「1日8時間の猛特訓を積んだダンス」
東北の玄関口福島県にあるテーマパーク 『スパリゾートハワイアンズ』。
現在は全国から多くの人がやってくるリゾート施設であり、我々東北人に
とっても馴染み深い温泉地でもある。この常夏の楽園が、40年以上前に『
常磐ハワイアンセンター』としてスタートするまでには、実は様々な人の
様々な思いや出来事があった。
40年の時を超え語られる奇跡の実話、映画『フラガール』(9月23日【土】
全国一斉ロードショー)。笑いと涙が交錯するこの映画のプロモーション
で来仙した主演の松雪泰子さんから「仙台だてBLOG」スタッフが、撮
影秘話や作品への想い、メッセージなどを伺ってきた。(連載3回)
──物語──
昭和40年の福島県・常磐炭鉱。本州最大の炭鉱として栄え
いたこの地も、かつての盛隆は見る影も無くなり、大幅な
人員削減が進んでいた。そんなまちを救うため、この北国
に「楽園のハワイ」を作るという起死回生の一大プロジェ
クトが持ち上がる。目玉は南国のフラダンスショー。この
フラダンスを炭鉱娘に教えるため東京からダンスの講師が
呼びよせられた。
元花形ダンサーで気位の高いその女性は、自分が今まで生
活をしてきた世界とはあまりにかけ離れた炭鉱や炭鉱娘た
ちを初めは馬鹿にするが、やがて少女達のひたむきな姿に
、自分が忘れかけていた情熱を再燃させる。炭鉱娘達はひ
とりひとり厳しい現実を抱えながらも、多くの失敗を繰り
返しながらも、友情や希望を支えに強く美しくフラダンス
の真髄を体にしみこませていく。
そして──。
かつてSKD(松竹歌劇団)で活躍をしたこともあり、東
京からダンスを教えに来るという役柄の平山まどかを演じ
る主演の松雪泰子さんに話を聞いた。
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── 「仙台だてBLOG」といいます。今回は宜しくお願い致
します。
松雪 (素敵な笑顔で)「よろしくお願いします」。
── 仙台にいらっしゃるのは何度目ですか?
松雪 「4回目ですね。つい最近は4月に荒吐ロックフェスティバ
ルで来て、歌っちゃいました」。
── えっ、そうなんですか。行きたかったです・・・。去年は
行ったんですけど・・・。仙台の街の印象とかはありますか。
松雪 「やっぱり牛タンですよね。すみません、ありきたりで(笑)」
── いやいや、是非今回も召し上がってください。
松雪 「そうですね。時間を見つけて行きたいと思います」。
── さて早速ですが、今回の映画は松雪さん自身のダンス
シーンも見ものです。やはりレッスンは大変でしたか?
松雪 「もう大変でしたね。昨年末から準備をして、撮影は1月か
ら2ヶ月間、福島県のいわき市で行なったのですが、ダン
ス自体は3ヶ月間練習しました。私はソロのパートの部分
だったのですが、午前中はバレエ、午後はサルサやフラで
、多いときは1日8時間練習しました。腹筋なんか割れちゃ
いましたよ(笑)」。
── 8時間!ダンスの経験はあったんですか。
松雪 「全然無かったんです。だから撮影に入るまでも入ってから
も、ものすごいプレッシャーでした」。
── 初めて拝見したとき、松雪さんが踊るシーンで姿勢を
正しているところを見て、草刈民代さん(映画「Shall
we dance?」等出演、日本トップバレエダンサー)
だと思いました。
松雪 (驚き恐縮をしながら)「え~!そんなそんな」。
── 全く未経験には見えませんでしたよ。今後も踊りは続け
ていきたいですか。
松雪 「そうですね、これはずっと続けてみようと思います」。
── ダンス以外で工夫した点はどこでしょうか。
松雪 「私が演じるまどかという女性は、最初、周囲に対してガー
ドがすごく固いのですが、交流をしていくうちに心境が徐々
に変化する様をセリフとセリフの合間でどう表現するか、
監督とよく話をしてイメージをわかせて望みました」。
── なるほど。具体的にいいますと。
松雪 「目線とか生徒にふれるちょっとした様など、小さなリアクシ
ョンに特に気を使いましたね」。
── 監督の話がありましたが、李相日(り・さんいる)監督
の会う前のイメージと、実際会って仕事をしてからの印
象の違いなどはありましたか?
松雪 「う~ん・・・特にこうだっていうメージも抱かなかったです
し、撮影が始まってからもギャップは感じなかったですね。
ただ、監督は今まで男性の方を上手く表現してきた方(※妻
夫木聡と安藤政信『69 sixty nine』、オダギリジョーと加
瀬亮『スクラップ・ヘブン』など)なので、今回は女性だら
けの映画ですから、どのようになるのかはとても楽しみでし
た。現場に入ってから作り上げていくのがすごく上手な方で
、役者さんや現場の声を吸い上げながら形にしているという
作り方です。シーンひとつひとつに人間くささやリアリティ
をしっかり出す監督さんですね」。
── 苦労したシーンなどはありますか。
松雪 「どれも苦労したんですが(笑)、蒼井優ちゃん演じる紀美
子に対して怒るシーンがあって、それは愛情があるゆえに
怒る場面なのですが、特にテイクを重ねました。監督は、
表現が思い切りよく伝わるのであれば、突発的に湧き上
がるシーンもそのまま使ってくれますが、こだわっている
シーンに関しては自分が思い描いている到達点に達する
まで何度もテイクやリハーサルを重ねていました。こだわ
りを凄く感じました」。
── 今回、新人の山崎静代さん(南海キャンディーズ しず
ちゃん)との共演だったのですが、どうでしたか。
松雪 「ほーんとうにあのままのしずちゃんで(笑)。でも演技もす
ごく自然だし、初めてとはとても思えませんでした。しずち
ゃんや生徒役の女の子達は一緒にいる機会が多くて、本当に
楽しかったです。
── では仲良くなったのですね(笑)
松雪 「ええ、仲良くなりました(笑)。是非また一緒に仕事をした
いですね」。
── しずちゃんは制作発表の際に、共演の豊川悦司さんに
アプローチをかけていましたが、実際には撮影現場で
はどうでしたか。
松雪 「うーん、特に何もアクションはおこしていませんでした」。
── 女の子達とのエピソードは。
松雪 「もう生徒達とは(先生の表情になって)ずっと一緒でしたか
ら、撮影と平行して踊りのレッスンもやっていたので、みん
なでサルサを踊ってから『温泉に行こう!』 『先生も行こ
うよ!行こう行こう!』となり、最初は少し躊躇したんです
けどもうみんなで裸になって、露天風呂で裸の付き合いです
(笑)。本当に『合宿!』って感じで楽しかったです。みん
な良い子達で」。
────続く
この作品への熱い思いが、話のひとつひとつから聞いてうかがえました。
来週は撮影の裏話やメッセージなどをご紹介します。
(仙台だてBLOGスタッフ) 95.09.01
http://hula.da-te.jp/