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(スパイク:)
永遠に続くモノはない、
あらゆる物に終わりは来る。
それは自然の摂理というやつだ。
突然だが今日で最終回だ。
そこで今回は、今までにあったことを思い出して、
いろいろと考えてみたい。
第13回
Session XX
よせあつめブルース
スパイク:「はらへったなぁ」
(電子音:ピ・ピ・ピ)
スパイク:「んん?おまえもかょ」
Part 1
「フード・フォー・ソート」
食い物んはとても大切だ、
なにしろ人間の体はそいつが食った物んで出来てるわけだ。
もし俺のクローン人間がいたとして、
そいつがハンバーガー以外食ったことがないとしよう。
そいつと俺は遺伝子的には同じでも、
まったく違った人間になるはずだ。
ハンバーガースパイクは、
俺よりも怒りっぽいかもしれないし、
日曜には教会に行くような男かもしれない。
狂暴な賞金首かもしれないし、
ワイシャツにはアイロンをあててから着るような男かもしれない。
いずれにしても、
ハンバーガースパイクは俺とは別人だ。
要するに、食い物んを選ぶときは、
よくよく考えて選ばないといけない、ってことだ。
--
スパイク:「こっちはロブスターの味噌煮、っと」
機械:「かしこまりました」
Part 2
「フールズ・ゴールド」
(ジェット:)
盆栽は奥が深い、
ただカットすりゃいいって物んじゃない。
それぞれの盆栽には一つ一つ個性があり、
そいつを生かしてやらないといけないのだ。
愚かな人間は、
何でもかんでも同じように切り揃えようとする。
はみ出した部分をただカットカットカットするだけだ。
だがそのはみ出した部分こそが個性であり、
オリジナリティなのだ。
そんな事も分からない人間は、
はさみを持つべきじゃない。
まったく・・・、盆栽が気の毒だ。
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フェイ:「戦いの基本を知ってる?」
Part 3
「ケ・セラ・セラ」
(フェイ:)
思想のない男は嫌い。
でも、思想を押し付けてくる男はもっと嫌い。
歯槽膿漏の男も嫌い。
息の臭い男とじゃ、キスも出来ないしね。
危険な男は好き▽
でも、危険過ぎるのもちょっと考え物。
弱気な男は嫌い。
自分の弱さを解ってる男は好き。
楽観的な男が好き。
人生をあらかじめ予想して、悲観的に生きるなんて気が知れないわ。
人生は多分、
どう転んだって、なるようになるのよ。
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エド:「うん。だってエドがエドだも~ん」
Part 4
「無情の世界」
(エド:)
エドです。宇宙はひろーいです。
エドは宇宙の真理をさがして旅をしています。
はだしで歩くと、ビリビリします。
ネットの海はひろ~くて、
いろんなお魚もいてクリクリします。
あたまに物をのせるとワクワクします。 真理はあると思ってさがすとないですが、
ないと思ってさがすとやっぱりないです。
ほしいものは手に入らないですが、
いるものが手に入りました。
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スパイク:「目に頼りすぎなんだよ。
カメレオンじゃねぇんだ!
そうあちこち見えねぇのさ!」
Part 5
「キー・オブ・ライフ」
(スパイク:)
人間は心臓の鼓動によって生きている。
鼓動とは規則的な繰り返し。
すなわちリズムのことだ。
そう、何をするにしても大切なのはリズムだ。
歩くときも、喧嘩するときも、飯を食うときも、愛し合うときも、台詞を言うときも、
リズムが重要なんだ。
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アイン:「アン アン アン! アン、アン、アン、アン、アン!」
Part 6
「ドギー・ドッグ・ワールド」
(エド:)
ねぇアイン、ねぇねぇアイン、
どうしてそんなに毛深いの?
はぁい。それは、さむがりだから!
ねぇアイン、そもそもアイン、
どうしてゲラゲラ笑わないの?
おぉそれは、ニヒルだから!
ねぇアイン、やっぱりアイン、
どうしてそんなにしあわせなの?
そうです、それはエドがしあわせだからでしょう?
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ジェット:「チャーリーは言った 、『手は手でなければ洗えない。
得ようと思ったら、まず与えよ』ってな。
ってことはどういうことだぁ。チャーリーはやれって言ってるんじゃねぇのか?
えぇ、そうだろぉ?」
スパイク:「チャーリー・パーカーがゲーテの格言吐くかねぇ」
Part 7
「ウォーク・ジス・ウェイ」
(ジェット:)
「作者が彼の読者に払い得る最大の敬意は、
彼らが期待するようなものは一切書かないということである」。
そう言ったのはゲーテだ。
やつはこうも言った。
「人間の働きにせよ自然の働きにせよ、
我々が特に注目しなければならないのは、
本来その意図である」。
まったくいいことを言うやつだ。
俺が警官をやめて賞金稼ぎになるなんざぁ、
誰が考えただろう。
古い仲間はみんな驚いてる。
まったく期待を裏切ってくれるってなぁ。
だがそれでいい、
誰も思い付かないことをやりてぇじゃねぇか。
見たことのないこと、聞いたことのない話、
仲間たちはそれを、結構楽しんでるのさ。
Part 8
「ナチュラル・ウーマン」
(フェイ:)
きれい事は嫌い、
きれい好きも嫌い。
少しぐらい汚れている方が、
部屋も世の中も住みやすいってもんよ。
色白は七難隠すなんていうけど、
隠し事も嫌いなの。
しみ、そばかす、いいじゃない。
誰も彼も同じ肌、同じ顔じゃぁ、
どれが自分か判んなくなるわよ。
あたしはただでさえ自分が解らない。
だから、手がかりを消しちゃいけないの。
全ん部、自分の道標(みちしるべ)だからね。
--
ジェット:「女は見た目じゃ解らんからなぁ」
(フェイの蹴り: ドス!)
ジェット:「うぉお!」
Part 9
「インスタント・カーマ!」
(スパイク)
ラフィング・ブルが言った、
「泳ぐ鳥よ、お前の体が何で出来ているか知ってるか?」
俺は言った、
「知らねぇよ!きっとどこにでも転がってる鳥の糞だろうさ」
ブルが言った、
「泳ぐ鳥よ、お前の魂は何で出来ているか知ってるか?」
俺は言った、
「知らねぇよ!きっとどこにでも転がってる棉埃(わたぼこり)だろうさ」
ブルは言った、
「その答えは間違っていて合っている」
「お前の体は宇宙の全てと繋がっていながら、お前にしか成り得ない」
「お前の魂は宇宙の全てを含んでいながら、お前でしか有り得ない」
「それはこの私も、そして誰しも」
「誰かが憎ければ、お前は自分を憎んでいる」
「誰かを愛していれば、お前は自分を愛している」
俺は言った、
「俺は誰にも何も感じないよ」
ブルは言った
「それは、この地上で何より不幸なことだ・・・」
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(おまけ)
(スパイク:)
とっておきの賞金首の情報だ。
値段は安いが中身はたっぷり。
お前らの知らないビバップを見せてやるよ!
「カウボーイビバップSession#0」
こいつを見なきゃ、モグリだぜ。
Part 10「シュガー・マウンテン」
(スパイク:)
赤ん坊に甘いものばかり食わせると、
そればかり欲しがって、肝心の栄養のある食事を受け付けなくなるそうだ。
やはり、砂糖菓子のようなものこそが有毒だ。
別に食い物んだけの話をしてるんじゃない。
世の中砂糖菓子でいっぱいだ。
そんなものばかり見てたら、
脳が腐ってヨーグルトになっちまうぜぇ。
Part 11
「チェイン・オブ・フルーズ」
(ジェット:)
いやぁ料理っていうのは奥が深い。
闇雲に味を付ければいいってもんじゃねぇ。
愚かな人間はやたらに味を付けまくり、
牛肉だか鶏肉だか判らんような料理にしちまう。
そういう人間は中華鍋を持つべきじゃない。
元の素材ならではの味、つまり、
牛肉なら、牛肉のオリジナリティを生かしてやらねぇと、
牛肉も悲しむってもんだ。
--
フェイ:「働かざるもの食ふ可からず。
自分の餌は自分で確保しなさ~い。
私はいいの。女は生きてるだけで偉いんだから」
Part 12
「ドゥ・イット・ユアセルフ」
(フェイ:)
自分のことは、人に頼らず自分でやる。
誰に教わったのか知んないけど、
いつからかそんな風に思うようになったわ。
別に大層なことじゃないけど、
人に頼られて、それに応えられないのも厭だし、
例え応えられたとしても、
それがホントにその人のため?とか思っちゃうし。
結局、自分の運は、自分で掴まないとね。
--
ジェット:「女はすぐ裏切るが、男は義理に生きるもんだ」
フェイ:「義理ねぇ」
ジェット:「俺はそう信じたいね」
Part 13
「イフ・シックス・ワズ・ナイン」
(スパイク:)
あらゆる物を疑ってかかること、
それが重要だ。
情報なんて所詮は情報。
テレビで言ってることが真実なんて思ったら大間違いだ。
自分の目を見開いて、耳をかっ穿じって世界を見聞きすること、
そして自分の脳を使って考えること、
全てを疑い尽くした後にこそ、
何かをホントに信じることが可能なんだ。
そう、信じるために全てを疑うんだ。
--
ジェット:「難しいどころの話じゃない。
そんなの無理だ!
バットも持たずに野球をやるようなもんだ。
おぉいスパイク!」
スパイク:「そういうのが好きなんだよ、
俺は」
Part 14
「アメイジング・グレイス」
(ジェット:)
賞金稼ぎのいいところは、ルールがないってところだ。
賞金首を捕まえるのに、こうしなきゃいけなという決まりなんてどこにも存在しないん
だ。
だが好き勝手なことをやると途端に文句を言われたり、
それはルール違反だと怒られたりする。
奴等は、この世界のルールに従って生きてるつもりなんだが、
そんなルールなんて一体誰が決めたんだぁ?
俺達は誰かに従うために生まれてきた訳じゃねぇ。
脅されようと賺かされようと魂は売らない。
残念ながら、自由業の魂は骨董品だ。
んぁ?その心は?高過ぎて金じゃ買えねぇんだよ!
--
エド:「教訓、教訓。知らない人にあったらついて行きましょう!」
Part 15
「マイ・フェイバリット・シングス」
(エド:)
エドは今まで苦労したことがありません!
ひょっとしたら、ホントはあるかも知れませんが、
ぜんぜん覚えていません!
どうしてかというと、面白そうなことしかしないし、
面白くなさそうなことの中にも、ちびっとは面白そうなことを発見して、
ビリビリするからです。
でもぉそれでもやっぱりつまんなそうなときは寝ます!
寝たら夢の中でコロコロ面白いです。
おわり
--
スパイク:「どこにも力なんか入れてない。
お前の無駄な力を利用しただけだ。
力の流れをコントロールするんだよ。
そのためには、どんな動きにも対応出来るように全身の力を抜いて、
そう、水みたいになるってことだ」
Part 16
「アンフィニッシュド・シンパシー」
(スパイク:)
ブルース・リーはこう言ったそうだ。
「心を空っぽにして、どんな形態も形も捨てて水のようになるんだ。
水をコップに注げば水はコップとなるし、
水をティーポットに注げば水はティーポットとなる。
水は流れることも出きるし、
激しく打つことも出来る。
だから友よ、
水のようになるよう心掛けることだ」。
さすが俺の心の師は言うことが違う。
こんなことも言ってる。
「自分が教えているのは、
護身術とか、相手の倒し方とか、そういうことじゃなくて、
むしろ、ある動きを通してどうやって自分を表現するか、
ということなんだ。
それが怒りであれ、決断であれ、何だろうとも。
つまり、格闘に則った、人間の体を使った表現法だ」。
ブルース・リーがただの映画スターや、
ただの格闘家じゃないのがわかるだろ?
--
スパイク:「鎖が長いなぁ。
ウェイ・オブ・ザ・ドラゴンモデルか・・・」
店員:「あ、わかるぅ?」
Part 17
「公的抑圧」
(ジェット:)
もしもこの世に神様がいるのなら、
一つ願いたい。
全ての自由を阻害する者たちに、
天罰の下らんことを。
-- Part 18
「胸いっぱいの愛を」
(フェイ:)
たまに思うわ、損な性格だって。
時々思うの、これじゃあいい男が逃げちゃうわって。
まぁ、でもこれが私なんだからしょうがないわよねぇ。
別人のように振る舞って、
「あたしぃ、こう見えても結構家庭的なんですよ▽」
なぁんて言っちゃって、一時うまく行ったとしても、
後で苦労、いや、もとい後悔するだけ!
このあたし、そのままのあたしがいいっていう人じゃなきゃやだしねぇ。
まぁあたしの相手すんのも大変だと思うんだけど、
宇宙のどっかに、そんな運の悪い男もいるでしょ。
--
ジェット:「いやぁブルース・ハープはいい、やっぱいいわー」
スパイク:「あんたジャズファンじゃなかったっけ?」
ジェット:「ばぁか言ぇー、俺はお袋のミルクを吸うにも、ワーブリング効かしてたも
んさ」
スパイク:「そりゃ気の利いたガキだな」
Part 19
「ワイルド・スタイル」
(ジェット:)
今から一世紀以上も前、チャーリー・パーカーっていうサックス吹きがいた。
やつは音楽を譜面通りに演奏しなかった最初の男らしい。
つまり、型通りに演奏するだけじゃ飽き足らず、
アドリブを噛まし、自分自身のスタイルで吹いたってことだ。
奴が始めたその音楽は、やがてビバップと呼ばれたそうだ。
そう、それがこの船の名前の由来ってわけだ。
-- Part 20
「デイドリーム・ビリーヴァー」
(スパイク:)
俺たちは皆、眠りながら目覚め、
目覚めながら眠ってる。
過去は事実か?
記憶は真実か?
夢はどこからが夢なのか?
寝ながら見る夢、起きていて夢見る夢、
どちらも同じだ。
夢を見ないという奴は覚えていないだけ。
夢がないという奴も、気付いていないだけ。
臆病なのさ。
見たいくせに見ないようにしているだけなんだ。
Part 21
「君の意志のままに」
そしてこれは、
ただの幻影だ。
見えざる手に操られ、
真実は分厚いベールに覆われたままだ。
でもそれは、ひっそりと、まるでタイタンの月のように、人知れず存在し、
砂嵐が過ぎ去った頃、いつか姿を現すだろう。
Part 22
「怒りをこめて振り返れ」
だからもう、たかが娯楽に目くじら立てたりするのはよそうじゃないか。
これは冗談なんかじゃない、
フィクションでもない、
それとも、おれは悪い夢でも見てたのか?
--
Part 23
「ブルーにこんがらがって」
(スパイク:)
どっかのブルースマンが、ブルースの定義を尋かれてこう言ったそうだ。
「ブルースってのは、どうにもならない困りごとをいうのさ」。
Part 24
「イッツ・オール・オーバー・ナウ、
ベイビー・ブルー」
THIS IS NOT THE END.
YOU WILL SEE THE REAL
"COWBOY BEBOP"
SOMEDAY!
(MUSIC: 空を取り戻した日/シャカゾンビ)