http://mainichi.jp/enta/news/20130328dde012070073000c.html
らっこ・アーティスト: MISIA 恋愛命そしてまた恋
今年がデビュー15周年になる。キャリアの長いアーティストにはいくつかの転機と
呼べる時期がある。彼女も、「空っぽになったことがある」と言った。
「ずっと自分が伝えたいものを自分の中にしか見てなかったんです。でも、人間って
誰かと過ごしたり家の外の世界で何かを感じたりする生き物だと思うんですよ。必要な
のは自分を見つめることじゃないんだって思えるようになったんですね」
デビューは1998年2月21日、シングル「つつみ込むように…」。音域の広さや
ブラックミュージックへの傾倒を感じさせる大胆な歌いっぷりは19歳とは思えないイ
ンパクトがあった。
「デビュー前に思っていたことは、歌手になれなかったらどうやって生きて行けば良
いんだろうと思ってよく泣いてました(笑い)。“歌うこと”自体への疑問は一度とし
て感じたことがないです」
“若さ”というのは自分の中の熱量の強さのことでもあるのかもしれない。内在させ
たエネルギーだけを頼りに約束されない明日に立ち向かってゆく。彼女が“空っぽ”に
なったのは、そこから次に向かう過程でもあったのだろう。2000年代の半ばだ。男
性シンガー・ソングライターとの共作や海外のアーティストとの共演。エリカ・バドゥ
、U2のボノ、ユッスー・ンドゥールらを通じたアフリカの貧困問題との出会いもその
頃だ。
「アフリカのことも大きかったです。私の中には元々、ソウルミュージックがありま
したから、ずっとつながってた気がするんです。ドラムのタムも木琴も突き詰めればア
フリカにたどり着く。初めてソウルミュージックを聴いたときの胸が苦しくなるような
気持ちは、魂が帰るべきところに戻ってゆくための音楽だったからなんでしょう」
2月20日、15周年のデビュー日の前日に記念のベスト盤「Super Best
Records」が出た。3人の外国人エンジニアがリマスタリングした3枚組45
曲。デビュー曲「つつみ込むように…」など4曲を新録音。ソウル、R&B、ヒップホ
ップ、バラード、エレクトロなど、さまざまなスタイルでの軌跡が納められている。
「一周してるかもしれないですね。ここに来てまた恋の歌が歌いたくなっている。最
初が恋の歌でしたし。恋が愛になり命につながっていく中にアフリカもあった。でも、
やはり一対一で誰かを思う恋の歌に帰ってきた。原点回帰じゃないですけど、一緒なん
だと改めて思うようになってます」
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