フェルト「無条件降伏信号確認。ミッション終了、各自撤退開始」
王留美「お見事でした。スメラギ・李・ノリエガ」
皇「とんでもないハプニングがあったけどね」
王留美「とはいえ、ヴェーダの推測通り計画が推移しているのは、事実でしたよ」
皇「私としては、その推測から外れたいんだけどね」
王留美「? なぜです?」
皇「……撤収します。機材の処分をお願いね」
王留美「かしこまりました……」
皇「王留美、このミッションでどれくらいの犠牲者が出たか分かる?」
王留美「いえ」
皇「私の予測だと、500人はくだらないわ」
王留美「それを承知の上で、ソレスタルビーイングに入ったのではなくて?」
皇「分かってるわよ。ええ、分かってるわ」
教授「終わったようだな」
金毛「どうやらAEUは賭けに負けたようです」
馬尾「それはどうかな?
確かに、20機以上のモビルスーツを失ったのは痛いけど、
これでAEUは、国民感情に後押しされて、
軍備増強路線を邁進することになると思うよ。
モラリアに貸しを作ったことで、PMCとの連携もより密接になるだろうしね」
教授「悲しいな!どんな華やかな勝利を得ようと、
ソレスタルビーイングは世界から除外される運命にある」
金毛「プロフェッサーは、彼らが滅びの道を歩んでいるとお考えですか?」
教授「まるで、それを求めているかのような行動じゃ。
少なくともわしにはそう見える」
─JNN本社─
記者A「モラリアが無条件降伏!」
記者B「早すぎるだろ?非常事態宣言から5時間もた経ってないぞ!」
記者C「番組変更!原稿……」
記者B「現地からの映像は?」
記者D「今取り寄せてます」
絹江「戦争が、終わった?」
記者B「絹江!ぼさっとすんな!」
絹江「は、はい!」
主播「まず最初は、昨日、モラリア共和国で起こった、モラリア軍とAEUの合同
軍事演習に対する、ソレスタルビーイングによる、武力介入についてのニ
ュースです。非常事態宣言から無条件降伏までの時間は、わずか5時間余
りでした……」
男A「はぁ、もう終わってるし」
男B「秒殺かよ?」
男C「すげぇな、ガンダム」
露意絲「沙慈、私たちソレスタルビーイングに助けられたのよね?」
沙慈「ああ、そうだよ。そうだけど……」
主播「……現時点での戦死者は、兵士、民間人含めて、527名で、行方不明者の
数を含めると、犠牲者はまだまだ増えると予想されます。 ただ今、現地
入りした池田特派員と中継が繋がったようです。現場の状況を伝えてもら
いましょう。池田さん、お願いします」
池田「あ、はい。池田です。私は今、モラリアの首都、リベールに来ています。
見えますか?ここは、撃墜されたモラリア軍のモビルスーツが、ビルに激
突し、崩壊した現場です。
ここに来るまでに、流れ弾を受けて、破壊された民家をいくつも目撃しま
した。一般市民にも、多数の犠牲者が出ている模様です」
主播「私設武装組織ソレスタルビーイングから犯行声明のようなものは、
出されていませんか?」
池田「え、そのような情報は、私のところには、入ってきていません」
小姓「おめでとうございます。アレハンドロ・コーナー様」
帥哥「その賛辞は、ガンダムマイスターたちに送られるべきだな。
これで世界はどう動くか?」
─PMC本部─
男「貴様!どこで何をしていた?」
鬍子「どこって、ガンダムとやり合ってたに決まってるだろう」
男「では、なぜ貴様の部隊にだけ損害がない?」
鬍子「指揮官が優秀だからだよ。
それより先、耳寄りな情報ってやつがまい込んできたぜ」
男「何だ?その情報というのは?」
鬍子「ニュースを見てれば分かるさ。ふふ」
錄音「殴られた理由は分かるだろ?
ガンダムマイスターの正体は、太陽炉と同じSレベルでの秘匿義務がある。
なぜ敵に姿を晒らした?」
錄音「理由ぐらい言えって」
錄音「強情だな。お仕置きが足りないか?」
絕望「言いたくないら言わなくてもいい、君は危険な存在だ」
錄音「止めろティエリア」
絕望「彼の愚かな振る舞いを許せば、我々にも危険が及ぶ危険性がある。
まだ計画は始まったばかりだ、こんなことでつまずいて……」
剎那「俺は降りない」
剎那「エクシアからは降りない。俺は、ガンダムマイスターだ」
錄音「銃を下ろせ刹那!」
阿雷「命令違反をした僕が言うのもなんだけど、
僕たちはヴェーダによって選らばれた存在だ。
刹那がガンダムマイスターに選ばれた理由はある」
絕望「ならば、見せてもらいたいな。君がマイスターである理由を」
剎那「俺の存在そのものが理由だ」
絕望「何?」
剎那「俺は生きている……生きているんだ!」
哈囉「皆、仲良く、仲良く、あ~~」
錄音「あ……」
皇「やはり起きてしまうのね。これが、悪意に満ちた世界……」
─経済特区 東京─
沙慈「ルイス、何もこんな時に出かけなくたって」
露意絲「まだモラリアのこと気にしてるの?」
沙慈「ルイスこそAEU側じゃないか、気にしないわけ?」
露意絲「モラリアなんて行ったことないし、分かんないって」
沙慈「ふんーで、どこに行こうとしてるの?」
露意絲「まずは洋服を見て、洋服を見て、洋服を見て、洋服を見る」
沙慈「みんな自分のでしょ?」
露意絲「ふふ……きゃー」
沙慈「何だ?バ、バスが……」
路人A「バスが爆発したぞ!」
路人B「テロや!これはテロやで!」
露意絲「テロって……そんな」
沙慈「離れようルイス、早く!」
阿伯「お、おーい、お前たち!大変なことになってるぞ!」
錄音「何があった?おやさん」
阿伯「世界の主要都市7カ所で、同時にテロが起こった!」
錄音「何だって?!」
剎那「多発テロ?」
阿雷「被害状況は?」
阿伯「駅や商業施設で、時限式爆弾を使ったらしい。
爆発の規模はそれほどでもないらしいが、人が多く集まる所を狙われた。
100人以上の人間が命を落としたそうだ」
阿雷「何てことだ……」
錄音「俺だ」
王留美「ガンダムマイスターの皆さん、同時テロ実行犯から、
たった今ネットワークを通じて、犯行声明文が公開されましたが。
ソレスタルビーイングが、武力介入を中止し、武装解除を行わない限り、
今後も、世界中に無差別報復を行っていくと言っています」
絕望「やはり目的は我々か」
阿雷「この声明を出した組織は?」
王留美「不明です。エージェントからの調査報告があるまで、
マイスターは現地で待機してください」
錄音「どこのどいつか分からねえが、やってくれるじゃねぇか」
阿雷「無差別殺人による脅迫」
絕望「ふ、そんなことで、我々が武力介入を止めると思っているのか?」
錄音「何だとティエリア」
阿伯「一般人が犠牲になっとるのに、何とも思わんのか?」
絕望「思いません。
このような事態が起こることも、計画の中には予測されているはずだ」
錄音「貴様!」
絕望「どうしたんですか?
いつもひょうひょうとしているあなたらしくない態度ですね」
錄音「うぜぇぞこの野郎!」
絕望「そんなにテロが憎いのですか?」
錄音「悪いか?」
絕望「世界から見れば、我々も立派なテロリストだ」
錄音「テロが憎くて悪いか?」
剎那「その組織は、テロという紛争を起こした」
錄音「刹那」
剎那「ならば、その紛争に武力で介入するのが、ソレスタルビーイング。
行動するのは、俺たちガンダムマイスターだ」
〔阿寶〕
罪なき者が死んでいく。
それも計画の一部というなら、
ガンダムに課せられた罪の、なんと大きなことか
次回、無差別報復
刹那、運命の人と出会う
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