人が互いにわかりあえるかもしれないという希望」で
あったと思われる。
シンジが第3新東京市に著いたとき、自分の父に會い、お互いわかりあえるのでは、という希望
があった。好きだという言葉とともに‧‧‧。
また、アスカともわかりあえるのではという希望があった。たとえそれが、見せかけや思いこみ
だとしても、いつかは裏切られると分かっていても‧‧‧。
これらの希望が、シンジに制服姿のレイの幻影を見せたのではなかろうか。
レイの幻影
THE END OF EVANGELIONのラストシーン(アスカとシンジが橫たわっているシーン)で、制服
姿のレイが一瞬だけ現れて直ぐに消える。これは何を意味しているのであろうか。TV版でも
同じ樣なシーンがあったが(第壹話でシンジが第3新東京市に著いたとき)この2つは同じ事
を意味していると思われる。