映画「ゴールデンスランバー」の大規模ロケ
伊坂幸太郎の長編小説「ゴールデンスランバー」が映画化される。
首相暗殺犯にでっち上げられた男がひたすら逃げ回るという物語で、
伊坂作品の中では群を抜くスケールの大きさ。舞台となった仙台市で
は、2カ月にわたって大がかりなオールロケが展開された。
■広がる物語 2カ月かけて描く
日曜の朝、市中心部を走る大通りの沿道に約1千人のエキストラが
集まった。市民たちが歓迎する中、車に乗ってパレード中の首相が暗
殺されるシーンの撮影だ。片側車線が約6時間封鎖された。中村義洋
監督が「初めは本当に撮影できるのかと思った」と話すほど、今回の
ロケは一筋縄ではいかなかった。
逃走や警察の包囲場面が核となるだけに、エキストラ大量動員のた
めホームページも開設、約4千人を集めた。地下の雨水管や地下鉄駅
、市街地での撮影もあり、市の協力で実現した。
「アヒルと鴨のコインロッカー」「フィッシュストーリー」に続い
て伊坂作品は3本目となる監督だが、「撮り終えると、次の現場へと
移動の繰り返し。まるでロードムービー」と勝手が違うようだ。物語
の展開も過去2作と異なり、「的を一つに絞らず、多くの人たちと出
会うことで物語が広がっていく」。
謀略で犯人に仕立てられた青柳は警察に追われるが、知人らに次々
救ってもらえる。「なぜ青柳は皆に助けてもらえるのか」。他人の好
意を誘う人柄の青柳役に監督が選んだのは堺雅人。「ジャージの二人
」「ジェネラル・ルージュの凱旋」に続く中村組への参加だ。
堺は別の日、市中心部の広瀬川を全身ぬれながら渡った。逃走の末
の重要な場面だ。和気あいあいとした現場は同じだが、「作品ごとに
監督の雰囲気は違う。今回はあまり演技の指導を受けてない」と明か
す。
不安な時期もあったが、すぐ考えが浮かんだ。「ほかの登場人物が
青柳にどんな刺激を与えていくかに演出の主眼を置いているんじゃな
いか。ならば演技はつけようがない」。では受ける側としてどう演じ
るか。台本を通じて感じた、青柳の「どんなときも深刻にならない健
やかさ」を大切にしているという。
ほかに出演は竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之ら。来年
1月公開予定。(高橋昌宏)
2009.9.28 朝日新聞
http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY200909280208.html