役所広司初監督作『ガマの油』で2足のわらじ
共演・小林聡美「盆と正月が一遍に来た」
役所広司の初監督作『ガマの油』の製作発表が18日(水)、千葉
市内の病院で行われ、主演も兼ねる役所、瑛太、小林聡美、K-1選
手の澤屋敷純一、二階堂ふみが出席した。
5月18日のクランク・インからちょうど1カ月。役所は、「大き
な心と大きな善意をもつスタッフの存在はありがたい。ただ、監督
との両立はダメですね」と苦笑いを浮かべた。というのも、「自分
の演じたものにOKを出すのがためらわれる。それに、『もう1回や
りたいな』という状況で口にし難いですから」と語った。
それでも、共演者からは絶賛の嵐だ。役所の妻を演じる小林は、
「初共演となる今回が初監督作ですから、盆と正月が一遍に来た感
じです。最近はベテラン扱いで演技指導してくれる人がいないなか
、『そこで指は動かさない』など細かい演出をしてくれるので、感
謝してます」と役所へ頭を下げながら挨拶した。
2人の息子役の瑛太は、台本を読んで“ゾゾゾ”と鳥肌が立った
という。「役所さんの監督作品だし、スケジュールがしんどくても
、夜眠る時間がなくても、絶対にやりたい! と思った。演出もす
ごく具体的で分かりやすいので、現場へは0の状態で行って、色づ
けは監督に任せてます」と全幅の信頼を寄せた。
横で喜びをかみ締めたような表情の役所は、「瑛太君はこん睡状
態でベッドでのシーンが多いんです。そのまま寝てても良いから、
と口説いたんです」とじょう舌だ。「役者たちの演技で作品がキラ
キラと輝いていくのを見るのは楽しくて仕方がない」と現場での手
ごたえを口にした。
クランク・アップは6月下旬で、今後は静岡県の富士樹海や福島
県で撮影をする。2009年上半期に全国で公開予定。
2008.6.18 Variety Japan
http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d000003ibnq.html
役所広司が監督挑戦、目指すは09年カンヌ
俳優役所広司(52)が映画監督に初挑戦することが18日、発
表された。主演を兼ねるファンタジー作品でタイトルは「ガマの油
」(09年公開)。96年の「Shall we ダンス?」で
14の映画賞を総なめにするなど日本トップ級の表現力を、今度は
監督としても披露する。この日は千葉市内で行った撮影を公開し「
俳優が輝く姿を見るのが楽しい」と手応えを口にした。製作側は来
年のカンヌ映画祭に出品する意向を表明している。
数々の主演男優賞を獲得し、世界的にも有名な俳優の役所が初メ
ガホンを取ることになった。この日、撮影現場を公開。会見した役
所は「(主人公)矢沢拓郎役の役所広司です。監督も何とかやらせ
てもらってます、役所広司です」と重ねて自己紹介。照れ笑いしな
がら「両立は全然ダメです。自分が演じたものにOK出すなんて。
でも、監督って楽しくて常にニコニコしています」と話した。
企画は数年前に着想し、2年前から本格的に動き始めた。役所監
督が原案を手掛け、瑛太(25)小林聡美(43)沢屋敷純一(23)
ら配役に強い要望を通した。撮影は先月18日にクランクインし、
今月30日に撮了予定。佳境を迎える現場で、役所は監督業と俳優
業の違いを発見しているという。
「『もう1回やらせて』と言いにくいし、時間がない中で決断す
る寂しさを感じます。普段は出番が終わったら『お疲れさま』って
帰るけど、監督として準備段階から最後まで付き合ってみて、今ま
でのあいさつの軽さに気付きました」。
88年「アナザーウェイD機関情報」で映画に初主演してから
20年。96年に「Shall we ダンス?」(周防正行監督
)などで14の映画賞を総なめにするなど俳優の第一線で活躍して
きた。そこで培った表現力を監督作に注ぎ込む。「最近は大人の女
優に見られて指導される機会が減った」と話す小林に対して「そこ
は指を動かさない」などと細やかに演出。瑛太からは「演出が具体
的で分かりやすい。ゼロの状態で現場に入って、役所監督に色を付
けてもらってます」と信頼を寄せられた。
監督役所として、来年のカンヌ映画祭への出品も目指す。97年
の主演作「うなぎ」(今村昌平監督)がパルムドール(最高賞)を
受賞し、今年も出演作「トウキョウソナタ」(黒沢清監督)が「あ
る視点部門」の審査員賞に輝くなど賞レースの常連だ。
「ガマの油」の製作・配給元ファントム・フィルムの小西啓介プ
ロデューサーも「今年のカンヌで役所さんの監督企画を紹介したら
、映画祭関係者やバイヤーに好評だった」と好感触を得ており、実
現の可能性は高そうだ。
2008.6.19 日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/news/p-et-tp1-20080619-373748.html
役所広司が初監督!主演も兼ねる「ガマの油」で四苦八苦
悩み多き役所監督の手腕やいかに?
「SAYURI」「バベル」「シルク」などで国際的に活躍する俳優・役
所広司が初監督で主演も務めるヒューマンドラマ「ガマの油」が、
現在オールロケで撮影が進められている。 6月18日、千葉県内の撮
影現場にて、役所広司“監督”と出演者の瑛太、小林聡美、二階堂
ふみ、K-1ファイターの澤屋敷純一が記者会見を行った。
作品は、役所自らの原案で作られた完全オリジナルストーリー。デ
イトレーダーとして成功を収めていた矢沢拓郎(役所)だが、ある
日ひとり息子の拓也(瑛太)が交通事故で意識不明の重体に陥って
しまう。突然のことに拓郎と妻の輝美(小林)は途方に暮れるが、
ちょうどその日は拓也の幼なじみの秋葉(澤屋敷)が少年院から出
所する日であったため、身寄りのない秋葉を引き取ることになった
。そして数日後、息子の彼女からかかってきた携帯電話に思わず出
てしまった拓郎は、真実を告げられず息子になりすましてしまう…。
今回、監督&主演と二足のワラジをはいた役所は、監督と俳優の両
立について聞かれると「全然ダメですね。自分の演技にOKを出すの
は嫌だなと思うし、もう1回やり直したいと思っても言いにくいの
で、つらいことが多いですね(笑)」とその苦労を吐露。しかし出
演陣からは「監督・役所広司と俳優・役所広司の両方があるから、
(演出が)具体的で分かりやすかった」(瑛太)、「最近あまり演
出をしてくれない監督も多い中、役所さんは『そこで指は動かさな
いで』など細やかな演技をつけてくれるので、新鮮な気持ちで日々
勉強させていただいています」(小林)、と役所監督の手腕を高く
評価するコメントが寄せられた。
配給元のファントム・フィルムから来年のカンヌ国際映画祭出品を
目指すことも発表された「ガマの油」は、6月30日クランクアップ
予定。09年に全国ロードショーとなる。
2008.6.19 eiga.com
http://eiga.com/buzz/20080619/1