聖地のいちばん白い日(二)
エルンストさんは,眼鏡の奧のうす水色の瞳で,セイランさんの青い瞳
をまっすぐに見つめました。
「そう思っていただいても,一向の差し支えありませんが」
「まぁまぁ,そんな,エルンスと。無理に手傳っていただかなくても,
いいんですよ~,セイラン」
僕は,止めていた息をフウッと吐き出しました。さすがはルヴァ樣です
。緊張の糸はプツリと切れました。
「ただね~,年に一度こ,守護聖の健康診斷ですからね~。參考に見て
おくのも,いいんじゃないかと思ったんですよ。ああ,オリヴィエ,栗ぜん
ざいもありますよ......」
「何だって!」
口のまわりを白くしたまま,オリヴィエ樣がおそろしい勢いで立ち上が
りました。
「あんた,明日が健康診斷だっていうのに,私に豆大福3ケも食わせた
ね!?」
「はぁ......それがどうか?」
ルヴァ樣は,のんびりとおいしそうに綠茶をすすっています。
「ああ~っ......ルヴァに私の氣持ちが分かるワケない,か。フン,こ
ーなったら速攻火帚って,全身エステとエケササイズだっ!じゃねっ!」
オリヴィエ樣の立ち直りの早さにも,僕は感心してしまいました。何か
目的のある人というのは,見ていて氣持ちのいいものですね。銀色の短い上
著を羽織って,すらりとした長身が通り過ぎています。
「なるほど......面白くなりそうだ」
セイランさんがいを含んだ聲で,見送ります。
「そうそう,オリヴィエ~。明日の朝まで,このことはケイショにね。
お願いしますよ」
「ハイハイ,わかってるって!」
後ろ向きに手を振って,オリヴィエ樣が部屋を出ていかれると。
「というわけで,これは聖地の重要機密に屬する問題,ということにな
ります」
エルンスとさんが生真面目なニュスキャスターみたいに力說したので,
僕は思わずこくりと大きくうなずいていました。
「......失禮します。ルヴァ樣からのお手紙を,仰せつかってきました」
しばらく後,僕はジュリアス樣の執務室にいました。
「なんだ坊や?學藝館の教官は廢業して,メッセンジャーポーイを始め
たにか」
長椅子に腰かけていたオスカー樣が。唇の片方だけで笑ってこちらを見
ました。この執務室を訪ねてくるたびに,かなりの高確率でこの方に遭遇す
ることだとか,每晚決まった時刻に流れるハープの演奏だとか,聖地には不
思議なことが多すぎて,とても書ききれません。
「ティムカか。ご苦勞,手紙を見せてくれ」
ジュリアス樣は優しい聲で,僕をねぎラって下さいました。
首座の守護聖は,時に嚴しい處斷をされることもある,と聞いています
が,僕の前では優雅で高貴な物腰をくずされたことはありません。守護聖の
中の守護聖......という言葉にふさわしい方だと,お姿を目にするたびに思
うのです。
「ジュリアス樣,何か緊急の問題でも?」
手紙を讀み終えたジュリアス樣に,オスカー樣がすかさず切り出しまし
た。
「いや,大したことではない」
金色の睫毛を伏せて,ジュリアス樣はお手紙を文箱にしまわれました。
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我深愛著盧米埃...溫柔的水聖盧米埃
不只是他的纖細優雅
還有他的敏感哀愁
我深愛著盧米埃...溫柔的水聖盧米埃
喜歡他深沉的恬靜
還有隱藏的澎派熱情....
我深愛著盧米埃...溫柔的水聖盧米埃