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MISIA、「いったん『THE TOUR OF MISIA』は終了しますけど、終わっちゃったなってい
うより、ここからさらに羽ばたこうとしています」
最新アルバム『LOVE BEBOP』を引っ提げ、昨年12月にスタ-トしたツア-は、2月に横
浜で千秋楽を迎えた。ここに記録されたのは、その横浜アリ-ナ最終日のパフォ-マン
スである。会場には収録のための機材が多数設置されたが、「これほどカメラを意識せ
ず歌ったことはなかった」と、そう彼女は言った。この言葉通り、持ちうる最上のポテ
ンシャルが、自然なままに記録されたのが、この映像作品だ。1分1秒余すところなく、
彼女のLIVEの醍醐味(だいごみ)を、その瞬発力や表現の奥行きを含め、リアルに伝え
るのだ。
-- 約4年ぶりの開催となった"THE TOUR OF MISIA"は、最新アルバム『LOVE BEBOP』
を中心としたものでしたね。
MISIA: 本当は、もっと早くライヴでお聴かせしたかったんですけど。
-- アルバムがリリ-スされた昨年は、まず生演奏主体の"星空のライヴ"の開催でし
た。
MISIA: なのであの時は『LOVE BEBOP』の曲は取っておいたんです。実は楽曲制作をし
ていた時から「今回のアルバムは、"THE TOUR OF MISIA"として表現するのが一番いい
だろう」というのもありましたので......。さすがに"星空のライヴ"では、打ち込みの
曲をどっかんどっかんやるわけにもいきませんしね(笑)。その後、やっと体勢が整っ
て、このツア-をスタ-トさせたのが2016年12月のことでした。
-- 新作を中心に据えるとはいえ、具体的なセットリストはどう考えていったのでし
ょうか?
MISIA: 今回、伝えたいメッセ-ジを代表する作品だと思えたのが、まずタイトル曲の
「LOVE BEBOP」なんですよ。だったら「この曲からスタ-トするのがいいだろう」と、
そこから全体を組んでいきました。
-- もちろんライヴは緩急も大切でしょうが。
MISIA: そうですね。例えば「LOVE BEBOP」のような、打ち込みと生の音が成熟した形
で合わさった演奏から一転してズバッと生だけの音になるシ-ンとか、その辺りは私が
20年近く音楽をやってきたからこその"見せ場"だと思ったし、ダンサ-やバンドがカッ
コ良くキメたあとに、今度は私がやりかえすみたいなバトルとかも(笑)、ツア-を始
めた頃はあそこまではできなかった。ああした場面が自然に生まれるのも、ここまでや
ってこれたからこそでしょうけどね。ジャンル的にもソウルが根底にありつつ、R&B、
HIP HOP、そしてハウス、もちろんバラ-ドも歌いますし、さまざまに及んでいきまし
たがその全てをやれる場所が"THE TOUR OF MISIA"でもあるんです。
-- バトルといえば、「真夜中のHIDE-AND-SEEK」の後半とか、まさに両者の丁々発止
が素晴らしかったです!
MISIA: ありがとうございます。すごくうれしいです。
-- ステ-ジでパフォ-マンスしていて、客席の景色として印象に残っている場面と
かありますか。
MISIA: それはたくさんありますけど、あえて言うなら「あなたにスマイル:)」を歌
った時ですかね。すごくハッピ-な高揚感のある曲ですけど、歌うとお客さんが泣いて
くださるんです。笑顔のまま泣いてくださるんですよ。この歌は、スマイルを届けたい
人のこと、最後に順番に歌っていくんです。親だったり友だちだったり......。今日会
場に来てくれた人はもちろん、東北の人や熊本の人......、日本中に、世界中に向けて
......。具体的にどんどん出していくんですけど、そこに生まれる人と人がつながって
いることの高揚感、一体感を、特に各会場で強く感じたのが今回のツア-でもありまし
たね。
-- 時はさかのぼりますが、そもそもMISIAさんにとって、どんな思いから始まったの
が"THE TOUR OF MISIA"だったのでしょうか。
MISIA: 自分が大好きでやりたいと思っていた音楽は、クラブと呼ばれる場所で楽しま
れているR&BやHIP HOPだったんです。でも十代の頃は未成年が入れない場所もあって
、そんな時は親について来てもらってまでそれらのカルチャ-に触れようとしましたけ
ど。
-- 生半可じゃない、真剣な思いだったんですね。
MISIA: 踊る人は踊るし、でもそれだけじゃなく、そこには音に身を任せてひとりひと
りが自由に楽しめる雰囲気があってそれが魅力でした。そんな音楽をやりたい! と最
初からコンセプトを持って、しかもアンダーグランドの方々にサポートしてもらいなが
ら私はデビューをしたんです。
-- 当初からやることの目標が、はっきり定まっていたわけですね。
MISIA: 私のデビューライヴはクラブでしたしね。私のプロデュ-サ-は、アンダ-グ
ラウンドだったクラブ・カルチャ-を"なんとかメジャ-にしていこう!"という思いが
あった人で、クラブツア-、ライブハウス、ホ-ル、そしてアリ-ナと、その後どんど
ん大きな場所で歌えるようになりましたけど、どんな場所でもそこを巨大なクラブやデ
ィスコに変える! というコンセプトを一貫して持っていらっしゃいました。いわば、
そのコンセプトに名前がついたものが "THE TOUR OF MISIA"なんです。アンダ-グラウ
ンドといえば、私のステ-ジには既に19年前にドラァグ・クイ-ンに登場してもらって
いるんですよ。アリ-ナ・クラスの会場でそんなことしたのは「日本ではMISIAが初め
てだ」って、その方々から言われたりもしました。
-- しかし今回、デビュー20周年を前にして、いったん"THE TOUR OF MISIA"を終了さ
せるそうですね。理由はなんだったんですか?
MISIA: 当初はそうした目標を掲げつつやり始めましたが、あれから時間もたちました
し、オ-ディエンスの人たちも当時はアンダ-グラウンドだったものにもたくさん触れ
る機会を得てなじんだだろうし、だから私たちの願いもそろそろ大成したんじゃないか
と思ったからなんです。もちろんここで"完結"というわけではないですけど、ひとつの
区切りを迎えたんだな、という感覚はありました。なのでいったん "THE TOUR OF
MISIA"は終了なんです。
-- さて最後ですが、このツア-を通じて一番伝えたかったことを教えていただけま
すか。
MISIA: 伝えたいことは、まさに『LOVE BEBOP』の中にあって。この曲に出てくる
"LOVE IS LOVE"という言葉は2015年の6月に、アメリカ全州で同性婚が認められた時に
掲げられたメッセ-ジなんです。"愛は愛なんだ"って、多様な生き方を肯定し応援する
姿勢にすごく感動して、そこからインスピレーションを受けて歌詞を書きました。でも
最後に歌った「花」にしても「LOVE BEBOP」同様に、多様な生き方を応援している歌だ
と思っています。この2曲はサウンド的には対極ですけど、メッセ-ジは一緒です。根
本のところではね。
-- オ-プニングとエンディングに、そんな意味合いの歌を置いたわけですね。
MISIA: そういう意味でこのツア-は、ト-タル的にもコンセプチュアルにまとまった
かなって、そう思うんですけどね。
-- さて、20周年に向けて、これからのことを......。
MISIA: いったん"THE TOUR OF MISIA"は終了しますけど、「終わっちゃったな」って
いうよりここからさらに羽ばたこうとしていますし、こうしてやりたかったことが実現
してみるとむしろ今まではそのことに"縛られていたんだな"という気持ちにもなります
から。なのでこれからは、ここに何かを付け加えるのもヨシ、より自由になるのもヨシ
、という感じですかね? ここまで19年やってきて、さらに20周年に向けて今年はいろ
いろな音楽に触れたいし、いろいろなミュ-ジシャンともやりたいし、楽曲も作って、
特に最終形を決めず、さまざまな"化学反応"を楽しんでみたいなと思ってます。日々を
ワクワクしたものにしたいです。
-- 既に発表されている予定としては、7月の「MISIA SUMMER SOUL JAZZ 2017」があ
りますが、こちらも楽しみに当日を待ちたいと思います!
<プロフィール・MISIA>
長崎県出身。小さな体から発する5オクターブの音域を誇る圧倒的な歌唱力は「Queen
of Soul」と呼ばれ、国内にとどまらず、その歌声はASIAを越え世界でも賞賛の声を浴
びる。ジャパニーズR&Bの先駆者であり、バラードの女王としても君臨。15周年記念ツ
アーでは全77公演を実施し、2018年のデビュー20周年を目前に精力的な活動を続ける。
トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト
」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それ
ぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエ
ンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお
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