トーク:天海祐希 「女信長」主役
毎日新聞 2013年04月04日 東京夕刊
◆「女信長」主役(フジテレビ=5、6日午後9時)
◇頼もしく、さりげなく
新社会人が選ぶ理想の女性上司像といえばこの人。姉御肌の頼もしさが理由だが、それ
だけで若者を引きつけられるとは思えない。やる気を引き出す気配りのようなものも、
期待されているのではないだろうか。
実際、気遣いの人である。
猛暑が続いた昨夏行われた本作の撮影中、炎天下で待機するエキストラたち一人一人に
「大丈夫ですか?」と声をかけて回った。日々の仕事始めと終了時には、あいさつを欠
かさなかった。合戦シーンの撮影時はおびただしい人数が広範囲に展開するため、役衣
装で歩き回ると汗だくになる。
「暑い中でスタッフ、エキストラの方々が立ち働いている前で、私たちだけがいい環境
で座っているのはつらいじゃないですか。仕事は自分ひとりでするものじゃない。いろ
いろな方々が、力を貸してくださった上に成り立っている」
織田信長は女性だったという奇抜な設定の2夜連続ドラマ。直木賞作家、佐藤賢一著の
原作(毎日新聞社刊)刊行後すぐに読破し、「いつか演じてみたい」と思ったという。
天下統一を目指す身でありながら、本来の性を捨て去ることができない信長。侍女の御
長(おちょう)を名乗って女性に戻るとき、2人の戦国武将と恋に落ちる。
「本来の性を捨て、信長としての生き方を選ぶ覚悟を決めながら、どうしても気持ち
が揺れる。その動揺をかき消そうと必死になる。そんな切ない心の揺れを計算しながら
演じました」
乱世を駆け抜けた戦国武将と恋に揺れる女性。二つの顔を持つ役に、頼もしい印象の一方でさりげない気遣いをみせる女優の素顔が、
重なって見えた。
【岩崎信道、写真・西本勝】
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■人物略歴
1967年8月8日生まれ。東京都出身。仕事人間を自認。「休みの日にボーッとし
ていると、自分がだめになっていく気がして」
http://mainichi.jp/enta/news/20130404dde018200050000c.html
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