VOL.1 サッカーを始めたスイスの少年時代 2007.06.25
http://www.soccer-m.ne.jp/soccerdays/mizushima-01.html
僕は父親の転勤で小学生時代をスイスのチューリヒで過ごしました。本格的に現地のク
ラブチームに入ったのは5年生の時ですが、もともと父親が日本サッカーリーグの三菱(
現浦和レッズ)に在籍した選手だったので、幼いころから教えてもらっていたんです。
写真を見る限りでは、歩き始めてすぐボールを蹴っていたみたい(笑)。
当時、僕は英語しか喋れませんでしたが、スイス人が使うのはドイツ語。
当然コミュニケーションが取れないから個人プレーに走るしかなくて、しょっちゅう監
督に怒られていました。でもホント、何が理由で怒られているのかすら分からなかった
んですけどね(笑)。
ある時、日本サッカーリーグの全日空がスイスへ遠征に来て、現地のクラブチームと試
合をする機会があったんです。それが生まれて初めてのスタジアム観戦でしたが、とに
かく大人たちの迫力がすごくて、ちょっと怖かったのを覚えています。当時は、現五輪
代表の反町監督が現役バリバリで来ていて、父親と親交があったので握手してもらいま
した。反町さんとはその後、高校生の時に再会して1年間指導してもらったのですが、
僕のことも覚えてくれていて、すごくかわいがってもらえましたね。
スイスはサッカーを始めた場所ですし、今でも日本の次にスイス代表を応援しています
。2008年のヨーロッパ選手権は自国開催なので頑張って欲しいですね。
僕が思うのは、日本のサッカー少年はみんな上手いということ。技術的にはスイスの子
供たちだけでなく、世界のどの国よりも上手いと思います。それに、海外の子供が知ら
ないような組織的な動き方ができたり、専門用語を使って指示したり、頭がいい。だか
ら自信を持って欲しいと思うし、サッカーは1試合1試合何が起こるか分からないので最
後まで諦めないでプレイして欲しいと思っています。
あとは、自分が好きな選手を見つけるのが一番楽しいし、上手くなりやすいと思います
。プレイをマネするのも、プロを目指すのも自然な流れですし。それに、サッカーは、
世界中の人とコミュニケーションできたり、その国に興味を持つきっかけになれるもの
。例えばロナウジーニョの影響で、サッカー人口やブラジルのことを知った人が増えた
と思います。スイスに住んでいたから言う訳ではないですけど、サッカーって世界共通
言語だなと感じますから。
僕はサッカーを通じて、人との接し方や礼儀を学べたと思うし、そういう意味でもより
多くの子供たちにサッカーをして、いろいろな事を学んで欲しいと思っています