三輪（佐戸井けん太）の容態が変わった事を告げる、エマージェンシーコールに気を取
られた都倉（織田裕二）と由希子（松雪泰子）の隙をついて、安藤（石黒賢）は逃亡し
た。三輪は肺塞栓で予断を許さぬ状況である。

事務長が殺人を図り、姿を消すという前代未聞の事件はマスコミをにぎわし、泉田病院
の患者数は激減する。さらに、機を見るに敏な熱川（渡辺いっけい）が順真大のドクタ
ーを全員引き上げることを申し入れてきたため、泉田病院は創立以来のピンチを迎えて
しまう。都倉は病院存続の為、規模を縮小し、心臓外科の専門病院にすることを提案す
る。しかし、自らが育て上げた病院に愛着が深い慶一郎（長塚京三）には受け入れがた
く、俊介（阿部寛）も慶一郎の気持ちを汲みたいと、都倉の提案を退けた。

一方、姿を消した安藤はマキ（田中美里）に電話する。三輪が危険な状況だと知らせる
と、安藤は「あいつは俺が殺す！」と…。そこへ由希子が現れ、電話を取り上げ「逆恨
みもいいところじゃない。警察はあなたを捕まえるまで警備は解かない。近づくことさ
え無理」とはっきりと通告する。絶望して電話を切る安藤。マキは我慢できず倒れこん
でしまう。

警備を続ける由希子。視線を察した由希子はふと正面に目を向けると安藤がいた。

「あんたが三輪の代わりだ」。ナイフを取り出し、ジリジリと近寄る安藤に由希子は「
マキさん、妊娠してるわ」と告げた。「あなたには大切な人がいるのよ」。一瞬の隙を
突いて樋口（佐藤二朗）ら捜査官達が強光量のサーチライトを掲げ、由希子によって安
藤は逮捕された。

三輪の肺栓塞は再発の恐れがあった。慶一郎は自らが執刀することを宣言。自分の方が
肺栓塞に関しては専門であること、三輪の容体が変わった途端に病院がこんな状態にな
ってしまった、だから何としても自分の手で助けたいという慶一郎に都倉は助手を申し
出る。

熱川は、出て行ったはいいが、順真大に居場所はなかった。自分もこの病院に愛着があ
るから、もう一度ここで働きたいと俊介に話に来る。そんな熱川の言葉を俊介は受け入
れる。

俊介はあらゆる大学病院に業務提携をお願いに回るが、どこもさっぱりな状況だった。
だが、慶一郎が必死に築き上げた城を守りたい…。そんな思いを聞いた都倉は、建物を
残すという条件の上でできる改革案を慶一郎と俊介に提示する。泉田病院自体は心臓外
科専門病院に変わり、空いたフロアをテナントとして貸し出す。デパートのように専門
店（独立するドクター）を集めるというものだった。「優秀なドクターじゃないと意味
がない」という慶一郎の言葉にも、「どこの世界にも腕は一流なのに活躍の場所に恵ま
れない人間はいる。その顔ぶれを見てから決めてください」と自信たっぷりに都倉は答
える。都倉の徹底的なリサーチの結果、超一流の腕をもったドクターに話を持ち込み、
次々と賛同を受けていたのだ。一緒に面接をした俊介は、今まで都倉に抱いていた確執
の否を認め、受け入れる気持ちに変わっていた。

一ヵ月後、拘置所にいる安藤の元を訪れた由希子。「（マキに）僕が謝っていたと伝え
てください」「順調ですよ、お子さんは。安藤さんにも、家族がいるんです。彼女を幸
せにしたければ…しっかり罪を償ってください」。涙ぐみながら頷く安藤。

夕方、泉田病院のロビーで、由希子と三輪は夕焼けを眺めていた。三輪はホスピスリゾ
ートに転院することになった。やってきた都倉に感謝の言葉を述べる由希子。するとど
こからか声が。ハッと三輪の方を見ると唇が動いていた。そして夕焼けを見て微笑みな
がら「きれいだな…由希子」とついに三輪が言葉を発したのだった。

夜。

泉田病院は名前を一新、ユニオンメディカルセンターとして生まれ変わり、今日はその
披露レセプションが行われていた。俊介は慶一郎の補佐という形で全てを統括すること
になり、都倉は心臓外科を一任されることになった。

その都倉がステージに立つ。「僕たちがやらなきゃいけないのは、大学病院のご機嫌を
取る事でも権力争いでもない。患者さんに目を向けることです。でも僕たちにも限界は
ある。心の傷を癒すのは、友人、恋人、そして…家族です。この病院は必ず成功させま
す」。会場は拍手に包まれた。

会場には佳代子（泉晶子）が現れる。「お父さんが迎えに来てくれたの」。テレ笑いす
る慶一郎。微笑む俊介、信哉（松岡俊介）、香織（山田麻衣子）…そして都倉。離れた
ところからその様子を由希子が見つめていた。微笑みあう二人。外は、雪が降り始めて
いた…。

END

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