倉本聰氏「これが最後」テレビ局に絶望
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/08/06/01.html
人気ドラマシリーズ「北の国から」などで知られる脚本家の倉本聰氏(73)が「テ
レビへの絶望がある」としてドラマ脚本の執筆をやめる可能性を明かした。脚本を担当
するフジテレビの10月スタートの連続ドラマ「風のガーデン」(木曜後10・00)
で、舞台となる北海道・富良野で会見。「これが最後という気持ち。テレビ局が視聴率
だけを考え、現場が悪くなった」と憂えた。
倉本氏は「風のガーデン」の主人公の家族が育てているという設定の庭の前で、主演
の中井貴一(46)、緒形拳(71)らとともに会見。黄色や白い花が咲く中「これが
最後だなという気がした。連続ドラマはしんどいし、作っているスタッフもどんどん世
代が違ってきているし…」と打ち明けた。
日本テレビ「前略おふくろ様」(1975~77年)フジテレビ「北の国から」(8
1~2002年)など多数のヒット作を生み出してきた脚本家の「最後かな」発言。富
良野のホテルに場所を移し再び取材陣に囲まれた倉本氏は「これが最後の連ドラになる
?」との質問に「ありますね」とキッパリ。
人間の生と死をテーマにした同ドラマの執筆中に感情移入しすぎて体調を崩し精密検
査を受けたことも明かした。倉本氏は「体力的なこともあるが、テレビへの絶望という
のもはっきり言ってある」と話した。
「今回のスタッフは一生懸命取り組んでくれている」と強調した上で「かつては知恵
を使って作っていたが、今は知識でものを作るようになった」と指摘。「(一緒にやっ
てきたスタッフが)役付きになり、現場から離れ、技術や知恵が伝承されず、役者を含
めて現場がものすごく悪くなった」と苦言を呈した。
さらに「質は考えず、視聴率だけで評価するようになってしまった。脚本家、演出家
、役者を悪くしていったのはテレビ局に責任があると思う」と怒りをあらわにした。
倉本聡が黒木メイサ絶賛もドラマ界に苦言
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20080806-392303.html
脚本家倉本聡氏(73)が、女優黒木メイサ(20)を絶賛した。フジテレビ系連続
ドラマ「風のガーデン」(10月スタート、木曜午後10時)の制作発表がこのほど、
北海道・富良野で行われた。「北の国から」(81~02年)「優しい時間」に続く富
良野3部作の第3弾。黒木は中井貴一(46)演じる、末期がんに冒された主人公の麻
酔医の娘役。中井の父親を緒形拳(71)、黒木の弟を神木隆之介(15)が演じる。
フジテレビが富良野に6000万円と2年の歳月をかけて造成した、350種の花が咲
き乱れるブリティッシュガーデンを舞台に描く。
「もう73歳だし、いつもこれが最後の作品になるかもと思って取り組んでいる。テ
レビの現場が、役者も含めて悪くなっている。そういう役者を極力なくしてほしい」と
話す倉本氏にとって、今回はベストな配役。1人、1人の役者を思い浮かべながら脚本
を書き上げた。中井については「スケベな医者なので(中井)貴一しかいないと思った
。品行方正な人間なので欠点を入れてやろうと思ってね」とニヤリ。黒木は昨年のフジ
系「拝啓、父上様」に続く起用。「素晴らしい。若いのに、こびたりしないのがいい。
女優として、演技はまだこれからのところもあるけれど、素材がいい」と激賞した。
倉本氏から高い評価を受けた黒木は「難しい作品でプレッシャーもありますが、楽し
くて勉強になります。東京から、このブリティッシュガーデンに戻ってくると落ち浮き
ますね」と話した。
倉本聰氏 連ドラ引退…体力の衰え痛感
http://www.daily.co.jp/gossip/2008/08/06/0001305402.shtml
ドラマ「北の国から」などで知られる脚本家・倉本聰氏(73)が、10月に放送さ
れるフジテレビ開局50周年記念ドラマ「風のガーデン」(初回日未定、木曜、後10
・00)を最後に、連ドラの脚本をやめることを明言した。ドラマの北海道・富良野ロ
ケを視察した倉本氏が明かしたもので、体力の衰えやテレビ界のドラマ制作システムな
どが理由という。引退こそ明言しなかったが、今後の仕事は現時点で未定という。
「風のガーデン」が、倉本氏にとって文字通りの“集大成”となる。昨年8月に脚本
を仕上げ、同12月から撮影はスタート。富良野の山あいに総工費6000万円かけて
製作された365種類の花々が咲き乱れる「ガーデン」での撮影を、このほど視察した
倉本氏は、今作で連ドラの脚本を最後にすると明かした。
「(脚本を)書いているうちにこれが最後だと思った。連続もんはしんどいですし、
(ドラマを)作っているスタッフも世代が違ってきている。体力的なものもあるし、テ
レビへの絶望もある」。お酒とたばこをこよなく愛する73歳。感情移入して今作を執
筆するあまり、体を壊して、昨年、2回も精密検査を受けるなど年々、体力の衰えを痛
感していたという。
体力の限界に加え、テレビ局のドラマ制作システムも理由に挙げる。「(現場の人間
が)売れっ子になるとデスク付きになったりする。育てることも局が怠っていて現場が
ものすごく悪くなった気がする。局は、(ドラマの評価を)面積(視聴率)でなく容積
(内容)で考えない」と独特の言い回しで視聴率ありきのテレビ局に苦言を呈した。
「北の国から」「優しい時間」など数々の名作を生み出してきた倉本氏。連ドラにつ
いては“引退”を表明したが「書きたくなったら書きますし、分からないです。断言す
るのは嫌ですしね」と脚本家引退については言葉を濁した。