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http://yyuio89.secret.jp/kof/2000story5.html 一面の廃墟、過去のものではない、この世に生まれ出たばかりの廃墟。赤ん坊の産声か と錯覚する音を立てながら建造物が軋み、それをあやすかのようにはげしい煙がまとわ りつく。 這裡是一片廢墟,看起來不像是歷經歲月所演變,而是人為所造成的廢墟。在雜亂的建築 物中,彷彿會聽到嬰兒的哭聲.到處都煙霧瀰漫著。 おさまらない煙。鼻腔は煙に燻され、視界も満足に開かれない。だが見えてくる。あと 20秒。ハイデルンは、その煙の先を凝視していた。その横に寄り添うように影が一つ。 ハイデルンは凝視したまま、部下であろう影に呼びかけた。 到處都瀰漫著煙霧。不只燻進鼻腔,也使得視線無法盡開。但是,逐漸能夠看清楚了。還 有20秒。海德倫凝視著那陣煙的前端。那個方向漸漸出現了一個影子。海德倫繼續凝望著 ,對著像是部下的影子喊道。 「ラルフか?」 「是拉魯夫嗎?」 影がラルフへと変化していく。 影子的形狀逐漸變成拉魯夫的身影。 「状況報告します」 「狀況報告」 声ははっきりしているが、体中にダメージを負っているのは、誰の目にも明らかだった 聲音非常宏亮,不過誰都看得出來他身上有傷。 「どうだ?」 「如何?」 「全員収容しました。クラーク、レオナともに外傷はありますが、軽くすみそうです」 「全員收容成功。克拉克、蕾歐娜也受了一點傷,不過沒甚麼大礙」 やりとりはちょうど20秒。 整個對答正好花了20秒。 「はれるな」 「你了解了吧」 ラルフには意味が分からない。 拉魯夫不明白這句話的涵義。 「は?」 「啊?」 「見えてくる」 「看那邊」 ハイデルンの視線を目で追うことで、その意味は分かってくる。煙が、おさまった。 順著海德倫的視線,立刻就了解了。煙散了。 ハイデルンは表情を変えない。だが、ラルフは苦い表情を浮かべた。嫌なことを思い出 していた。その原因が再び目の前に現れたのだ。煙の次は巨大な穴だった。 海德倫的表情沒有變化。但是拉魯夫卻浮現痛苦的表情,看來是想起甚麼不好的回憶。而 那回憶的原因現在又出現在眼前。煙霧散去後,出現的是一個巨大的坑洞。 足下からすぐ真下へと、何か巨大な物を受け止めそこね、破れてしまったかのような巨 大な穴。さらにその下には、この大穴にちょうど合う『蓋』が存在した。その蓋にはす でに数名の人影が降り立ち、何か作業を始めていた。 從腳下一直向正下方延伸,好像是有什麼巨大的東西掉下來,將地面砸出一個巨大的洞穴 。在洞穴的最下方,有一個跟洞穴差不多大小的『蓋子』。在那蓋子上,有幾個人影降落 到上面,開始了某種作業。 「あそこか?」 「就是哪裡嗎?」 「そうです」 「沒錯」 ちょうど人影の固まる位置を指さすラルフ。『蓋』にはさらにもう一つ穴が存在し、人 影の大半は、その穴を囲んで密集していた。 拉魯夫指著像一個像人影的地方。『蓋子』上還有一個洞,人影的大部分,都在那裡面。 「地盤ごとイカれてました。俺達の上に被さってきたのがあの『蓋』です。蓋にあいて いる穴は逃げるために俺があけたやつです」 「地面崩塌下來時,那個『蓋子』正好蓋住我們,我就往那個洞逃過去。」 「どういう状況だった?」 「當時情況如何?」 「キャノンの直撃が、地盤にかなりのダメージを与えてたんでしょう。ゴッソリ陥没で す。俺も意識がはっきりした直後の出来事で無我夢中でした」 「加農砲打中這裡的時候,整個地面都崩塌下來。我就喪失意識了。剩下的就全部不記得 了。」 「コマンダー!」 「指揮官!」 振り返る2人に調査隊の1人が近付いてきた。 兩人一起回頭,一個調查隊隊員靠了過來。 「報告します。『蓋』の下を調査しましたが、生存者はなし。遺留品と思われるこちら のディスクだけが発見されました」 「報告。我們調查過『蓋子』的下方,沒有生還者。不過倒是發現了這個疑似遺物的光碟 『ふざけんな!!』 『不要亂開玩笑!!』   感情がラルフの歩幅を大きくした。同時に隊員の目には怒りの表情をたたえたラルフが 迫ってくる。差し出されたディスクは弾き飛ばされ、乾いた音を響かせた。 心情激動使得拉魯夫大步向前。並對調查隊員投以可怕的表情逼近。伸手將碟片打飛,發 出清脆的聲音。 「んなわきゃねえだろがッ!!生存者なしだと?遺体はッ!?発見できたのかよッ!! 「怎麼可能!!沒有生還者?遺體呢!?總該有遺體吧!!」 瞬時に迫ってきたラルフの顔が、はげしくフレームアウトをくり返す。強烈な首への圧 迫感と白んでいく視界。失われていく意識の中で、ハイデルンの声だけが凛と響いた。 突然靠近的拉魯夫的臉,加上激烈地的搖晃。在強烈的壓迫感下,眼前漸漸變白。快要失 去意識的時候,海德倫出聲了。 「待て」 「慢著」 はじき飛ばされたディスクを拾い上げながらハイデルンは目で、ラルフを制止した。 海德倫撿起飛到一旁的碟片,眼神則制止了拉魯夫。 「詳細を聞こう。生存者、いや、遺体は発見できなかったのか?」 「你詳細地告訴我。生還者,不,沒發現遺體嗎?」 上官の制止にラルフは自分のいきすぎた行為を自覚した。崩れ落ちそうになりながらも 隊員が口を開く。 因為上司的制止,而發現自己失態的拉魯夫。重新對癱倒在地上的隊員開口。 「申し‧‧‧訳あり‧‧‧ません。訂正します。生存者は発見できませんでした。ただ 遺体は発見されています」 「抱‧‧‧抱歉‧‧‧。在此修正。沒有發現生還者。但是有發現遺體」 「なっ‧‧‧!!」 「什‧‧‧!!」 再びつめ寄ろうとするラルフと、隊員の間に自分の体を挟み込み、ハイデルンは質問を 続けた。 拉魯夫再次情緒激動地向隊員靠近,海德倫立刻擋在兩人之間,繼續詢問下去。 「男か?‧‧‧女か?」 「遺體是男的?‧‧‧還是女的?」 「お、男であります」 「是、是男的」 「特徴は?調べられているか?」 「特徵呢?調查過了嗎?」 「特徴‧‧‧ですか?」 「特徵‧‧‧嗎?」 不意の質問だったが、記憶と情報の断片に、さほどの種類はなかった。隊員は断片が書 き連ねられているメモを取り出し、やや調子を取り戻しつつ報告を始めた。 突如其來的詢問,隊員努力地回想記憶中的片段,但是沒有任何線索。於是拿出了記事本 ,漸漸鎮靜下來地報告著。 「現時点で判明している部分を報告します。性別は先ほどの通り、男であります。一部 損傷の著しい部分もありますが、遺体はほぼ原形をとどめています。着衣ですが、コー トのような物に武装が施された物を着けています。それと、これは‧‧‧なんと報告し てよいのか‧‧‧、不可解な部分が‧‧‧」 「就目前已知的部分,性別如同之前所說的,是男性。身體上雖有部分傷痕,遺體大致上 還算完整。服裝像是有加上武裝處理的大衣。然後‧‧‧這個‧‧‧要如何報告‧‧‧不 清楚的部分‧‧‧」 つまる隊員にハイデルンが答えた。 海德倫幫吞吞吐吐地隊員回答道。 「顔だな?」 「是臉嗎?」 「そうです。ご存じだったのですか、コマンダー?」 「是的。您都知道了嗎,指揮官?」 「ご苦労だった。調査を続行せよ」 「辛苦你了。繼續進行調查吧」 隊員の質問にハイデルンの言葉がかぶさった。いや、ハイデルンはあえて言葉をかぶせ たのだ。とまどいを見せながら任務に戻る隊員をよそに、ハイデルンはラルフにディス クを差し出した。 隊員的質問被海德倫的話給帶過了。不,海德倫是故意輕輕帶過的。隊員帶著疑惑回歸自 己的任務,海德倫則將光碟交給拉魯夫。 「心当たりはあるか?」 「心裡有譜了嗎?」  まだハイデルンの手にあるディスクには、依然、ラルフが見たことのあるコードがふ られていた。 海德倫手中的碟片,上面有著拉魯夫之前就見過的編號。 「‧‧‧シリアルコード1012-710‧‧‧!」 「‧‧‧Serial Code1012-710‧‧‧!」  記憶がはっきりしたものになる。このディスクが誰のものなのか。だが、それを口に 出すことをラルフの本能は拒絶した。その拒絶が明らかにラルフの表情に現れたのをハ イデルンは見落とさなかった。 記憶十分清楚。雖然知道這個碟片的持有人,但是拉魯夫的內心在抗拒承認。拉魯夫很明 顯地表現出拒絕的表情,但海德倫完全不為所動地問道。 「ウィップのものに間違いないな?」 「這是Whip的東西沒錯吧?」  返事はない。ハイデルンは肯定と受け取った。 沒有回應。但海德倫當作答案是肯定的。 「私は引き続き現場の調査を行う。おまえはこのディスクの中身を解析しろ。ウィップ は諜報部隊に籍を置いていたこともある。死の直前に何かをおさめたのかもしれん」 「我繼續留下做現場的調查,你先回去解讀這碟片中的資料。Whip既然原本是屬於諜報部 隊的,死之前可能會留下什麼訊息」 「死‧‧‧!!」 「死‧‧‧!!」  拒絶していた言葉をハイデルンがいい放った。否定しようとつめ寄るラルフの目の前に ディスクが差し出される。 拉魯夫一直拒絕提到這個字眼,但還是被海德倫輕易地說出口了。雖然拉魯夫打算否定這 訊息,但此時光碟片已經交到他眼前。 「任務だ」 「這是任務」   ディスクを渡し、その場を立ち去ろうとするハイデルンにラルフが、彼には珍しく、何 かのどの奥からしぼり出したような細い声で引き留めた。 將光碟交給拉魯夫,海德倫正要轉身離去時,拉魯夫用非常罕有的輕聲,好像發自他喉嚨 最深處的輕聲,讓海德倫停下腳步。 「教官‧‧‧お願いがあります」   「教官‧‧‧有件事想求您」 ハイデルンは振り返らない。ラルフは気にせずに続けた。 海德倫沒有回頭。但拉魯夫毫不介意繼續說道。 「自分も調査任務に就けて下さい」   「請讓我也參與調查任務」 一瞬の間があった。やはり言葉はない。歩き出すハイデルンの腕を、ラルフは思わずつ かんでいた。 在這一瞬間,沒有任何言語。拉魯夫想也沒想,握住正要走開的海德倫的手腕。 「お願いです」 「拜託您」  腕をつかむ手にさらに力が入る。傷だらけの手。それはいかにラルフの脱出行が凄惨な ものであったかを物語っていた。ハイデルンがその手に自分の手をそえる。だが、それ はラルフの申し出を承諾するのとは逆の意味での行為だった。ラルフの力を軽く凌駕す るハイデルンの握力がラルフの腕にかけられる。 握著手腕的手加強了力道。充滿傷痕的手。這意味著當拉魯夫脫離現場時,情況多麼慘烈 。海德倫伸出另一隻手握著拉魯夫的手。但是,這表示他對拉魯夫的請求表達駁回之意。 他的握力輕易地凌駕在拉魯夫的握力之上。 嫌な音が響いた。不意をつかれた驚きも重なり、いつもとは違う痛みがラルフをおそっ た。 響起了極不悅耳的聲音。沒有想到會反被握住的拉魯夫,感受到不同於往常的痛楚。 「クッ‧‧‧つぉ‧‧‧ッ!!」 「嗚‧‧‧啊‧‧‧!!」  跪くラルフをハイデルンが見下ろした。さらに高みから2人を見下ろす空の雲間には、 いつ頃からか日差しがのぞきはじめている。ラルフはハイデルンに顔を向けたが、見上 げた上官の表情は逆行でうまくとらえることができなかった。いつもより冷たさを増し た影が、やっとラルフに口を開いた。 拉魯夫痛得跪了下來,仰望著海德倫。陽光從雲間的縫隙照射下來。拉魯夫抬頭望著海德 倫的臉。長官的臉因為逆光的緣故,看起來比平常更加地冷酷,對著拉魯夫開口。 「ダメージも満足に回復していない者に、調査任務を預けるわけにはいかない。ディス クを解析しろ」 「受傷還沒痊癒的人,不可能參與調查任務。回去解讀光碟去」 「分かんないでしょ!死んだかどうかなんてさぁ!!」   「還不能確定吧!誰知道她到底死了還是怎麼了!!」 むなしい行為というのは分かっている。だが、ラルフには食ってかかるしか方法がなか った。依然としてハイデルンの表情はとらえられない。冷たい影から淡々と言葉が紡が れていく。 他自己也知道,這樣的行為沒有益處。但是,拉魯夫除了這樣發洩,也想不到別的方法。 海德倫的表情依舊不變。冷漠的身影中傳來淡淡的話聲。 「そうだ。だから、その白黒をはっきりつけろと俺はいっている。そのディスクがお前 の希望をつなげてくれるかもしれないのだからな」 「沒錯。所以,我非常明白這件事該如何處理。那片光碟說不定跟你所希望的事有什麼關 聯也不一定」 「‧‧‧!」 「‧‧‧!」  ラルフは愕然とした。ウィップの死を決めつけている自分に。それを上官に気づかされ てしまったことに。ハイデルンはもう歩き始めている。ラルフはそれ以上、追いかける ことはできなかった。 拉魯夫愣住了。認為Whip的死完全是自己的責任的他。原來上司也這樣牽掛這件事。海德 倫開始向前走去。但是拉魯夫卻沒有繼續追上去。 ※ ※ ※ どれくらいそこにいただろう。考えを巡らせるわけでなく、ラルフはただそこに跪いた ままでいた。不意に雲間からの日差しが強さを増し、眼下に広がる大穴の輪郭をより鮮 明に浮かび上がらせた。手に握らされたディスク。その先に広がる大穴。 不知道過了多久。腦袋中也完全沒有思考任何事情,拉魯夫只是一直跪在那裡。突然從雲 的縫隙間照射下來的陽光增強了,眼前的大坑洞看起來也更加明顯。光碟握在手中。在眼 前的大坑洞。  何かがラルフの中ではじけた。 拉魯夫的身體好像要迸裂出什麼東西似的。 「くっ‧‧‧‧‧‧そがっ!!!!」 「可‧‧‧‧‧‧惡啊!!!!」  ラルフは地面を叩いた。何度も、何度も。自分への怒りから湧き出た力は容赦なく拳に 送られ、一向におさまろうとしない。拳が裂けるように痛い。その痛みは同時に、ウィ ップへの謝罪も意味していたのかもしれない。だが、今のラルフにそこまで考えを及ば せる余裕はなかった。いつしか血塗れだった拳は、血の色の失せた、泥まみれの拳とな っていた。 拉魯夫搥打著地面。一拳又一拳,一拳又一拳。對自己的憤怒所湧出的力量,毫不留情地 從拳頭發散出去。拳頭痛得像要裂開一樣。在這痛楚中,或許也包含了對Whip的歉意。但 是,現在的拉魯夫沒時間想這些。滿是鮮血的拳頭,血色逐漸淡去,成為沾滿泥巴的拳。 「────!!!」 「────!!!」  広がる風景とは対照的に、澄み切った空気がラルフの絶叫にふるえた。 澄澈的空氣中,拉魯夫的長嘯,與這寬廣的風景形成了強烈對比。 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 59.115.209.237
Rice816:這篇劇情好棒! 10/28 21:51
Rice816:誰「知到」她到底死了還是怎麼了 10/28 21:51
Onslaught:蕾歐娜跟克拉克終於完全路人化了....連半句台詞都沒有 10/28 21:54
※ 編輯: Eriol 來自: 59.115.209.237 (10/28 21:55)
Rice816:再回頭看看龍虎隊這麼惡搞的結局反差真是大 ~ 10/28 21:54
tomoyuki1017:沒辦法 鞭子算是音巢篇女主角之一吧 10/28 22:14
emulators:沒去找資料還不知道,這次怒隊開場是以倒敘在說劇情... 10/29 04:06
emulators:白話地講, 就是說這段是遊戲結局之後的事 很少見的倒敘 10/29 04:06
Manaku:看來00打進決賽的應該是K隊和怒隊 10/29 04:31
MrSinister:這篇很精彩耶 10/29 18:33
eocforever:推 10/30 23:56
KameiAi:推 10/31 10:45
TakahashiEri:推 11/01 00:55
NacciEriAi:推 11/01 01:34