精華區beta KOF 關於我們 聯絡資訊
http://you.lolipop.jp/s/kof/2003/mukai.html 湿っぽく暗く、洞窟のような場所だった。仮に見上げても天井は見えない。淀んだ空気 がどこまでも高く積み重なり、見つめていると吸い込まれそうな気持ちになる。壁は岩 を組み上げただけの石垣のように見えるが、目を凝らせばそれぞれの岩が緻密に計算さ れた上、隙間なく積み上げられているのがわかるだろう。 這裡是個陰濕,很像洞穴的場所。就算往上看也看不到頂。汙濁的空氣淤積,感覺要將人 吸進去似的。看似普通的石壁,但凝神看去就會發現這些岩石是經過精密計算,沒有人何 間隙。 その奇妙な空間の一室に暖炉がしつらえてあり、勢いよく炎が燃えさかっていた。暖炉 の前には黒猫が一匹。そのさらに後ろに、一人の女が目を閉じ、立っていた。女の手先 からは数本の糸が伸び、黒猫へと繋がっている。糸はあまりにも細く、誰もその存在に 気づくことはできない。その女を除いては。黒猫は、炎に向かって数歩歩いた。歩調を 早めるでもなく、緩めるでもなく、一歩一歩、機械のように前へと進む。 這個奇妙的空間的一個石室裡裝有暖爐,正熊熊燃著烈火。暖爐前有一隻黑貓。黑貓後面 有一個女的閉著雙眼佇立。女人的指尖有幾條線,繫著黑貓。線十分細,沒有人能夠注意 到。當然,不包括那個女的。黑貓往火焰前進了幾步。步調不快也不慢,一步一步,像機 械似的前進。 「そう‧‧‧そのまま」 「對‧‧‧就是那樣」 女が呟いた。猫は炎のすぐそばにいる。髭が焦げるほどの距離だ。糸に繋がれている黒 猫は、自分が繋がれていることを理解していないどころか、感じてすらいなかった。い や、果たしてその糸が、物質としてそこにあるものなのかどうか‧‧‧。 女然喃喃地說到。貓已經到了火旁,已經快要燒到貓鬚了。被細線繫著的貓,大概不知道 自己被繫著,甚至也感覺不出。不,說到底,那條細線是不是物質也很難說‧‧‧。 「さぁ、行け!」 「好,去吧!」 女の声と共に、猫は左足を炎の中へ踏み出した。 在女人說話的同時,貓將左腳踏進火中。 「!!」 「!!」 猫は叫び声をあげ、反射的に足を引く。しかし、そこで動きが止まった。全身を何かの 金型に流し込まれたように、手も足も顔も動かすことができず、細かく体を震わせてい る。 貓叫了聲,反射性地縮腳。但是,牠的動作就這樣停止了。好像全身被塞進一個金屬模型 似的,無論是手腳還是臉,都無法動彈,牠玲瓏的身體因此顫抖。 「さぁ、もう一度‧‧‧前へ」 「來,再一次‧‧‧前進」 今度は猫が左足を完全に踏み出した。毛の焼け焦げる異臭が部屋に漂う。薪のはぜる音 以外、奇妙に静かなこの空間にオレンジ色の火の粉が散った。 這次黑貓的左腳完全踏出去了。石室中漂蕩著貓毛燒焦的臭味。除了柴薪燒掉的聲音外, 這個奇妙又安靜的空間散落著橘色的火星。 「我に従え‧‧‧さぁ!!」 「聽我號令‧‧‧來吧!!」 抗うことのできない命令に突き動かされて、哀れな黒猫が炎の中に飛び込んだ。が、次 の瞬間、飛び込んだはずの猫は、猫の形をした石と化し、暖炉の中の薪を折り飛ばし、 灰と火の粉をを舞い上がらせた。 被無法抗拒的命令所刺激,悲哀的黑貓跳進了火焰之中。然而,接下來的一瞬間,應該已 跳入火中的黑貓,化作了貓形的石像,使暖爐中的柴薪折斷飛散,灰燼和火星飛舞。 「ムエキなセッショウをするモノではナい」 「不要作無意義的殺生」 「はっ」 「是」 女の背後に、巨大な男が立っていた。男、といったが、果たして人であるのかどうか。 形こそは人間だが、その肌は鉱物的な硬度と輝きを持ち、その体表に稲妻のような光が 縦横に走るのが見えた。 女人的背後站著一個巨大的男子。雖然說是男子,但是否真是人呢?雖然外型是人類,但 皮膚有著礦物般的硬度漢光澤,體表上有雷電般的光芒四處縱橫。 「無界さま、おいででしたか」 「無界大人,您已經來啦」 女は片膝をついて頭を垂れた。 女人半跪低頭。  無界‧‧‧ムカイは無言で女の横を通り過ぎ、暖炉の炎に無造作に片手を入れ、猫型の 石を拾い上げた。それは砕け散る石そのものであり、生物的な名残はただのひとかけら も残ってはいない。 無界‧‧‧無界無言地通過女人,輕易地伸出一隻手進爐火裡,拾起了貓型的石像。不過 那石像已成碎石,沒有任何一部份能夠再算是生物了。 「ボタン、レイのコトは?」 「牡丹,那件事怎麼樣了?」 牡丹。それが女の名前らしい。その牡丹が言った。 牡丹。大概是那個女人的名字。而牡丹這麼說了: 「順調でございます。護りし者とはいえ、八咫は双子でひとつの神器。それが片方欠け たとなれば、私の付け入る隙などいくらでも‧‧‧」 「很順利。雖然是守護者,但三神器的八咫家是雙胞胎。因為缺少了其中一人,所以我能 夠進入的空隙要多少有‧‧‧」 「あのオロチをフウじたモノドモのコト。ユダンはならんぞ」 「封印大蛇的那群人,不可大意」 「承知しております」 「了解」 ムカイは大きな己の掌にすっぽりとおさまる小さな猫型の石に、その視線を落とした。 無界的視線轉向自己手中緊密收納的小貓石像。 「チクショウのようにはユかぬとココロエよ」 「記著可別像對這畜牲一樣對待她啊」 「肝に銘じて」 「我會牢記在心的」 牡丹と呼ばれる女は、その特殊な能力~糸を使って他者を操る~をムカイに買われて現 在の地位に就いている。人間に似てはいるが、人間とは異なる存在。ムカイと同族の人 ではない者。彼らは自らのことを、誇りと自虐を込めて、こう呼ぶことがある。“遙け し彼の地より出る者共”と。 叫做牡丹的女人,她的特殊能力是~使用細線操縱他人~而她的能力被無界重視,得到了 現在的地位。雖然很像人類,但與人類是完全不同的存在。與無界不是同族人。有此一說 ,他們對自己的身分有著驕傲與自虐。就稱為「遙遠彼方之來者」。 「ムカイ様がいらっしゃったということは、‧‧‧いよいよ招集が?」 「既然無界大人駕臨,那就表示‧‧‧該是聚集的時候了?」 「それはマだだ。それよりボタン」 「還沒有。話說回來,牡丹」 「はっ」 「是」 「ヒトをアマくミておらぬであろうな?」 「你沒有太小看人類吧?」 「‧‧‧」 「‧‧‧」 足下に膝をつく牡丹を見下ろすムカイ。底光りのする目は、彼女の心の内側を覗き込ん でいる。 無界低頭看著半跪在膝下的牡丹。他炯炯的眼神,正探索她的內心。 「マサカ、そのネコのヨウに、チカラづくでアヤツろうと?」 「該不會,你也像對待那隻貓一樣,費盡全力操縱?」 「それは不可能です」 「那是不可能的」 牡丹は説明した。ヒトを、それも三種の神器に数えられるほどの人間の意志を、完全に こちらの思うように動かすことはできない。しかし相手に「意志を植え付ける」ことは 可能である。何かを為さねばならない。何かを行わなければならない。何かを護らねば ならない。 牡丹這樣說明:人類之中,比如首屈一指的三神器持有者的意志,是無法完全按照她的意 思操縱的。但是,「植入意識」到對方腦內卻是可能的。不可不為某個目標、不可不做某 件事、不可不守護某樣東西。 本人のそういう意識に擦り寄り、目的をすり替えることによって、「あくまでも本人の 意志により」こちらの目的に合致させることが可能になる。そのことによって生じる様 々な矛盾は、操られる本人が自分にとって都合の良い記憶や条件を己の中で作り上げ、 自己補完してしまう。牡丹は、ただきっかけを与えるだけでいい。ある意味では猫に自 殺させる方が困難なのだ。 本人產生這樣的意識,依照替換後的目的,「這完全是本人的意志」這樣的事情,的確可 能和己方的目的達成一致。因此而產生各種矛盾,都有可能使被操縱的人在自己的記憶裡 自行加入新的記憶與條件,將矛盾補充為圓滿。牡丹只要剛好有個機會侵入對方就夠了。 某種意思上來說,讓貓自殺還比較難。 「ヒトはヨワい」 「人類是脆弱的」 ムカイは説明を聞き終えると、牡丹から視線を外さずに言った。 無界在聽完牡丹的說明後,視線沒有離開牡丹這樣說道。 「ヒトはキタナい。ヒトはオロかだ」 「人類是骯髒的。人類是愚蠢的」 言いつつ、黒猫型の石を牡丹の目の前に投げて転がした。苦悶の表情を浮かべたままの 猫の顔が、地面と牡丹の間に転がり割って入った。 他說著說著,將黑貓型的石像摔到了牡丹面前。貓的臉上還浮現著苦悶的表情,摔入牡丹 和地面之間。 「ヒトはミニクい。ヒトはアサましい。されどヒトはトキにテゴワい」 「人類是醜陋的。人類是下賤的。但有時人類是棘手的」 「その話は幾度も聞き及んでおります」 「這些話以前我也聽說過」 ムカイはうなづいた。ただの人間など、ムカイの恐れる存在ではない。しかしそのただ の人間が、あるとき、とてつもない力を発揮することがある。己が生きるために我が子 すら悪魔に差しだそうとする親がいるかと思えば、同じ「ヒト」が己の命すら投げ出し て他人を救うことがある。相争って破滅への道を突き進むのもヒトなら、危機に際して 信じがたい団結力を発揮するのもヒトである。 無界點了點頭。區區人類,對無界來說無須害怕。但是區區人類,有時候會發揮出絕大的 力量。比如為了自己活命,連自己的孩子也能送給惡魔的父母是存在的;但同樣地,「人 類」也能犧牲自己的生命拯救他人。人類因為互相爭鬥導致走向滅亡之路,遇到危機時會 發揮難以想像的團結力的也是人類。 牡丹はヒトを理解できず、だからこそ見下していた。無界もヒトがわからないが、であ ればこそ恐るべき敵とみなしている。 牡丹無法理解人類,所以才看不起人類。無界雖然也不了解人類,但也因此才將人類視為 恐怖的敵人。 「その件は承知いたしました。ところで‧‧‧」 「這件事我知道了。話說回來‧‧‧」 「ナンだ?」 「什麼事?」 「キング・オブ・ファイターズに気になる者が出場しております」 「King‧of‧Fighters有很令人在意的參賽者」 「クサナギか?ヤガミか?それともK′とかイうオトコのコトか?」 「是草薙?八神?還是那個叫做K′的男人?」 「その誰でもありません。何でも‧‧‧」 「都不是。而是‧‧‧」 一瞬口ごもった牡丹は、だがすぐ続けた。 牡丹猶疑了一下,但很快又繼續說道。 「翠色の炎を使う者がいる、と。‧‧‧ひっ!!」 「聽說,有一個使用綠色火焰的人‧‧‧咦!!」 鼻先に転がっていた猫型の石が、突如生身に戻って体を翻した。意表を突かれてさすが の牡丹も驚いたらしい。黒猫は片足の火傷をものともせず、次の瞬間には風のように、 どこか闇の中へと駆け去っていった。 摔在她眼前的貓石像,突然回復為生物狀態並翻了身。這出人意表的狀況讓牡丹嚇了一跳 。黑貓腳上就像沒有燒傷似的,下個瞬間就像風一樣,往黑暗中的某處奔馳而去。 「ネコでさえボタンをオドロかす。ましてヒトならば‧‧‧」 「連貓也能嚇到牡丹。那更別說是人類了‧‧‧」 「‧‧‧」 「‧‧‧」 「ミドリのホノオのツカいテか。オボえておこう」 「使用綠色火焰的人是嗎?我會記住的」 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 36.230.25.176
Eriol:我有沒有看錯?牡丹跟無界不是同一族? 01/28 03:23
※ 編輯: Eriol 來自: 36.230.25.176 (01/28 03:35)