推 KiraAthrun:thank you 12/15 18:14
第10話 ガンダム鹵獲作戦
─経済特区 東京─
侍者「失礼いたします」
露媽「どうぞ」
侍者「お連れ様がご到着です」
露意絲「じゃ~ん」
露媽「まあ~ルイス!とっても似合ってるわ~」
露意絲「ふふふ」
露媽「やっぱりママの見立ては正しかったようね!あら?」
沙慈「ど、ど、どうも」
露媽「あなたを招待した覚えはありませんけど?」
露意絲「私がしたの!ね、沙慈?」
沙慈「僕は、断ったんですけど」
露媽「意志が弱いのね」
沙慈「よく言われます」
露媽「なら、はっきりと言ってさしあげましょう。お帰りなさい」
沙慈「あ、はい!」
露意絲「ダメ!」
沙慈「でも」
露媽「お帰りなさい!」
露意絲「ダメったらダメぇ~!」
剎那「間違いない、この敵は時間稼ぎをしている」
錄音「ちくしょー持久戦かよ!」
皇「いえ、敵の目的は私たちじゃない。ガンダムを鹵獲する気だわ!」
阿雷「知っている、知っているぞ!僕はあの機体を、知っている!」
〔阿寶〕
西暦2307年、永続的なエネルギーを手に入れた今でも、
人類は争いを止めることができなかった。
そんな世界に対して、戦争根絶を目的とする、
私設武装組織ソレスタルビーイングが行動を開始する。
だが、それに反発する世界は、人類革新連盟軍特務部隊、
超部による匿秘作戦を敢行。
司令官、セルゲイ・スミルノフの戦術に、4機のガンダムは翻弄され、
反撃の糸口をつかめずにいた。
その戦火の中、アレルヤ・ハプティズムの前に、
ティエレン・タオツーを操る超兵1号ソーマ・ピーリスが現れる。
二人の出会いは、空に、何をもたらすのか?
ミン「中佐、羽付きの動きが妙です。特殊粒子も出ていません」
大叔(機体の変調か?それとも罠か?)
銀髮「中佐、私が先行します」
大叔「カーボンネットを使ってからだ。ミン中尉」
ミン「了解」
阿雷「来るな…… 来るな! 来ないでくれー!」
銀髮「相対速度同調、接触します」
銀髮「何?」
大叔「この声は」
阿雷『聞こえるか?全員中央ブロックに集まれ!
死にたくなければ真ん中に集まるんだ!』
大叔「あの時と同じ、若いパイロットの声。
だがなぜ苦しむ?ピーリス少尉を拒んでいるのか? はっ!もしや……」
研究員『タオツーのミッションレコーダーを分析したところ、
少尉の脳量子波に異常が検知されました。通常ではあり得ない現象です。
外部からの影響を受けた可能性も』
大叔『外部からの?』
研究員『もしそうであるとすると、
影響を与えた人物は少尉と同じグリア細胞を強化され、
脳量子波を使う者に限定されます』
大叔「ピーリス少尉と同類……」
銀髮「中佐、パイロットの意識が途絶えました」
大叔「了解した。各機羽付きを4番艦に収容後、安全領域まで離脱。
ユン軍曹は4番本隊に合流し、撤退信号を送れ」
錄音「こっちの死角に回り込んで!くそ!アレルヤは無事なのか?ティエリアは?」
皇「何て迂闊なの?私は」
─人革連 多目的輸送艦 ラオホゥ 4番艦─
士兵「羽付きの収容完了」
大叔「作業兵はパイロットを機体から離し、拘束せよ」
作業員「作業班、了解」
部下「班長、どの方式の断層撮影でもエラーが出ます」
班長「なんだと?例の特殊粒子の影響か?」
士兵「4番艦発進準備完了」
大叔「ピーリス少尉としては、物足りぬ初陣となったな」
銀髮「私にそのような気持はありません。
作戦を完遂させることが、私の全てです。 中佐、熱源が!来ます!」
大叔「何?!」
大叔「全機散開!4番艦は現宙域から緊急離脱せよ!」
大叔(この攻撃は、デカブツか?)
銀髮(ガンダム!)
絕望「別動隊がいたとは……
何?敵輸送艦からキュリオスの反応……敵に鹵獲された?
なんという失態だ!万死に値する!」
銀髮「中佐、敵が射撃体勢に入りました。4番艦を狙っています」
大叔「味方がいるのが分かっているはずだ。それでも撃つというのか」
絕望「アレルヤ・ハプティズム。
君も、ガンダムマイスターに相応しい存在ではなかった。ん?速い!」
絕望「ティエレンとは違う。新型か?」
絕望「二度も避けた?!」
銀髮「中佐、ここは私にまかせて、羽付きを!」
大叔「ピーリス少尉!……4番艦は指定宙域で待機。
羽付きからパイロットを引きずり出すのを忘れるな。
場合によっては、カッターの使用も許可する」
士兵「了解」
絕望「輸送艦が! たかが一機でヴァーチェに対抗する気か!?」
銀髮「邪魔はさせない!」
銀髮「至近距離なら、弾を弾かれても!」
絕望「調子に乗るな!」
銀髮「よくも、私のタオツーを!」
絕望「こいつ!」
ミン「中佐!少尉の機体が!」
大叔「分かっている。モビルスーツ隊はピーリス少尉を援護しつつ、
デカブツの鹵獲作戦に入る!」
作業員「ブリッジ、機体外部にスイッチ類が見当たらん。カッターを使用する」
阿雷「聞こえる……声が……」
銀髮『邪魔はさせない!』
阿雷「そうだ、この声は…… そうだ、あの時の、女の声だ!」
作業員「コンテナ内に異常発生!中佐に連絡を!」
士兵「中、中佐、船体が内部から破壊されて」
大叔「4番艦、何があった?状況を報告しろ!」
大叔「4番艦の反応が消えた。なんということだ。全ては私の判断ミス。
しかし、手ぶらで帰るわけにはいかん!是が非でもあのデカブツを鹵獲する!」
絕望「あの機体から、特別なものを感じる。ヴェーダ、これは…… !新手か」
銀髮「中佐?」
大叔「敵の砲撃後、作戦を開始する。死ぬなよ!」
絕望「なめられたものだ! 何?!」
大叔「発射までのタイムラグは承知している!」
大叔「ジェルを撃て!」
絕望「これしきのことで!」
銀髮「やらせるか!」
絕望「それでも!」
絕望「だとしても!」
士兵「中、中佐、機体が!」
大叔「このデカブツはティエレン6機の推進力を上回るというのか?
少尉!首でも腕でもかまわん!奪い取れ!」
銀髮「了解!」
絕望「GNフィールド! !展開が!」
絕望「やられる!」
銀髮「そんな……」
大叔「装甲をパージしただと?」
絕望「ガンダムナドレ、目標を消滅させる!」
士兵「中佐ーー」
大叔「作戦中止!現宙域より離脱!」
ミン「了解」
銀髮「中佐!」
大叔「撤退だ!」
絕望「あーーー!なんという失態だ!
こんな早期に、ナドレの機体を曝してしまうなんて!計画を歪めてしまった!
ああ、ヴェーダ…… 俺は…… 僕は…… 私は……」
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