第二外科主任に就任した都倉(織田裕二)は、ますます精力的にオペをこなし、それに
比例するかのように、第一外科の俊介(阿部寛)チームよりもオペの依頼が殺到してい
た。
苛立つ俊介は、都倉に対してだんだんと敵意が湧きあがるのだった。俊介だけでなく、
由希子(松雪泰子)や同僚たちも都倉の変貌振りに戸惑っていた。そして、第一外科と
第二外科の間には大きな溝ができ始めていた。
慶一郎(長塚京三)は慶明医大の小笠原教授(津嘉山正種)と都倉の関係を察し、都倉
に聞き出そうとするが、都倉はただ「この病院を良くしたいだけです」というだけだっ
た。
ついには、訳がわからないまま小笠原から「医師会役員に推薦する話はなくなった」と
言われてしまう。
一方の由希子は、小林洋司(市川勉)という男を取り調べていた。洋司はケンカをして
相手を殺してしまったと自首して来ていた。だが、洋司はみるからに気が弱そうでとて
も人殺しをするような男には見えない。身代わりになっていると確信した由希子は強引
に取調べを続ける。“悪になりきれない男は目が違う”…そう思う由希子は、都倉のこ
とを思い出していた。
香織(山田麻衣子)の誕生日が近づいていた。香織は信哉(松岡俊介)に都倉を招待し
たいと相談するが、信哉は慶一郎たちと都倉の関係が険悪だから難しいという。香織は
思い切って自分で都倉を招待することに決め、都倉に会いに行く。都倉は香織の話から
、香織が生まれたのはあの事故の遭った21年前の11月23日だと知り衝撃を受ける。
由希子は、洋司の息子・康友(高村晃平)を取り調べる。金銭トラブルのもつれから相
手を殺し、父親を身代わりに出頭させていたのだ。そんな康友に由希子は掴みかかる。
だが、一方で、それも親子の絆なのだとわかっていた由希子は、「慶一郎にも家族がい
るのだから憎み続けることはできない。でもあなたは復讐するのなら気が済むまですれ
ばいい」と都倉に話す。だが、都倉は「復讐ではなく、この病院を救いたいんです」と
言う。
そして事故からちょうど21年目の11月23日がやって来た。香織のバースデイパーティに
都倉は現れた。不機嫌になる慶一郎と俊介。取り繕うために、信哉が香織の生まれた時
の話を始める。動揺を隠す都倉以外その場の雰囲気は和やかになる。
一言挨拶を、と言われた都倉は、慶一郎を見つめながら自分の父親について話を始める
が、自分を見つめる慶一郎の家族たちを見ていたたまれなくなり、その場を立ち去る。
だが香織は、途中で出て行った都倉が気になっていた。慶一郎からも二度と会うなと言
われた香織は、反発して雨の中家を飛び出す。そして泉田病院に向かった香織は、二階
を歩く都倉の姿を見つけ、駆け寄ろうとするが、雨に濡れた靴がすべって転落、意識を
失ってしまう。
緊急で治療をする都倉。そして、連絡を受けた慶一郎たちも駆けつける。
慶一郎は、都倉を院長室に呼びつけ、「俺の大事な家族に二度と関わるな!」と厳しく
言う。そんな慶一郎に、都倉は今日は加山亜紀枝の命日で、自分は慶一郎の息子なんだ
と告げる。思いがけない都倉の告白に激した慶一郎は胸を押さえて倒れこんでしまった
!
その頃、見舞いに訪れていた由希子の目の前で、忠志は閉ざしたままのまぶたから涙を
こぼしていた…。
http://www.tbs.co.jp/mayonaka/