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http://yyuio89.secret.jp/kof/2000story1.html 「セッティングは済んだ?」 「後置準備好了嗎?」 バックミラーの中の女は、口紅を直しながら運転席に尋ねた。 後視鏡中的女子,正一邊擦著口紅,一邊問著開車的人。 「招待状の手配は1週間前に。集合の手配は先ほど完了しました。あと5分もすれば会 場です。ご準備を」 「邀請函已經在一週前寄出。集合事項也在剛才完成了。再五分鐘就會到會場。請準備」 「今日はそれだけでいいのね?」 「今天只有這些事情而已吧?」 「はい。特にオプションは承っていません。ご家族とご予定でも?」 「是的。沒有甚麼特別的事項。您與家人有約嗎?」 「ええ。食事の予定をね。でもよかったわ。キャンセルしなくて済みそうだから」 「是啊,要跟家人一起吃飯。不過真是太好了,我差點就要取消了呢」 車窓から見えるホールを眺めながら、女は支度を終えた。 女人一邊看著車窗外的建築物,一邊結束了補妝。 ※ ※ ※ 人の体温はすさまじいものだ。そこにいるものなら、誰しもそう思ったに違いない。2、 3千人が収容できる程度のホールとはいえ、隙間なく人が入ってしまえば、状況はすさま じい。 人群的體溫實在不是蓋的。在這裡的人,每一個都這麼想。雖然說這裡是蓋來容納兩三千 個人的會場,不過當每個空隙都被人塞滿時,狀況實在是恐怖。 その上、大半は目の前に繰り広げられるイベントに熱狂している。ただ暑いというだけ でなく、浮かされた人の熱までもおそってくる。 而且,現場多數的人都為眼前即將展開的活動狂熱。不止是溫度上升,連人們的熱情都席 捲而來。 少なくともK′(ケイ・ダッシュ)にとっては、最悪なシチュエーションだった。 最起碼對K′來說,這是最糟糕的狀況。 「嫌がらせか?」 「想惹我生氣嗎?」 どこを見るでもない、いつも通り無愛想でK′はマキシマに言葉を投げた。 K′一如往常地冷淡雖然在和Maxima說話,卻也沒掉頭看他。 「?あ、悪い。お前も飲むか?」 「?啊、歹勢。你也要喝嗎?」 マキシマはたいしてしまったという風もなく、一人口にしていたビールをK′に差し出 した。明らかな勘違い。 Maxima將啤酒拿給K′,態度也不是很認真。很明顯,K′指的不是這件事。 「‧‧‧じゃねぇよ」 「‧‧‧誰跟你說這個了」 「もう1個ほしいのか?」 「你想要一罐新的啊?」 「ふざけんな。いったことと違うだろうが。奴らの動きを叩くのはどうなった?」 「開什麼玩笑。你之前不是這樣說的吧。你不是說找到那些傢伙的動向了嗎?」 「ネスツか。ああ、やる。ここの用事が済んだらな」 「NESTS啊。那個啊,有啊。只要這邊一切順利的話」 マキシマはあっさりと答え、再びビールを口にした。 Maxima乾脆地回答之後,又將啤酒放回嘴邊。 「用事‧‧‧?」 「這邊的一切‧‧‧?」 「チームメイトと面通しだよ」 「跟隊友碰面啊」 怪訝な表情を浮かべるK′の前にマキシマは封筒を差し出した。 Maxima拿了一個信封到神色驚訝的K′面前。 「招待状‧‧‧『KOF』?どういうことだ?」 「邀請函‧‧‧『KOF』?是怎麼回事?」 「お呼びがかかったんだよ。招待選手で固めたスペシャルチームでの参加だそうだ。昨 日、チームメイトからアクセスしてきた。待ち合わせがこの場所ってワケだ」 「我們又被邀請囉。這次似乎已經被限定要組成特殊隊伍參賽了。昨天,隊友已經跟我聯絡 上了。這裡就是約好會面的地方」 「出るのか?」 「你要參加啊?」 「決勝トーナメントがサウスタウンで行われるらしい」 「決賽好像是在南鎮舉行的樣子」 「サウスタウン‧‧‧ここか?」 「南鎮‧‧‧就是這裡啊?」 「すぐ近くだ。そのあたりで何かした形跡がある。どう見てもこの大会、シロじゃない 。疑わしきは当たってみるってわけさ。‧‧‧おっ、お出ましだぜ」 「很接近了。附近的確有些蛛絲馬跡。不管怎麼看,這大會都不簡單。如果我的猜測沒錯 。‧‧‧唷,出現了」 わき上がる歓声はメインイベンターの入場を知らせるものだった。歓声が波を描くよう に移動していく。だが、リングへと近づくにつれて、その歓声はどよめきへと変化して いった。観衆に隠されて、K′達には何が起こっているのか確認できない。しばらくす ると観衆の中から、マスクマンがリングへと飛び上がった。一人、また一人‧‧‧次々 に同じマスクをかぶったレスラーがリングへとあがる。どよめきはいつしか笑いへと変 化していった。 四周突然歡聲雷動,代表今晚比賽的熱門選手出場了。歡呼聲就像沿著波動描繪一樣。不 過,隨著選手接近擂台,歡呼聲的響亮也起了變化。K′他們藏在觀眾裡,所以沒辦法確 認發生了甚麼事。過了一下子,突然有個面具男從觀眾中跳上擂台。一個,又一個‧‧‧ 不斷有戴著同樣面具的摔角手上台去。不知何時,歡呼聲已轉變為歡笑聲。 「傑作だ!シャレがきいてるぜ!」 「真不錯!很帥的出場方式!」 喜ぶマキシマをよそに、K′が一層つまらない顔をした。 K′站在歡欣的Maxima身邊,一臉的索然無味。 「くだらねえ」 「無聊斃了」 場内の混乱をよそに、ゴングが鳴らされる。中でもひときわ小柄なマスクマンがマスク を脱ぎながら、対戦者の方へと飛び出した。 伴隨著場內混亂的叫聲,比賽的鐘聲響起了。其中有一個短小精幹的面具男摘下面具,往 對手的方向飛撲過去。 ※ ※ ※ 『秒殺』。文字通りの展開だった。大歓声がリングに立つ、眼帯の男へと注がれる。 『秒殺』。就像這兩個字的意義一樣,比賽的走向就是如此。舞台周遭響起了大歡聲,全 都是因為那個帶著眼罩的男人。 「くだらねえ」 「無聊斃了」 あからさまな言葉に、マキシマもあからさまな顔で応える。 K′毫不掩飾地表達自己的不耐,Maxima也報以不爽的表情。 「何度もうるせえな。人が楽しんでるってのに」 「講那麼多次是不煩喔。我看的可高興哩」 「ショーを見てる暇はないぜ」 「誰有閒功夫看這種秀」 「ショー?今のやつか?演出がかったやつだが、なかなかどうして、たいしたタマだぜ 、あの大将」 「秀?你說那是秀?是帶點表演性質沒錯,不過那個大將真的很厲害啊」 無言で返すK′をよそに、マキシマはリングの眼帯男をサーモでとらえる。並んでいく 数字だけが男のただならぬところを証明していた。他の数値にも探りを入れようとした 瞬間、モニターに警告信号が映る。 K′沒有回話,Maxima則開始對擂台上那個眼罩男作分析。種種數字顯示那個男的並非易 與之輩。本來還想繼續探測他其他方面的數值,螢幕上卻出現了警戒信號。 「!」 「!」 マキシマの表情に緊張が走る。K′の隣、あいていたはずの席に女が頬杖をついて座っ ていた。 Maxima的表情緊張了起來。K′的旁邊,出現了一個應該在對面座位的女人,正以手撐著 臉坐在這裡。 「ハイ」 「Hi」 「あんたは?」 「你是?」 「パートナーよ」 「自己人啦」 「男じゃなかったか」 「不是男的嗎」 「昨日はマネージャーに連絡を取らせたの。びっくりした?」 「昨天跟你聯絡的是我的經紀人。嚇一跳了吧?」 「いや。マキシマだ」 「沒有。我是Maxima」 すべてを看破した風に、マキシマが手を差し出した。女もそれに応じる。 Maxima好像早就看穿一切似的伸出了手。那女人也作出了回應。 「ヴァネッサよ」 「我是凡妮莎」 「もう一人‧‧‧ラモンとかいう奴はいつくる?」 「還有一個人‧‧‧那個叫做拉蒙的幾時會來?」 「もうきてるわ」 「已經來啦」 マキシマがどこだと尋ねる声は、歓声にかき消された。マキシマが目をやると、眼帯男 のマイクパフォーマンスが始まっていた。 Maxima正在找拉蒙的時候,歡呼聲漸漸停了。Maxima定睛一看,那個眼罩男正要開始發表 談話。 「オレの実力を示すには充分だったが、みんなにはちょっと物足りなかったかな?今度 はもう少しサービスするから、懲りずにまたきてやってくれ!‧‧‧それと今日の勝利 は会場にいるあんたに捧げるぜッ!!」 「我想我已經顯示了自己的實力,但大家可能還沒有充分地得到滿足吧,下次我會再加點 沙必斯,所以大家還要再來嘿‧‧‧還有,我今天所得到的勝利其實是送給會場中的你的 !」 眼帯男が遠くヴァネッサを指さす。ヴァネッサもまた、手を振って返す。 眼罩男指著遠方的凡妮莎。凡妮莎也向他揮揮手。 「あいつか?」 「就是他?」 呆気にとられたマキシマがヴァネッサに確認した。手は降り続け、ヴァネッサが返す。 Maxima有點傻眼地向凡妮莎確認。凡妮莎慢慢將手放下。 「ダメかな?私はいい線いってると思うけど?」 「不行嗎?你不覺得我還很有吸引力嗎?」 そのやりとりも終わらないうちにK′が席を立った。ヴァネッサがK′に目を向ける。 在這對話還沒結束前,K′已經從座位上站了起來。凡妮莎往K′那邊看了一下。 「帰るの?」 「你要走了嗎?」 「用事がある。マキシマ、先に出る」 「我有事。Maxima,我先走了」 通り過ぎようと肩が並ぶ。ヴァネッサがささやいた。 正當與凡妮莎擦肩而過時,凡妮莎小聲地說了。 「少しは愛想を覚えたら?もっと格好よくなるわよ。坊や‧‧‧」 「稍微熱情一點會比較帥喔。小弟弟‧‧‧」 「うるせえ」 「囉嗦」 K′は目も合わせず、その一言だけを吐き捨てて立ち去っていった。続いて、マキシマ も席を立つ。 K′連看都沒看他一眼,就丟下這麼一句話揚長而去。接著,Maxima也站了起來。 「悪いな。うちの相棒は指図されんのが嫌いでね」 「不好意思,我這個夥伴一向都不喜歡聽別人的話」 「気にしないで。あれくらいでなきゃ、面白くないわ。うまくやっていけるんじゃない かしら、私たち?」 「不必在意。如果不是這樣就沒意思了。我們應該可以處得來吧?」 「だといいんだがね」 「希望如此囉」 相棒とは対照的に、マキシマは笑顔で会場を後にしていった。見送りながら、ヴァネッ サは腰から携帯電話を取り出した。 Maxima帶著笑容走向會場後面,與他的同伴形成對比。凡妮莎一邊目送他們,一邊從腰間 拿出手機。 「今出たわ。追いかけてちょうだい」 「他們出去了。給我跟著」 ヴァネッサもまた小走りで会場をあとにした。 接著凡妮莎也小跑步離開會場了。 ※ ※ ※ それは満足に視界も確保できない地下にあった。無数のコードの束をたどった先に、少 なくともK′には理解できない巨大なオブジェが、低い駆動音を立てている。遅れてマ キシマが到着した。 因為在地下,所以視野實在不太好。K′的眼前出現一束束用銅線綁著的巨大不明物體, 正發出低沉的聲音。比較慢出來的Maxima也到了。 「また、こいつか。何個目だ?」 「又是這玩意啊。都第幾個了?」  「ショーのやっているすぐそこで、わけの分からない物がうなっている。とことん業が 深いな。ここは」 「在剛剛進行表演的時候,就一直覺得有聽到奇怪的聲音。沒想到會放在這麼深的地底。」  コードにふれながら、K′がつぶやいた。   K′一邊觸摸著那些不明物體,一邊碎碎念。 「だが、これまでとは違う。こんな中心地に配置されているのは初めて見た」 「不過,這次和之前不同。這是第一次在核心地帶看到這種東西吧」  本体まで近づいたマキシマが指先のピンジャックを介して、データを探ろうとする。 Maxima用指尖的接頭碰觸那些東西,打算掃描分析這些物體。 「どうでもいいがな。少しは分かったのか、こいつの中身が?」 「隨便你怎麼作。你知道這些東西的來歷了嗎?」  「今やっている。‧‧‧チッ、同じだ。何かを転送する装置‧‧‧ってとこだな、分か るのは」 「我現在正在試。‧‧‧嘖,果然一樣。的確是某種傳輸裝置‧‧‧」  「奴らなのか?」 「是那些傢伙的?」 「間違いない。ネスツ製だ。パーツのどれにも見覚えがある。『KOF』開催地のそばに、 こんな物がゴロゴロしてるなんてな‧‧‧。絶対、何かあるぜ」 「錯不了,是NESTS製造的。不管是哪一個部份,都有明顯的感覺。『KOF』舉辦的地點旁, 居然放這種會發出聲響的東西‧‧‧。一定有問題」 マキシマのセンサーが発する警戒音と、閃光が瞬いたのはほぼ同時だった。 MAXIMA的報警器突然響了,同時也伴隨著一道閃光。 K′の目の前を銃弾がかすめていく。センサーが引き続き敵の数を数え始めた。 K′的眼前出現了槍彈。警報器持續計算著敵人的數目。 「今日はお客さんつきのようだぜ。大入りだ」 「看來今天有客人來囉。人還不少」  立ち上がり、腿のあたりをグローブで弾く。K′の右手が赤く燃えた。 K′站了起來,手套彈到腿邊,右手燃起赤紅火焰。 「群れれば勝てると思ってんのかよ」 「他們還是以為人多就會贏嗎」  「ああ、進歩がないな。確かに」 「看來是這樣沒錯,真是一點也沒長進。」  無数の赤いポインターが2人を照らしていた。 無數的紅點照在他們兩人身上。 ※ ※ ※ 車に戻ったヴァネッサは、シートに設けられたモニターを眺めていた。カメラとK′の にらみ合いがしばらく続く。映像はそこから突然に砂嵐へと変化し、途切れた。映像の 終了を待っていた運転手が口を開いた。 回到車上的凡妮莎,打開了車上的電視,畫面上出現了K’他們正面對敵人攻擊的景象,然 而這時畫面突然變成一片雪花,收訊中斷。一直在等帶畫面結局的司機說道。 「感づかれているかも知れません。会場出口からまっすぐこの車に。後は後部を持ち上 げられてどうにも‧‧‧」   「大概是被他們發現了吧。畢竟我們這台車就在會場正門口。接下來的畫面似乎‧‧‧」 少し考えたが、答えはすぐに出た。『なるようになる』。今のヴァネッサにとって一番 納得できる選択肢だった。 司機稍微思考了一下,幾乎要接著說『還是有辦法可以看到』。他認為那是個最能讓現在 的凡妮莎接受的答案。 「いいわ、このままいきましょう」 「沒關係,這樣就好」 「よろしいのですか?」 「真的沒關係嗎?」  答たえようとしたヴァネッサの声を爆発音が遮った。車が激しく揺れる。   凡妮莎正要回話時,聲音卻被一陣爆炸聲蓋過。車身也劇烈搖動了起來。 「なに‧‧‧!?」 「怎麼了‧‧‧!?」 近くで起こった爆発ではなかった。だが、車から見えるマンホールから出る煙が、爆発 音の威力を物語っていた。   倒附近發生了大爆炸。不過,從車子裡可以看到附近的水溝蓋冒出陣陣濃煙,說明了爆炸 的威力。 「やってくれたわね、あの子たち」 「作得不錯嘛,那兩個小弟」 ※ ※ ※ 「一発とっといて正解だったぜ」 「早知道就不要浪費子彈了」 展開した腕を戻しながら、マキシマがつぶやいた。 Maxima一邊收手一邊喃喃地唸。  「弾はもうないのか?」 「沒子彈了嗎?」  背を向けたまま、K′がたずねた。 K′背向他問道。  「ベイパー用なら2、3発残ってる。どうする?」 「只剩兩三發爆彈。怎麼辦?」  「全部くれ。こいつがまだ残ってる」 「全都給我。這東西還在」   K′の視線の向こう、爆発をしのいだオブジェが残っている。マキシマはカードリッジ を預けた。 K′的視線前,還有一部份剛才那不明物體殘留。Maxima則將彈藥給他。 「丁寧にな‧‧‧って、おまえ何を!?」 「你還真慎重‧‧‧喂,你幹嘛!?」  『KOF』の招待状を燃やしながら、K′は横目でマキシマを見た。 K′一邊燒了『KOF』的邀請函,一邊看著旁邊的Maxima。  「直接、殴るわけにはいかないだろう?」 「我總不能直接用手把這東西揍個稀爛吧?」  「そりゃそうだが、それがなきゃ‧‧‧」   「是沒錯,可是沒有邀請函的話‧‧‧」 「出られないのか?あの女がいれば大丈夫だろう」 「你怕不能出場啊?有那個女的在就沒差吧」  少し思案したが、マキシマはすぐに同意した。 Maxima稍微想了一下,很快就同意了。 「それもそうだな」 「你說得對」 カードリッジがオブジェの内部に仕こまれ、燃える招待状が投げこまれた。 彈藥已經放在不明物體裡,接著也將點燃的邀請函丟了進去。 ※ ※ ※ 再び爆発音を聞くまでには、それ程かからなかった。今度は小さい物だったが、充分耳 に届く音だった。 第二次的爆炸聲,與第一次並沒有間隔多久。這次只是小小爆炸,但聲音足以傳到耳中。  「お楽しみは、これからみたいね」 「看來接下來會很有趣囉」  ヴァネッサはK′達がいるであろう場所の方向をただじっと見ていた。 凡妮莎的視線移往K′他們所在的地方,不斷地注視著。 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 59.115.212.130
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