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全編生演奏にこだわったMISIAのライフワーク「星空のライヴ」が音源化! 15年間の
歴史を振り返り、今思うこと
MISIAが生演奏にこだわり、15年にわたって開催しているツアー「星空のライヴ」。そ
のベストテイクを集めた2枚組のCD『MISIA 星空のライヴ SONG BOOK HISTORY OF
HOSHIZORA LIVE』が3月9日にリリースされる。2001年開催の河口湖ステラシアターでの
最初のライヴ音源から、フルオーケストラを率いた近年の音源まで全24曲。その小さな
体から発する圧倒的な歌唱力はもちろん、えりすぐりのバンドメンバーたちによる息の
合った演奏や、ライヴ会場ごとの音響の違いなど聴きどころ満載で、デビュー曲から最
新曲まで網羅したベスト盤としても楽しむことができる。彼女にとってライフスタイル
ともいえる、「星空のライヴ」への思いをたっぷりと語ってもらった。
■生演奏が音楽の本質を伝える
ーー「星空のライヴ」がスタートしたキッカケは?
「第一回目は01年でしたが、そのときは一夜限りのつもりで。お客さんも抽選で選ばれ
た500人とか1000人とか、ものすごく限られた方たちだけのためのライヴだったんです
。それまでの私は、R&Bやヒップホップが好きだったのもあって、どちらかというと打
ち込みサウンドを中心にやってきたのですが、『それをアコースティックな形で全編や
ってみよう!』というのがスタートです。
というのも、これまでライヴで数曲をアコースティックで披露していたら、その反響が
とても大きかったんです。たぶん音楽の本質みたいな部分が、すごく伝わるんじゃない
かと。それを突き詰めてみようと。それで、アコースティックライヴなら自然の中がい
いんじゃないかな、7月7日が私の誕生日なので、七夕のストーリーにかけて星空の下で
生演奏をしたら素敵なんじゃないかな、っていうところからスタートした企画でした。
それがこんなに長く、15年も続く愛されるツアーになるとは、当時は思ってもみません
でしたね(笑)」
ーー「星空のライヴ」を始めてみて、ご自身の中で変化したことは?
「私の中の、音楽的な部分をものすごく豊かにしてくれました。参加しているミュージ
シャンも、お亡くなりになりましたけど青山純さん(ドラム)をはじめとした大御所の
人たち、重実徹さん(キーボード)や鈴木明男さん(サックス)や、最近参加してくれ
ている若いミュージシャンたち、山口周平くん(ギター)や、吉田サトシくん(ギター
)、Hanah Spring(コーラス)、Lyn...。私のバンドメンバーはみんな、すごく実力あ
るミュージシャンたちばかりなんですけど、彼らと一緒にやってきて、それまでの打ち
込みサウンドにも、ものすごく良い形で還元されていったんですね。
『THE TOUR OF MISIA』シリーズはエンターテインメント性が高く、ダンサーが出てき
たり打ち込みサウンドもあって......というのが、それだけにとどまらず、さらにいろ
んな方面に届けられるようになったんです」
■アドリブ合戦が楽しい......野外の音の違いも楽しんで欲しい
ーーバンドの演奏もどんどん自由になってきていますよね。
「シリーズを重ねていくことで、アドリブパートがどんどん増えていますね。本作の
Disk1を聴いてもらうとわかると思います。1曲目“あなたにスマイル:)“からすごい
バトル。“真夜中のHIDE-AND-SEEK“も、エンディングがオリジナルとはまったく違う
バトルになっていて。“THE GLORY DAY“も、2枚目の“地平線の向こう側へ“もアドリ
ブ合戦です。どんどん自由になってきました。唯一無二のライヴって、こういうことを
いうんだなーって。すごく教えてもらいましたね、バンドのメンバーに」
ーー収録されたライヴ音源は、どんな基準で選んでいきましたか?
「これがすごく難しくて......。最初は採点表みたいなのを作って、『歌、演奏、音響
』っていうふうに分けて点数をつけたりしたんですよ(笑)。『音響』というのは、野
外の音の違いもあるんです。雨が降った時の音は違うし、晴れている時の音も違う、山
風が吹いているところの音も、ホールの後ろが開いている構造の音も違うんです。そう
いうことも採点基準にして選んでいったんですけど、不思議なことに、歌がいいときの
テイクはバンドもいいし、バンドがいいときのテイクは歌もいいんです! それで、自
然と全体に醸し出している雰囲気が、ものすごくいいものを何度も聞いて、それこそ何
ヶ月もかけて選んでいきました」
ーーどの曲にも思い入れはあると思いますが、本作の聞きどころというと?
「敢えて選ぶなら、まだどこにも出ていなかった、「星空のライヴ I」からの“
BELIEVE“と“Nocturne“。“Nocturne“も “真夜中のHIDE-AND-SEEK“も鷺巣詩郎さ
んの作曲なんですが、鷺巣さんの曲って演奏するバンドによって全然変わってくるんで
す。“Nocturne“はドラムが青山純さん、ベースは種子田健さんという初期のメンバー
でやっていて、“真夜中のHIDE-AND-SEEK“はTOMOくんがドラムでベースはJINOさんと
いう新しいメンバー。そのグルーヴの違いもすごく楽しいと思います。音響的にはホー
ルと野外の音の違いとか。雨が降っていた『星空のライヴIII』は、音がちょっとドラ
イなんですよ。」
■雨が降ると音がドライ、鈴虫の鳴き声も野外ライヴ音源ならではの魅力
ーー雨が降ると音がドライになるんですか?
「そうなんです。音が雨に吸収されるから。『星空のライヴIV』は、ちょうど鈴虫が出
てきた時期なので、ずーっと鈴虫の鳴き声が入ってる。これ、『あとから足したんじゃ
ないか?』って言われるんですけど(笑)、本当にこのくらい鳴いてたんですよ! そ
れも面白いし、『星空のライヴVIII』の音源は初公開。フェスティバルホールのリニュ
ーアル前と後、その音響の違いとか、音楽がすっごく好きな人は最高に楽しめますね。
とにかく本作には日本全国、東京も大阪も長崎も沖縄も、山梨の音源も入っています」
ーー音響も歌も演奏も楽しめるし、ベストアルバムとしても楽しめるすごい内容ですよ
ね。お客さんの反応など、この15年でどう変化していますか?
「昔よりも、いろんな楽曲を聴く土壌に日本がなってきているので、その部分では、あ
まりこちらが『こういうふうに音楽を楽しむんだよ』って提示しなくても、もうそれぞ
れが自由に楽しんでくれているように思います。参加ミュージシャンが口をそろえて言
うのが、「MISIAのお客さんはみんな、すごく音楽的だね」ということ。いいところで
クラップが入るし、いいところで歓声が入るし、いいアドリブをしたら、ちゃんと盛り
上がってくれる。そこがすごくうれしいですよね」
■音楽の重要な要素は「ブレスを感じ合うこと」
ーー「星空のライヴ」で学んだことは?
「いろんなミュージシャンと一緒にやっていく中で、「ブレスを感じ合う」ことが、も
のすごく音楽的に重要なことなんだなということですね。「息を合わせる」っていうじ
ゃないですか。あれ、本当にライヴのときって、わたしのボーカルの、ハアッって息を
継ぐところでミュージシャンたちは、リズムとタイミング、それから強弱と雰囲気を一
瞬で感じ取るんです」
ーー指揮者がコンダクトを振る瞬間みたいな。
「そう。わたしのブレスがコンダクトになるんです。最近の音楽って、ブレスを『ノイ
ズ』とみなして切っちゃうことがあるんですけど、わたしは『ブレス』って音楽のすご
く重要な要素だと思って聞いているんです。音楽を聴いていて、『ああ、このブレスで
こういう演奏になったんだ』『ドラマーのこの掛け声で、こういうリズムになったんだ
』って」
ーーMISIAさんの曲は「愛」について歌ったものが多いですが、この15年で「愛」とい
う言葉への思いも変わりましたか?
「『愛』っていうのは、結果なんです。なんか自分の伝えたいことを歌っていたら、『
それって、結局一つにまとめると何になるの?』って聞かれて、『ああ、愛だったんだ
な』みたいな......。だから、『愛を歌おう』っていうことを、そんなに強くは意識し
ていないんです。恋だったり、日常のことだったり、景色だったり、何かそういうのを
歌っていたら、『ああ、結局何かを愛したいとか愛されたいとか、愛を大切にしたいっ
ていう根底の思いがあって、それで歌ってたんだな』っていうのを、最後にわかる感じ
!(笑)それは、15年前から今もあまり変わっていないです。デビュー当時の曲を、今
歌っていても全然違和感がない。それってありがたいことですよね。19歳でデビューし
たんですけど、誰も私を子供扱いせず、真剣に作った楽曲をくださったからなんだと思
います」
ーー今後の展望は?
MISIA: 5月から星空のライヴ IXを控えています。本作を引っさげてのライヴになり
ますし、オリジナルアルバム『LOVE BEBOP』リリース後の最初のライヴになるので、ど
んな曲を歌おうか、今からワクワクしています。そのツアーが終わったら、今度は久し
ぶりに「THE TOUR OF MISIA」のツアーがスタートするんです。「星空のライヴ」シリ
ーズとは真逆とも言っても良いスタイルのライヴ。この二つのツアーを、この1年の中
で出来ることが、凄く嬉しくて、私自身が楽しみにしています! 今後は、100歳にな
っても...というと大げさですが、老若男女問わず、いろんな人と音楽をやれていたら
最高に楽しい人生だろうな、と思っています。
ーーでは最後に、MISIAさんの座右の銘をお聞かせください。
MISIA:「道しるべ」にしている言葉ならあります。ライヴや音楽って、どんなに完璧
を求めても、そこには答えがないんですよね。そんな、「答え」がないことをあれこれ
考えているうちに、どれだけ大きな拍手や歓声をもらっても、これで良かったのかと不
安になっていた時期が少しだけありました。そんなとき、今は亡き青山純さんから、「
MISIA、お客さんの拍手や歓声や笑顔が答えだよ」と言われたことが、私にとって何よ
りの「道しるべ」となっています。その「道しるべ」に出会えたことで、それまで以上
にライヴが魅力的に輝きだした気がします。
・・・・
◆ MISIA
長崎県出身。その小さな体から発する5オクターブの音域を誇る圧倒的な歌唱力を持ち
、「Queen of Soul」と呼ばれる日本を代表する女性歌手。1998年のデビュー曲「つつ
み込むように・・・」は日本の音楽シーンに強い影響を与え、ジャパニーズR&Bの先駆
者と言われる。その後発表されたファーストアルバム「Mother Father Brother Sister
」は新人ながら、300万枚の異例のセールスを記録。以降、R&Bというジャンルにとらわ
れず、バラードの女王の名も確立させた。
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