吉岡秀隆が戦争を見届けた兵事係に
8月10日放送、TBS系「シリーズ激動の昭和 最後の赤紙配達人」(仮)
薄れゆく戦争の記憶と昭和の歴史を語り継ぐ企画「シリーズ激動の昭和」
の第3弾として、TBSは「最後の赤紙配達人」(仮題)を制作し、同系で
8月10日(後9・0)に放送する。若者たちを戦場へと駆り出した召集令状
(赤紙)にスポットを当て、番組はドラマとドキュメンタリーで構成する。
戦時中の滋賀県大郷村で、徴兵検査の世話をはじめ、召集令状や戦死公報
の配達などをする兵事係を15年間務めた西邑仁平(にしむら・にへい)さん
。村人たちを戦地へ送り、残された人々をただ見守るしかなかった西邑さん
は、戦後、焼却を命じられた兵事書類の一部をひそかに自宅に保存した。有
無を言わさず戦場に送り出され、見知らぬ土地で無念の最期を遂げた人々の
記録を焼くに忍びなかったのだ。
ドラマでは、西邑さんの姿を通して、静かな農村に暮らす平凡な人々が過
酷な戦争に巻き込まれていく様子をリアルに描く。ドキュメンタリーでは、
ミャンマー(旧ビルマ)やテニアン、サイパンなどで行った詳細な現地取材
を基に、村人たちが戦地でどのような運命をたどったのかを伝える。
自らも苦悩しながら、つらい職務を全うした西邑さんを演じる吉岡秀隆は
「仁平さんの思いを台本上では想像できても、現場で実際に演じることは本
当に難しいです」と神妙な面持ち。実在の人物を演じることの責任も痛感し
ており、「これまでのように“頂いた役を演じる”のとは、またちょっと違
う感じです。僕1人では背負いきれないので、スタッフ皆で悩みながら手探
りで撮影しています」と語った。
2009.7.29 TVguide
http://www.tvguide.or.jp/TF0802LS.php?groupId=121&newsId=1169
映像で問う敗戦から64年目の夏 TV各局
敗戦から64年目の夏を迎え、テレビ各局が8月、戦争と平和を考える番
組を相次いで放送する。戦争の惨禍を改めて映像で訴える取り組みが、今年
も続く。
NHKは、ドラマ「気骨の判決」(総合、16日午後9時)が注目される
。戦時中、「翼賛選挙は無効」とする判決を下した大審院判事の生き様を描
く。主人公の判事を小林薫が演じる。
ドキュメンタリーは「渡辺謙 アメリカを行く 星条旗の下に生きたヒバ
クシャたち」(総合、7日午後10時)が目を引く。日本に帰国中に被爆し
、その後米国に戻った日系移民を渡辺が訪ねてインタビューした。
渡辺は「戦争や原爆がどんどん遠のいている現代、米国で生きた被爆者の
体験や思いを感じていただければ」と話す。
「証言記録 市民たちの戦争」(BSハイビジョン、9日午後6時45分
、10~13日午後7時)は銃後の人々の証言を紹介。「忘れないで、わた
したちの戦争 中居正広が聞く戦場の声」(総合、14日午後7時半)では
、五木寛之、金子兜太、奈良岡朋子が戦争体験を語る。
民放は、広告収入の落ち込みで特集番組の制作を見送った局もある。その
中でTBSは、ドラマとドキュメンタリーで構成する「最後の赤紙配達人
悲劇の“召集令状”64年目の真実」(10日午後9時)をつくった。
ドラマ部分では、召集令状や戦死公報の配達人だった滋賀県の西邑仁平さ
んを吉岡秀隆が演じる。ドキュメンタリーではサイパンやテニアンなどの戦
地を紹介する。島田喜広プロデューサーは「市井の人たちに戦争はどのよう
な影響を与えたのかを、丁寧に伝えたい」と語る。
テレビ朝日は「報道発 ドキュメンタリ宣言」(10日午後7時)で「僕
の父はB級戦犯」を放送する。「戦争絶対反対」を信念とする、うじきつよ
しが、職業軍人でありB級戦犯になった父と、戦地を訪ね歩く。
CS放送の日本映画専門チャンネルは映画やドラマなど計13作品を放送
する。
「蟻(あり)の兵隊」(06年作品、4日午後10時など)は、上官の命
令で戦後も中国にとどまった元兵士たちのドキュメンタリー映画。「ヒバク
シャ HIBAKUSHA 世界の終わりに」(04年作品、6日午後10
時など)は、劣化ウラン弾の被害を受けたイラク人の少女や、プルトニウム
工場の風下で農業を営む男性らに鎌仲ひとみ監督が取材したドキュメンタリ
ーだ。(大室一也)
2009.7.28 朝日新聞
http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY200907280288.html