DATE:2005/07/20(Wed) 15:40 No.41
ネコが見つけた赤い風船
~ネコに風船小説風味~
第2回
晴れた日の散歩。
陽差しがまっすぐで、眩しさに、つり目になる。
無意識にくわえてきた赤い風船。
はて、これは何だろう?食えるのか、食えないのか。
今はただの小さい袋。
休憩がてらに、
商店街の八百屋の隣。
ここの主人は、やたら若い。
どうやら、奥さんは妊娠中らしく、お腹が大きく膨らんでいる。
しまった。
魚屋に行けば良かった。
でもあそこの親父はにゃんだか好かない。
休憩がてらにお昼寝してたら、主人も休憩がてらに隣にしゃがんだ。
「いいものもってるねぇ。。」
主人がしゃべりかけてきた。
横目でちらり。どうやら悪いやつではなさそうだ。
けど、こちらとしては、みゃーとしか言えにゃい‥。
道隅にポイと、ごみが捨てられる。
これは、人間のセンスなのか?
飾っているのか?
空気は日に日に汚くなる。大きく深呼吸しなくなる奴が増える。
どんどん、家から出てこなくなる、パソコンとにらめっこ。
機械はしゃべらないし、責められない、自分を守り、相手を殺せる。
これは、人間のセンスなのか?
よくわからなくて、静かにそこを立ち去った。
その夜、八百屋に飼われていたネコと知り合った。
奴は黒い体に少し小太りで、妙にひげの長い奴だった。
そこの夫婦は、とてもそいつを可愛がっていた。
興味はないが、うらやましくもあった。
「おめぇ、もしかしてそれ風船か?
どうやら人間は皆、風船を持ってるみたいなんだ。
その風船は故意的に膨らませれない、何かを感じたとき、知ら
ないうちに膨らみ、失えば破裂する。どうやらすごく大切らし
く、いつ離してしまうかわからない不安を抱えながら、生きて
るみたいだ。人間てぇのは、不思議なもんだな。」
そんなものをずっとくわえてきたのか‥!
だんだん、風船がすごいものに思えてきて、嬉しさあまり、触れてみた。
パ、パンチ‥!!
つい、遊んでしまった。
「それでよぉ‥」ネコは興奮気味で話し始めた。
「人間の女ってぇのはもっと不思議で、持ってた風船が腹ん中に
吸い込まれて、どうなるかと思ってたら、腹が膨らみ始めたん
だ!!今、そっからどうなるのか見てるとこなんだよ!」
ぐぅ‥‥‥。
何も食べてなかった。その音を聞いたネコは、ほんの少し自分の餌をわけてくれた。
しかもそれはサンマだった!!
こおばしい味が口の中に広がる。
ん~!んまい!!
幸せな気分を味わったそのとき、
風船が、ぷぅ‥と少し膨らんだ。
!!
思わず動きが二匹とも止まった。
目はこれほどにないくらい開き、キラリと光った。
そよ風に静かに赤い風船がゆれていた。
つづく