http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2016/12/17/takuya-kuroda-zigzagger.html
TAKUYA KURODA "Zigzagger"
『ライジング・サン』でブルーノート・レーベルからワールド・デビュー、コンコード
・レーベルからの最新作『ジグザガー』も大好評。世界をまたにかけて活動するトラン
ペットの俊英、黒田卓也がついに自身のグループでブルーノート東京のステージに立ち
ました。JUJUとのコラボでは登場したことがありますが、リーダーとしてここに出演す
るのは意外にも今回が初めてだそうです。顔ぶれは黒田いわく、"最強のメンバーを集
めたニューヨーク・バンド"。その言葉通りのステージが繰り広げられました。
レパートリーは『ジグザガー』からのものが中心。CDを聴いたときから"ライヴ映えし
そうな曲が集まっているな"と思っていましたが、目の前で繰り広げられるテーマ・メ
ロディの提示は鮮やかでかっこよく、アドリブは常にエキサイティング、若き実力者5
人が絡みあいながら演奏を高揚させていくあたり、見ていて興奮を抑えられませんでし
た。タイトル曲はフェラ・クティのアフロ・ビートを黒田流に解釈したナンバー。2台
のスネアを駆使したアダム・ジャクソン(ビラルのお気に入りドラマーでもあります)
と、ラシャーン・カーターの歌うようなベース・ラインが曲の土台をガッチリ築き、そ
のうえでソリストが燃えるようなソロを繰り広げます。ぼくがラシャーンを初めて生で
見たのは5年ほど前のニューヨーク、かつて夫妻コンビを組んでいたダグ・カーン(オ
ルガン)とジーン・カーン(ヴォーカル)の再会セッションで、でした。そのときはス
ーツを着てウッド・ベースを渋く弾いていましたが、エレベを膝にのっけて弾くラシャ
ーンもまた、絵になります。黒田のトランペットは空を駆けるよう、夏ごろから黒田バ
ンドに入ったというクレイグ・ヒル(テナー・サックス)のプレイも太くユニークな音
色、'70年代のエディ・ハリスを思わせるエフェクターの使い方で存在感を強く印象付
けます。今は亡きJ・ディラのビートからインスピレーションを受けたという「No Sign
」では大林武司がフェンダー・ローズとアコースティック・ピアノを交互にあやつり、
"ひとり掛け合い"のようなソロを演じます。生ピアノでは狂おしいほどロマンティック
に、そしてエレクトリック・ピアノでは間を生かしたフレージングで粘っこく迫ります
。
日本滞在中、黒田は積極的なプロモ─ション活動も行なっています。先日はNHKの番組
にも登場し、3曲演奏しました。そのうちのひとつが、「サンタが街にやってくる」(
Santa Claus is Coming to Town)です。"ぜひクリスマス・ソングを"という依頼に応
え、飛び切りファンキーでソウルフルなアレンジにしたとのこと。たしかにこれは腰が
動き出すアレンジです。ルー・ロールズ、ダイアナ・ロス&スプリームズ、ラムゼイ・
ルイス・トリオ(冒頭の2小節をセロニアス・モンク「Blue Monk」風に演奏しています
)など、この曲のかっこいい解釈は少なくありませんが、黒田バンドのそれも、ぼくの
なかでしっかり仲間入りを果たしました。大林のソロの冒頭部でブレイク(他のミュー
ジシャンが休む)が使われていたのも実に効果的です。
これだけでも十分なクリスマス・プレゼントなのですが、この日はさらに大きなサプラ
イズがありました。MISIAの登場です。そうです、この秋に行なわれた「Blue Note
JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2016」で話題を集めたコラボレーションが復活したのです。
MISIAはお客さんとして見に来ていて、歌うつもりはなかったとのことですが、黒田に
呼び出され、ステージにあがるとシンガーとしてのスイッチが入ります。曲は「
BELIEVE」。豊かな声量を持つ彼女の歌声に、黒田の詩的なトランペットが絡みます。
このサプライズによって、ライヴはさらに爆発的な盛り上がりをみせました。
黒田バンドの「ブルーノート東京」公演は本日までですが、近い将来、また戻ってきて
くれることを心から楽しみにします。熱気あふれるパフォーマンスと、笑いを忘れない
MC。「ファンキー」「ソウルフル」「ディープ」「コテコテ」・・・・こういった言葉
が大好きな方に、絶対におススメのライヴです。
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