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MISIA 今だからこそ言える 15年間続けられた理由と歌聲の秘密とは !?
自身最大級の15周年ツアー『MISIA 星空のライヴVII-15Celebration-』を経て、約3年
ぶりのオリジナルアルバムを完成させたMISIA。メディアにほとんど出ずライブ中心の
活動を貫いているため、どこか神秘的なイメージのある彼女だが、素顔はとてもチャー
ミングでナチュラル。その華奢な身体からは想像もつかないエネルギー溢れる歌声と強
い楽曲メッセージ、そして、それを15年保ち続ける歌姫・MISIAの秘密に迫ります。
30周年、1000周年になっても歌います!
──昨年2月からスタートした15周年ツアーが、今アルバム発売日にいよいよ終了しま
すが。全77本、1年以上にわたるツアーをやってきた感想は?
【MISIA】 私のなかで15周年のライブは、2月の横浜アリーナでコンプリートしたかな
と思っていて。そのあとはアルバムもできあがったので16周年に向かっていく気持ちだ
ったんですね。だから今はやり終えた達成感というよりは、15周年から16周年へバトン
をしっかり渡せたという感じ。ライブでも私、思わず“30周年、100周年、いや1000周
年でも、鶴になっても亀になっても歌います!”って言っちゃったんですよ(笑)。
──MISIAさんにとって“15年”はまだまだ短い?
【MISIA】 まあでも、10年歌い続けたらすごいことだよねって、デビューの頃から言
っていたから、私のなかでは10周年でひとつ大きな階段を昇った気はしていて。15周年
はどっちかというと、20周年にむけたホップ・ステップ・ジャンプのホップの部分。そ
の第一歩目は大きくて踏み出そうってことで15周年ツアーをやり、そのなかでアルバム
も作り込んでいけたので、これを持って16周年を迎えるのはすごくいい流れになったと
思います。
──アルバムには15周年のツアーで蓄えたもの、さらにそこから次を見据えた新たなも
のが詰まっているんですね。
【MISIA】 そうですね。ツアー中だからこそ生まれた曲も多くて、例えば「My pride
of love」は、松井五郎さんが今ツアーの横浜アリーナ公演を観た次の日に詞を作って
くれたんですよ。「僕、書きます、明日送ります」って(笑)。あと制作し終わった曲
をライブで何曲か歌ったんですけど、ライブっておもしろいものでそこで曲が育ってい
ってしまうんですね。で、育ってしまうと育つ前の音楽を届けるってことができなくな
ってしまうので、もう1回ストリングスや歌を入れ直した曲もあって。
──まさに音楽は生き物。
【MISIA】 本当に生きていますよね。そのときそのときの出会いでどんどん変わって
いくものだなと。特に今回はさまざまな出会いが重なって、新たな音楽を生み出せたっ
ていう感覚がすごくあって、タイトルの『NEW MORNING』含め、次の一歩を感じさせる
作品になったなと。私は元々、基本的に新しいことが好きなんですよ。ワクワクするの
で。だから逆に「MISIAさんの○○みたいな曲を作ってください」って言われちゃうと
困る。その曲に対して失礼な気がするというか、例えば私みたいな人を探して愛された
らイヤでしょ?じゃあ、私で良くない?って(笑)。だから“○○に似た曲”ではなく
て、つねに純粋に心ときめく曲を作っていきたい。やっぱり長く歌い続けるとか長くも
のごとに取り組むっていうのは一種、変わり続けることだったりもしますから、変わら
ないものを守るために変わるというか。そのための新たな挑戦は必要ですよね。
──そのブレない世界観を守りながら、つねに刷新していくMISIAさんのスタイルはあ
る種、ハイブランドに通じる絶対的な信頼度がある気がします。「変わらないものを守
るために、変わり続ける」という言葉はまさにそれを体現しているなと。
【MISIA】 でも、私のなかでどうしても変えられないものっていうのもあるんですよ
。例えば子供の頃、エレキギターをキーボードだと勘違いしたクセが直らない(笑)。
ライブでバンド紹介するときも、キーボードの人を「ギター!」って言っちゃって、キ
ーボードがエアギターをやってくれたりするっていう(笑)。しかも、それって私がリ
ラックスして、思うがままやっているときによく出ちゃう間違いなので、ファンの人も
“今日、調子いいね”って乗ってくれるんです。そんな風に音楽に関しても、感覚でや
っちゃうとこは変われない。感じたままメロディーを出すとか、そういう部分はずっと
大切にしていきたいです。
モチベーションを15年間保てたのは、プロデューサーのおかげ
──そのモチベーションを15年間保っている、“MISIAの強さ”はどこからきているん
でしょう?
【MISIA】 ひとつは総合プロデューサーでしょうね。デビュー時から彼がライブも衣
装もすべてプロデュースしてくれていて、今も変わらず厳しいし、怒られたりするんで
すよ。で、私も怒られれば悔しいし、泣くんですけど、それが大事なのかなって。やっ
ぱり長くやっているとだんだん周りが言えなくなってくる部分ってあるじゃないですか
。でもプロデューサーは正直な人なので、純粋な感情で“それは良くない”と言ってく
れる。しかもうちはバンドマンも素直な人ばっかりで、演奏していると思っていること
とかすぐわかるんですね。そういう類は友を呼ぶじゃないけど、感覚の似ている者同士
が集まっているから、私もやりやすい。それが長く続けられる理由だと思いますよ。
──年齢的にはデビュー時の19歳から今は30代になりましたが、内面的な変化を感じる
ことはあります?
【MISIA】 10代の頃は見えないことが多くて怖いこともいっぱいあったけど、いろい
ろ経験したことで大変だけど怖くはない。むしろ楽しいって思えるようになりました。
上京した頃なんかは東京そのものが怖くて、どうしてこんな大勢の人が街を歩けるのか
意味がわからなかった(笑)。人間関係も無知がゆえに不安だらけだったけど、もし今
、19歳の私に会ったら“怖がらなくも大丈夫だよ”って言ってあげたいですね。
──そんな内面の変化と共に、歌声もますます芯が太くなり深みが出ていますが、どん
なケアをされているんですか?
【MISIA】 加湿や体調管理は普通にやっていますけど、最近はそれ以上に笑うことが
大事だと思っていて。というのも私、泣くと声が枯れるみたいで、震災のときは泣いて
ばかりいたせいか喉がなかなか回復しなかったんですよ。それ以来、なるべくライブ前
日夜の12時以降は何も考えないようにしていて。楽しいことを見つけて笑うようにして
いるんですよ。
──センサーなんですね、喉は。
【MISIA】 やっぱり人間も動物だから、環境とかに身体がすごく左右されるんでしょ
うね。だから音楽ももっと野性的っていうか。本能で楽しめばいいと思っていて、そこ
を解放したいんです。それはデビューしたときからの願いで、閉じているものを音楽で
開いていきたい。だから、ライブで「幸せをフォーエバー」とかでカップルが寄り添っ
たりすると嬉しいんですよ。なんなら、そのままプロポーズして欲しいみたいな。その
想いは、それこそ鶴になっても亀になっても変わらないと思います(笑)。
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