第七話 報われぬ魂
─A.D.2299 グルジス共和国─
鬍子「君達がその身を神に捧げ、この聖戦に参加するために、
やらなくてはならないことがある。それは……」
鬍子「おめでとう。これで君たちは神に認められ、
聖戦に参加することを許された戦士となった」
鬍子「はははは、機体はよくてもパイロットはイマイチのようだな!
え?ガンダムさんよ」
剎那「あの声……」
鬍子「商売の邪魔ばっかしやがって!」
剎那「ま、まさか」
鬍子「こちとらボーナスがかかってるんだ!」
剎那「そんな」
鬍子「いただくぜ、ガンダム」
〔阿寶〕
西暦2307年、
3本の軌道エレベーターを中心とする太陽光発電システムの完成によって、
人類は半永久的なエネルギー供給を手に入れた。
しかし、それでも人類は争いを止めることはなく、
各国家群は、己の威信と繁栄のため、大いなるゼロサムゲームを続けていた。
そんな世界に対して、戦争根絶を目的とする私設武装組織ソレスタルビーイングが、
行動を開始する。
モラリア共和国への武力介入を行った4機のガンダム。
その戦場で、刹那・F・セイエイは、運命の男と対峙する。
男の名はサーシェス。 アリー・アル・サーシェス。
鬍子「ヘヘ、別に無傷で手に入れようだなんて思っちゃいねー
リニアが効かなねなら、切り刻むまでよ!」
鬍子「ちょいさー」
剎那「この動き!」
鬍子「何本持ってやがんだ?けどな! 動きが!見えんだよ!」
女「やめて、ソラ(不確定)! 何て、どうして?どうして……!」
鬍子「何? 何て切れ味だ。これがガンダムの性能ってわけか?
ん? 光通信?コクビットから出てこいだと?気でも狂ってんのか? ん?」
シエラ「エクシアが!」
皇「何?」
錄音「刹那?」
鬍子「正気かよ?本当に出てきやがった。
しかもあの体つき、どう見てもガキじゃねぇか?
ふ、ははははは……おもしれぇな。おもしれぇぞ!ソレスタル何とか!」
鬍子「素手でやり合う気か? え?ガンダムのパイロットさんよ!」
鬍子「よくやった」
鬍子「何だよ。わざわざ呼び出しておいてこれか?
ツラぐらい拝ませろよ!え?おい!」
剎那「デュナメスか?」
哈囉「ハズレた、ハズレた」
錄音「ハズしたんだよ!当てりゃ刹那も巻き添えだ!ったく!
離れた?狙い撃つぜ! なっ、避けやがった?!」
錄音「刹那!おま……」
皇「事情は後で聞かせてもらうわ!ミッション、続けられるわね?」
剎那「了解」
皇「フェイズ・5まですっとばして、6から続行。
デュナメス、エクシアのサポートをお願い。
キュリオスとヴァーチェにも同様の指示を」
シエラ「了解しました」
皇「もう、あの子のせいでミッションプランがぐちゃぐちゃよ」
王留美「戦闘中にコックピットハッチを開けるだなんて……」
紅龍「なぜ、あんなことを?」
絕望「圧縮粒子、全面に展開」
士兵「砲、砲弾が!?」
阿雷「ティエリア、刹那がまたやらかしたらしい」
絕望「黙っていろ。人と話す気分じゃない」
─モラリア軍司令部─
通信員A「第3航空隊、通信途絶えました」
通信員B「燃料基地、応答なし」
通信員C「PMC第32輸送隊、応答なし」
通信員B「通信網が妨害され、状況が把握できません」
司令「モビルスーツ部隊の損害は?」
部下「甚大です。報告されているだけも、撃墜32機、大破26機、
AEUのモビルスーツも15機が撃墜されました」
司令「2、2時間もたたずに半数以上を失ったというのか?!」
士兵「司令、PMCトラスト側が撤退の意向を伝えてきていますが……」
司令「バカな!どこに逃げ場があるというのだ!」
─ユニオン アメリカ MSWAD基地─
馬尾「まさかこれほどとはねぇー」
金毛「圧倒的だな、ガンダム」
─人革連 低軌道ステーション─
大叔「これ以上、兵を犠牲にするな。降伏しろ」
─AEU イギリス 外務省官邸─
英國議員「プランの中でも、最悪の結果になりそうだな。そちらの準備は?」
女議員「予定通り、復興支援のための部隊編成は終了しています。
どの国よりも先に駆けつけることができます」
議員「他国からの資金援助の内諾を取りつけました。
これでモラリアを取り込むことができそうですな」
英國議員「せめて黙祷を捧げよう。我々の偉大な兵士たちのために」
─PMC本部作戦会議室─
男A「ガンダムを全機ロストしだたと?まさか撤収したのか?」
男B「いや、次のミッションに入ったと考えた方が妥当だろう」
男A「アリー・アルー・サーシェス隊との通信は?」
男C「それが、ガンダムが放出する粒子の干渉で、電波状態が悪く……」
男D「相手はたったの4機だぞ!
これは断じて戦争などではない、一方的な蹂躙ではないか!」
シエラ「ガンダム全機、予定ポイントに到着しました」
フェルト「フェイズ6、開始」
皇「さぁ、片をつけるわよ」
阿雷「まったく、こんなルートを通らせるなんて」
錄音「ぼやくなよ、敵さんは電波障害が起こっているポイントを重点的に狙ってる。
隠密行動で一気に頭を叩くのさ!頼んだぜ、水先案内人」
錄音「危ねな、おい!」
哈囉「ヘタッピヘタッピ」
阿雷「ドンマイ」
錄音「そりゃこっちのセリフだ!」
剎那(なぜやつがここに?行き場がなくなって、PMCに所属したのか?
だとしたら、やつの神はどこにいる?)
絕望「刹那・F・セイエイ」
剎那「ティエリア・アーデ」
絕望「今度また愚かな独断行動を取るようなら、君を後ろから撃つ」
剎那「太陽炉を捨てる気か?」
絕望「ガンダムの秘密を守るためだ」
隊員A「隊長、ご無事でしたか」
鬍子「ああー何とかな。 ボーナスを取り逃しちまったぜ」
隊員A「いや、しかしさすがは隊長です。
あの化け物みたいなモビルスーツと互角にわたり合うんですから」
隊員B「俺らは指示通り、隠れてて正解でしたぜ」
鬍子「命あってのものだねってな」
(しかし、あのガキ何者だ?俺のこと知ってるのか?
しかもあの剣さばき、まさかクルジスん時の? ふん、考えすぎか)
シエラ「スメラギさん、まもなく到着予定時刻です」
フェルト「フェイズ6、終了」
皇「ラストフェイズ、開始!」
通信員A「ガンダム出現」
通信員B「ポイント326、司令部の目の前です!」
司令「渓谷を抜けて来たのか?!」
部下「モビルスーツ隊に応戦させろ!」
絕望「ヴァーチェ、目標を破砕する」
錄音「デュナメス、目標を狙い撃つ」
阿雷「キュリオス、介入行動に入る」
剎那「エクシア、目標を駆逐する」
通信員「モビルスーツ部隊、全機沈黙しました」
司令「5、5分もかからずに全滅だと?これは夢か?」
士兵「司令、首相から通信です」
阿雷「敵部隊、反応なし」
錄音「まだやるか?それとも……」
絕望「いや」
錄音「ハロ、ミス・スメラギに報告。敵部隊の白旗確認、ミッション終了」
哈囉「了解、了解」
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