崖から飛び降りようとしたあさみ(松雪泰子)を見ていた和賀(中居正広)は
、とっさに彼女の手を掴んだ。宿命にもがき苦しむ彼女に遠い日の自分を見て
いた和賀は彼女に「宿命は変えられる。もう一度生まれ変わればいい」と言っ
たのだった…。
翌日、和賀はあさみを助けたことを後悔していた。殺してしまおうと思った彼
女をなぜ助けてしまったのか、自分の心に何度も問い掛けていた。あさみは、
助けてもらったお礼を言いに和賀のホテルの部屋を訪ねるが、和賀は「人とし
て心配だっただけだ」と言い残し部屋を出てしまう。
部屋の部屋に残されたあさみは、彼が忘れて行ったライターを手に取りもう一
度実家へ向かう。そしてライターから少しだけ勇気を借り、母の骨壷から骨を
ひとかけら持ち出す。自分が憎み、愛していた母親がこんな姿になってしまっ
たのかと、悲しみに溺れながら…。
東京に戻った和賀は、婚約者である綾香(京野ことみ)の父・重喜(夏八木勲
)から呼び出される。外泊の注意もあったが本題は、彼の知り合いが主催する
ピアノコンサートに出て欲しいということだった。和賀は快く頼みを受けるが
、その会場はなんと三木を殺害した現場のすぐ近くの蒲田だった!
蒲田のコンサートを終えた和賀は恐怖に怯えていた。蒲田では殺した三木の姿
さえ見た気がしていた。和賀は闇の中で「何度来ても殺してやる…」とつぶや
いたのだった。そんな和賀に、一本の電話が入る。相手はなんとあさみだった
。ライターを借りたので返したいという。バーで和賀と落ち合ったあさみは、
彼にお礼を言うと「あなたはいつ生まれ変わったの?」と聞く。和賀は一瞬動
揺するが「僕は君みたいに悲惨な宿命を負ったりしない。人の人生を、勝手に
自分と一緒にするな」と言い、バーを出て行く。和賀を怒らせてしまったと思
ったあさみは、彼に謝って握手を求める。
和賀は躊躇するがあさみと握手を交わし、ふたりは別れたのだった…。
一方今西は、妻の純子(森口瑤子)から、近所に住んでいる女優とすれ違った
話を聞く。その女優とはまさに、東京に戻ったあさみなのだった…。
後日、岡山と東北弁の謎がどうしてもひっかかっていた今西は、国立国語研究
所に向かう。そこでなんと、岡山の一部で東北弁と似た発音をする「出雲弁」
が使われていることを知る!興奮を抑えられぬまま地図を広げた今西の目に飛
び込んで来たのは『亀嵩』の文字だった…!!
後日、あさみは和賀に会いにいつもの公園へ向かった。
そして和賀を見つけたあさみは、彼に言った。
「私には、もう一度生まれるなんて出来ない。私は私をあきらめたくないから
、もう一度やり直してみるわ」と。
和賀は、自分が選ばなかった道をまっすぐに歩こうとしているあさみが眩しく
みえたのだった。そして和賀の心には、どうしようもない悲しみが込み上げて
いた…。