■第一話
コンビニでバイトをするカントク。彼は借金返済に追われていた。
ある日、携帯にまで借金返済を迫る電話がかかってきてしまい嫌気がさしたカントクは
携帯を放り投げる。
すると携帯は見事に水の張った洗面器の中へ落下。
アンラッキーにも携帯は壊れてしまう。
バイトへ行こうと外へ出れば、これまたアンラッキーにも、チンピラ達に囲まれ借金返
済を迫られる始末。
一方、出会い系サイトで“サクラ”のバイトをするカントクの元カノ:ミキ。
ミキは、スケベ男たちとメールのやり取りをするだけの毎日にうんざりしていた。
おまけに、TVの占いを観れば自分の星座はワースト1。
満員電車に乗れば隣にいたオヤジの息が臭い。
帰りには雨が降ってきてずぶぬれ。
と、アンラッキーな日々が続いていた。
そして、巷で流行している漫画家:クニオ・シュタイナーの家では……
編集者:サナダがクニオの机を物色し、いつものように盗みを働こうとしていた。
今回見つけたのは祝儀袋に包まれた千円札3枚。
そのうちの1枚は、何故だか真っ黒に見えるくらいに落書き(?)がされている。
しかし、何のためらいもなくサナダはそのお金を持って部屋を後にする……。
と、その光景を真っ白な服を着た怪しげな男が見つめていた。
トイレから戻ったクニオはその男に気づき愕然とする。
「ナツメ!!どうしてお前がここに……?」
一方、“真っ黒なお札”を持ったサナダは銀行でお札を両替していた。
そこは、ミキの常連客で秋葉原巡りを日課とするイガラシが勤める銀行。
とその時、二人の男:ナリタとアマノが入ってきた。
そしていきなり発砲!!
慌てふためくイガラシをよそに、銀行のお金を奪い去っていった。
その頃カントクがバイトをしているコンビニでは、ミキとカントクが言い争いをしてい
た。
「どうして携帯番号変わったの教えてくれないの?」
と元カレを責めるミキ。だが、カントクはしどろもどろな返答をするばかり……。
そんなところへ、銀行強盗に成功したナリタがカバンを持ってやってきた。
コンビニのトイレで、奪ったお金の受け渡しをする手はずになっていたのだ。
緊張すると異常なまでに水を飲む癖があるナリタは、そこでも迷わず水のペットボトル
を購入。ナリタが差し出したのは例の“真っ黒な千円札”。
カントクはためらいながらもそのお札を受け取った。
そしてそのお札は、お釣りとしてミキへ……。
ミキは“真っ黒な千円札”を不思議そうに見つめながら去っていった。
一方、トイレに置かれたカバンに気づいたカントク。
カバンの中身が大金だと知ると……
なんとそのお金を自分のカバンの中へ!ネコババしてしまったのだ!!
クニオの元から巡り巡ってミキの手元に届いた“真っ黒な千円札”。
そしてカントクの手元に転がり込んできた大金。
それらがとんでもない騒動を巻き起こすことになろうとは、二人ともまだ気づいていな
かった……。