「秀夫!」人気ピアニスト・和賀英良(中居正広)は、コンサート
を終え車に乗り込もうとしている所をある男に呼び止められた。
その呼び声を聞いた和賀は自分の耳を疑った。それは、とうの昔
に抹消したはずの自分の名前だったのだ。人違いだ、とその名を
否定した和賀だったが、体の傷により、やむなく自分が秀夫だと
認めざるを得なかった。
…その男の名は三木(赤井秀和)。彼は、父親以外で和賀の過去を
知る唯一の人物だった。改めて再会の時を設けた二人だったが、
その日、和賀は忘れてしまいたい過去の名を繰り返す三木を突き
飛ばして殺害してしまう─。家路に走る和賀は成瀬あさみ(松雪
泰子)とぶつかる。
それは、遺体が発見されるほんの三時間ほど前のことだった。