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http://crea.bunshun.jp/articles/-/4581 MISIAがディーヴァの頂点であり続ける理由とは? 第2FMとクラブが支えた90年代のJ-R&Bブーム 山口 2014年1回目の来月流行るJポップは、MISIAですか? 伊藤 はい、日本のディーヴァです。 山口 デビューは1998年ですから、もう15年になるんですね。ブレイクした「つつみ込む ように…」を作詞作曲した島野聡を、彼がアーティストとしてやっていた頃からよく知 っていて、MISIAデビューに携わった人たちも近しくて、売れていくのを横で見ていた 感じなので、思い入れのあるアーティストです。新人の頃から歌唱力はずば抜けていま したね。 伊藤 山口さんのトークイベントで島野聡さんがゲストに出た時(イベント紹介ページ)に 、「つつみ込むように…」は元々は自分のユニットのために書いたバラード曲で、ユニ ット解散後にMISIAと出会えたというお話をしていましたね?やっぱりヒットが生まれ る瞬間って、そーいうドラマがあるんだなぁ、と思いました。 山口 興味深い話でしたね、島野秘伝の作曲法も話してくれて、面白かったです。当時は 、ジャパニーズR&Bブームと言われていましたね。女性シンガーをディーヴァと呼ぶの もこの頃から始まった気がします。Sugar SoulとかbirdとかACOとか、お洒落なセンス でブラックミュージックをベースに、少し歌謡曲的なメロディを加えるというスタイル でしたね? 伊藤 懐かしいラインナップ。 山口 そんな中でブレイクしたのは、ファッション性を売りしたディーヴァではなく、歌 唱力が優れていたMISIAでした。ファーストアルバムが300万枚でしたから、最近では信 じられないですね。 伊藤 時代もあるんでしょうが、それにしても破壊的数字! 山口 J-WAVEや大阪のFM802に続いて、札幌NORTH WAVE、福岡cross fmなど、「第2FM」と 呼ばれたローカルの新しいラジオ局が若者から強く支持されていた時期と重なりますね 。FM局にプッシュされたヒット曲が産まれた時代でもありました。もう一つ、クラブシ ーンが、日本全体に広がって、人気DJもたくさんでてきて、楽曲が聴かれる場として、 活用されるようになった時代でもありました。J-R&Bブームは、第2FMとクラブに支えら れていたと思います。 伊藤 へぇ~。 山口 ディーヴァブームは、MISIAが頂点かと思ったら、だめ押しのように出てきたのが 宇多田ヒカルでした。流行の勢いって、こういうことなんだなと思ったのを覚えていま す。 伊藤 そうなんですね。当時、僕はアメリカで学生をしていたので、日本の音楽シーンに は疎いのですが、さすがにMISIAや宇多田ヒカルは知っていましたし、凄いシンガーが 出てきたなぁって思っていました。 ドラマの締めでMISIAの声が聴こえてくる安心感 山口 さて、この曲は、ドラマのタイアップなんですね? 伊藤 はい、さっそく「S -最後の警官-」を観てみたんだけど、ドラマ自体はいかにも漫 画が原作という感じ。個人的にはそんなに選んで観たい内容ではなかったけど、それな りに視聴率は取れそうかな……という印象。 山口 日曜日の夜9時と言えば、去年「半沢直樹」を放送したのもTBS日曜劇場でしたね。 高視聴率を取った縁起がよい枠ですね。業界人は、そういうことを結構気にします(笑) 。と言いつつ、このドラマ観られてないです。すいません。人気の原作だし、よいタイ アップなのではないですか? 伊藤 そう思います。曲はエンディングでたっぷり流れていたんですが、ドラマの締めで MISIAの声が聴こえてくるだけでなんだか安心できる。思えば4年前に、やはりTBS日曜 劇場の「JIN -仁-」をみた時にもMISIAの曲がエンディングで流れてきて、同じような 安心感を覚えた様な気がする。もはや日本人に染みついた“「Everything」効果”と呼 んでも過言でないかも(笑)。 山口 なるほど(笑)。MISIAが歌い上げてくれると、安心するということですね。その理 由は何だと思いますか?声質ですか? 伊藤 声質というよりも、安心感のある歌唱力とドラマチックなバラードが流れることが ドラマのエンディングを呼び込むツールになっていて、MISIAの場合「Everything」と いう代表作があることで、その声は余計に安心感を与えるんじゃないでしょうか。 日本人がバラード歌手を好むのはハリウッド映画の影響 山口 日本人が、歌い上げるタイプのバラード歌手のことを好きなのは、何故ですかね? 昔からの伝統という側面もありますが、ブラックミュージックのテイストが入ったのは 90年代以降だと思うのですが。 伊藤 ハリウッド映画の影響が大きいんですよ。『ボディガード』のホイットニー(・ヒ ューストン)であり、『タイタニック』のセリーヌ(・ディオン)であり、『アルマゲド ン』のエアロスミスであるみたいに、ドラマチックなストーリーにはドラマチックなバ ラードみたいな。 山口 なるほど。面白い視点ですね。映像と音楽の相乗効果に定番的に安心すると。 伊藤 「Everything」以後の10年くらい、あまりMISIAの楽曲を聴く機会がなかったんだ けど、たまたま5年位前に友達が彼女の曲を作曲したということでCDをもらって聴いた んです。でも予想していたものとは全然違って、なんか渡辺美里みたいな曲だなぁって 。曲が悪いってことじゃなくて、世の中がMISIAに求めているものってこれじゃないの に……と思った。 山口 シンガーソングライターではないから、音楽的に変遷していく必要はあると思いま すけれどね。今日的な流行も取り込んでいくとうのが、ディーヴァのあり方ですから。 でも彼女からは社会意識も感じるし、しっかりと芯のあるアーティストとして、同性か らの支持をしっかり獲得している印象があります。 伊藤 そういうアーティストだからこそ今回のバラード曲は、彼女が歌うに相応しいと思 ったんです。 山口 そうですね。本人の作詞ですが、歌詞にもしっかりとしたイメージがあるのが、曲 全体の説得力につながっていると思います。 伊藤 「愛は何より 全てを強く 美しく変えていくもの」というように、ちょっと崇高 すぎる感じもするが、彼女だから歌うことのできるバラードど真ん中感。 山口 同感です。そんな大バラードへの、恒例の作詞アナリスト伊藤涼による、妄想分析 は、どうなりますか? 太平洋でひとり遭難したヨットマンの物語を妄想 伊藤 彼は夜の太平洋のど真ん中に浮いている。大破したヨットの欠片につかまり、なす すべもなく波に揺れている。生きていくために必要なものは全て海がさらってしまい、 残されたのは頼りないヨットの欠片と自分だけ。 日本を離れて1000キロ、死神のような嵐が彼らを襲った。たった一人の相棒は真っ暗な 海にあっさりと飲みこまれてしまった……。生きてはいないだろう。相棒を失って悲し みに暮れるような暇を“偉大な嵐”はくれない。彼はヨットにつかまり必死に堪えたが 、彼より先にヨットは金切声をあげて粉々に散っていった。 その後どうやって生き延びたか覚えていないが、目を開けると凪いだ海に独り、満天の 星に囲まれていた。 山口 壮大な舞台設定ですね! 伊藤 彼は身体の感覚を確認して、自分の体力はもってあと数時間だろうと思った。海を 知っている人であれば、こんな大海の真ん中で運よく貨物船に発見されるなんて言うこ とは小説や映画の世界だけだということを知っている。 待っているのは死という空虚。神に問いかけるように「なぜオレを生かしたんだ?どう しろってんだ!」と声に出してみるが、神は冷たく無反応だ。 太平洋横断などという夢を描いたこと、沢山の人に見送られて意気揚々と出港した自分 が愚かすぎて涙が出てくる。4歳になる娘と、まだ1歳5カ月の息子を抱えた妻の顔を思 い浮かべ、心の中で「ごめんな、ごめんな」と繰り返す。霧が流れ込んでくるように意 識は遠くなっていき、もう体が沈んでいきそうだ。 「そうか、もうオレは死ぬんだ」と思った時、彼の目に光が飛び込んできた。夜の海で はあり得ないくらい眩しく鮮明で、燃えるように熱い光。彼は瞼にわずかな力を込めて 、それを摑まえた。「そうか……ポラリスか」。 山口 今回はMISIAにも読んで欲しい「妄想」です。スタッフを通じて、伝えておきます 。全然、違うって怒られるかもしれないけれど(笑)。 伊藤 ドラマとも全然違いますからね(笑)。でもポラリスというのが現在の北極星という ことで、こんな絵が出てきちゃいました。この詞は「愛、命、希望」と言うしかないと 思うんです。でも“ぺガサス”という想像上の生物が出てくることで、どこか“救われ ない現実”みたいなものも感じてしまいましたね。 山口 ちなみに、CDリリースの2月5日は、Hey!Say!JUMPの「AinoArika」と、東方神起の 「Hide & Seek / Something」も同日リリースで、日韓のスーパーアイドル対決に挟ま れてしまっていますが、実力派DIVAの曲も注目してほしいですね。 伊藤 もはやアイドルと同じ土俵でCD売上を語るのも違和感を感じますが、やっぱり実力 派アーティストにも頑張ってもらって、アイドルブームの反動を呼び込んでもらい、今 年の音楽業界を盛り上げる起爆剤になってほしいですね。 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 118.232.238.143