泉田病院で21年間植物状態の田中茂(佐戸井けん太)に覚醒の兆候が出た。それに気づ
いた都倉(織田裕二)は、会議で担当の熱川(渡辺いっけい)に田中の事情を聞く。し
かし、熱川をはじめ信哉(松岡俊介)、俊介(阿部寛)も田中について詳しいことは知
らないと言う。
その時、マキ(田中美里)が会議室に飛び込んでくる。「田中の指が動いた」というの
だ。一同が駆けつけるが、田中の様子に変化は見られなかった。都倉は田中を徹底的に
調べてみよう、と主張するが、慶一郎(長塚京三)と俊介がそろって反対し、都倉の意
見は聞き入れられなかった。
その様子を見ていた信哉が都倉に田中のレントゲン写真をこっそりと差し出す。その写
真から都倉は田中が植物状態になった原因を推察することができた。慶一郎が現れ、写
真は取り上げられてしまうが、都倉の脳裏に閃くものがあった。
一方、由希子(松雪泰子)は、都倉からカフェに呼び出しを受ける。由希子と都倉が話
していると、店の外から女の悲鳴が。男に麻薬を買うよう強要されていた娘は慶一郎の
一人娘・香織(山田麻衣子)だった。由希子はその男・多田(KEE)を投げ飛ばし、香
織を救うが、多田はナイフを出して逃げようとした際、誤って通りがかりの門松(田中
啓三)の胸にナイフを突き立ててしまう。
救急車を呼んでいる余裕はなかった。都倉は近所の医院に被害者を運び込み、由希子に
手伝わせてオペをする。都倉の卓越した技術により、門松の一命を取り留めることに成
功する。
渋谷南署で、都倉は由希子に21年前に山梨で起こった交通事故について調べて欲しいと
言う。由希子はある事を思い出し動揺する。
翌日、香織は都倉の元を訪れる。事件の口止め料だといって、慶一郎の部屋から盗んで
きた田中のレントゲン写真を渡す。写真に挟まっていた資料を見た都倉は予想していた
思いを確信する。
一方、都倉に頼まれていた事件のデータを昔の恋人・宇波(乃木涼介)からもらった由
希子は、その資料を見ていくうち、ある一件に目が止まり、言葉を失う。そして部屋に
戻った由希子は都倉からの電話を受ける。事件について尋ねられた由希子は田中茂とい
う名前は見当たらないと告げるが、都倉からは「田中茂という名は多分偽名です。調べ
て欲しいのは、…三輪忠志。彼が自分の病院に植物状態でいる」と告げられる。その名
を聞いた由希子は驚愕するが、慌てて部屋を飛び出す。
その頃、都倉は田中茂=三輪忠志の病室にいた。薬品が装填された注射器を手にした都
倉は、ゆっくりと薬品を注入していく。そして注射針を抜いた時、由希子が部屋に飛び
込んできた。三輪に近づいた由希子は、「嘘…どうしてここにいるの……おとうさん!
」と衝撃の事実を発したのだった!
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