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MISIA 20th Anniversary Special
MISIA インタビュー
「心から好きだと思えるものを詰め込みたいと思ったので、デビューからの20年で出会
った大好きなミュージシャンやクリエイターに参加していただきたいし、自分自身も好
きな歌い方や表現にこだわりたいと思いました。」
20周年記念公演でMISIAが魅せた、圧倒的な歌唱と一流表現者との競演&華やかな演出で
五感を満たすライブを、WOWOWで7/7(土)午後1:00放送!
1998年2月21日「つつみ込むように...」でデビューを果たし、本年でデビュー20周年を
迎えるMISIA。
そんな彼女の20周年を記念して開催されるツアー「20th Anniversary THE SUPER TOUR
OF MISIA Girls just wanna have fun」の中から、横浜アリーナ公演の模様を、自身の
誕生日である7月7日(土)に、特集としてWOWOWにて、幅広く豪華なラインナップでお
届けする。
音楽活動のみならず社会貢献活動にも注力し、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)名誉
大使などを歴任している彼女が、2007年に訪れたケニアの首都ナイロビにあるキベラス
ラムに再度訪問。音楽や人との出会いの軌跡を辿る「ノンフィクションW MISIA
Return to Nairobi ~10年の奇跡~」を放送。さらに、イギリスBBCの最高峰ネイチャ
ードキュメンタリー「BBC Earth」の中から 、絶滅の危機に瀕するキタシロサイ、最後
のオスの物語「デンジャラス・ライフ 最後のシロサイ」のナレーションに初挑戦する
。
史上最大の出演者数となる20周年の祝祭に挑んだMISIAのこれまでの道のりや、ライブ
・各ドキュメンタリーの裏話や想い、見どころについて、本人インタビューを行った。
──デビュー20周年おめでとうございます!「20th Anniversary THE SUPER TOUR OF
MISIA 2018 Girls just wanna have fun」を終えられたお気持ちを教えて頂けますか?
「THE SUPER TOUR OF MISIA」は終演しましたが、20周年のアニバーサリーイヤーはこ
こからが幕開けです。だから「ファイナル」というよりは「幕開け」というイメージが
強くて。盛大なオープニングセレモニーが終わった様な感覚で、かなり力いっぱい幕を
引いた気がしています(笑)。
──サブタイトルの「Girls just wanna have fun」にはどのような思いを込めました
か?
これは、20年見続けてくれた人が付けてくれたのですが、「女の子が集まってワイワイ
楽しむように音楽を楽しみ続けて欲しい、そして素敵な女性になってほしい」という願
いが込められているそうです。
このタイトルをいただいて「楽しむってなんだろう、と自分なりに考えました。女の子
って、私自身もそうですが、苦しいことを隠してうわべだけで楽しむことができないと
思うんです。「just」とありますが、心の底から楽しみたい。うわべの楽しさ、うわべ
の愛なんて欲しくないんだぞって。
心の底から楽しむためには、どこにも妥協したくない。心から好きだと思えるものを詰
め込みたいと思ったので、デビューからの20年で出会った大好きなミュージシャンやク
リエイターに参加していただきたいし、自分自身も歌い方や表現にこだわりたいと思い
ました。
──弦一徹さんをはじめとする超一流のミュージシャンがよくあれだけ集まったなと驚
嘆しました。
多忙な方々ばかりなのでありがたいですよね。弦一徹さんはデビュー前からのおつきあ
いで、MISIAという名前をいただく前からの私を知る数少ない1人です。「Mother
Father Brother Sister」の印象的なイントロのストリングスを奏でてくださいました
。赤と青のコントラストが印象的な「THE SUPER TOUR OF MISIA」のメインビジュアル
は、デビューから20周年。アーティストとして“成人した”ということで20歳の頃の私
の写真を使っていますが…、意外に気付かない人も多くて(笑)。
ライブのオープニングは、このビジュアルをプリントした幕が降りて「INTO THE LIGHT
」を歌う流れなので、始まるまで幕の後ろに潜んでいたんですが、ちょうど自分の顔の
辺りに立っていました(笑)。あの頃はデビューすれば夢が叶えられるデビュー=ゴー
ルと思っていました。ですが、実際にはデビューという扉を開けたら、真っ白で途方も
ない世界が広がっていた。扉を開けてから、ここで何をするかが問われるんだなと思い
ました。
20年が経ち、「THE SUPER TOUR OF MISIA」で幕にプリントされた20歳の私が、その頃
の想いを今の私に語りかけてくれた気がして…オープニングで待つ間はすごく感慨深か
ったですね。胸がいっぱいで、最初から泣きそうでした(笑)。と同時に、タワーから
見る景色は想像以上に高く感じて、ちょっぴり怖かったですね(笑)。
──20年のキャリアの折々で出会った方々が、同じステージで演奏するのも素敵な光景
ですね。
今回のツアーは重実徹さんと、ニューヨークで活動するトランペッターの黒田卓也君の
2人にバンドマスターをお願いして、昨年からみんなで集まって選曲のミーティングを
重ねました。昨年の「MISIA SOUL JAZZ SESSION」やライブツアーは、KURODA BANDに私
が単身で乗り込むというか、そこに入っていく感覚が強かったんです。「THE SUPER
TOUR OF MISIA」では、今まで私たちがツアーで一緒にやってきたバンドメンバーと、
黒田君たちのメンバーが一緒になるステージを作り上げました。私の振り幅の広い楽曲
を、「AからZまでなんでもできるよ!」という感じでとても頼もしく感じましたね。
ライブでは、既存の楽曲を定番のアレンジでやりつつ新しい提案もしたかった。ですか
ら、「逢いたくていま」はこれまで重実さんがピアノを弾いてきましたが、今回はニュ
ーヨークで活躍する大林武司さんにお願いしました。人が変わればタッチもリズム感も
変わりますから、新しい風を感じていただけたんじゃないかなと。ライブでは、たくさ
んのミュージシャンが互いにいい意味でしのぎを削り合ったんじゃないかなと思います
ね。
──演出やセットも豪華でしたが、MISIAさんはどのように関わっていますか?
私は「歌」が役割ですから、演出がどうなるかはステージに立つまで知らないことが多
いんです。信頼を寄せるスタッフが創るものですから、後から映像で見るのが楽しみで
(笑)。今回のライブには馬が登場しますが、デビューアルバムもパッケージを開ける
と馬が出てきます。それは、私が午年だからなんです。また、赤い服の衣装を着ていた
のは7月7日生まれで蟹座、誕生石がルビーであることや、デビューする時は赤子のよう
なものですから誕生の色として赤を選んでくださいました。
また、アナログ盤でデビューしたので、アナログレコードのステージセットを作ってい
ただくなど、この20年をたっぷりと詰め込みました。
──レコード盤のセットでは菅原小春さんとコラボされましたね?
小春ちゃんとは、横アリのファイナルだけでしたので、できれば他の公演もご一緒した
かったですね。やはり、数を重ねることで深められるものもあると思うので。ダンサー
と一騎打ちみたいなところもあって。私には彼女の表情もしっかり見えてくるので、お
互いに影響し合って歌っていたと思います。
──ファンの方との信頼関係も20年で深まっていると?
ええ、もちろん。私がデビューしようと思った頃、R&Bはまだ日本ではアンダーグラウ
ンドの音楽でした。ですが、次第に認知されて楽しみ方を知る人も増えたでしょうし、
20年間で「こういう楽しみ方がありますよ」と提案したことを取り入れてくれているの
でしょう。デビュー時に生まれたお子さんが成人するほどの月日ですから、この先はラ
イブでもっと自由に踊る人も増えるかもしれませんね。今後まますます楽しみです!
ファンの存在や距離感はとても不思議だと感じます。すごく近い距離なのに、直接会っ
たり話したりする間柄ではありません。ですが、音楽を介して会話しているんですよね
。また、ファンは私にとって一番強がって、かっこ悪いところを見せたくない相手。で
すが、一番先にそれを面白がってくれたりする。主にライブという場所を通して、一緒
に歌い、泣き、笑い、生きてきた人たちなんです。
──20年の積み重ねの中で、変化を感じる部分はどこでしょう?
そうですね…上手に言えるかわかりませんが、ファイナルを迎えたとき「20年前にはこ
のライブはできなかったな」と思いました。アンコールで歌うようなエネルギー量の高
い曲から始める体力もなかったでしょうし、曲の多彩さも今だからこそのもの。プレイ
ヤーも多様で、しかも世界標準で活躍している方ばかり。この20年でボーダーレスなエ
ンターテインメントをお見せできるようになったのかなと思います。MISIAという名前
にはアジアという意味も込めていて。はじめはその名前が大きすぎると感じたりもしま
したが、だんだんとそういう歌を歌えるようになってきたのかなと。
──一方で、ずっと変わらないものは?
「歌手になりたい」という想いです。歌うことに重きを置き、ライブを大切に活動して
きましたし、“歌う”ということを考え続けています。漢字の「歌」は、口を大きく大
きく開け神様に捧げる供物を持つ人が元になっていると聞きました。自分の願いが自然
に歌になっていくと思うのですが、私も伝えたい事や願いを20年間歌ってこられたのか
なと。常に歌うとは何かを自問自答しながら、ようやく「歌手になれたのかな」と実感
を持てるようになったのが20周年を迎える今なんです。
──だからファイナルで「やっと歌手になれた」というMCになったのですね?
はい。私の人生が歌になるのなら、かねてより関心があった世界の貧困や平和、環境問
題などを学んで表現しようという気持ちにもなりましたし、実際にそういう機会にも恵
まれました。ライブのオープニングでDJ EMMAさんが「INTO THE LIGHT」の前にアフロ
ビートのトラックをかけてくれましたが、あの曲は彼と一緒に作った楽曲で、そこに入
っている歌声は今年の2月にケニアに行った際に子供達の歌声を録音したもの。全てが
繋がっているんです。
──今回のライブのここを見てほしい、感じてほしいという点はどこですか?
「THE SUPER TOUR OF MISIA」では、デビュー時からの自分を振り返り、それを素晴ら
しいメンバーとともに奏でることができました。新曲は1つだけでしたが、新しい提案
もしているのでライブ映像をご覧になると、この先はこんなMISIAに会えるのかなと想
像していただけるかなと。実は、定期的に記録に残してもらうことはミュージシャンと
してとてもありがたいんです。美しい映像はもちろん、WOWOWさんの映像からはいつも
愛を感じますからなおさらです。
──WOWOWではライブに合わせて、「ノンフィクションW」と「BBC Earth」も放送され
ますが、今年2月、ケニアのナイロビを再び訪ねた感想を教えていただけますか?
初めてアフリカに行ったのは2007年、それもケニアでした。以来、マラウィや南アフリ
カ、セネガル、マリ、ナミビアなどにも行かせていただきましたが、ケニアは何度も足
を運ばせていただいている特別な場所です。そんななかでも感動したのは、支援し続け
てきた小学校での再会でした。最初に訪ねた時は何ができるか分からないながら、とも
に学ぶことの大切さを知りました。ですから、子供達が教育を受けるチャンスが提供で
きるよう支援してきました。そうやってサポートしてきた子達は、高校生になったり、
中には幼稚園の先生になったり、ケニア最高学府のナイロビ大学で学ぶ子もいます。子
供たちは「教育は自分たちが幸せな未来を創るための大きな力だった」と言ってくれ、
その言葉が胸を突きました。希望を感じたし、嬉しかったですね。ドキュメンタリー番
組「ノンフィクションW MISIA Return to Nairobi~10年の奇跡~」をご覧になった方
が、アフリカの現状を知るのと同時に、日本でできることのヒントになれば嬉しいです
。
──もう1つ、ドキュメンタリー番組「BBC Earth 2018 デンジャラス・ライフ #3 ス
ーダン:最後のシロサイ」ではナレーションに初挑戦したとか?
ええ。10年前にケニアに行った際も国立公園を訪ね、密猟者の話はよく耳にしていまし
た。今回の番組でテーマになっている動物・サイもその犠牲者と言っていいでしょう。
今回、私はそこで希少なミナミシロサイに会うことができました。「BBC Earth」で取
り上げたスーダンというサイはキタシロサイの最後のオスですが、ミナミシロサイも絶
滅危惧種です。訪ねた時も「サイに会う確率は低いから難しい」と言われましたが、親
子連れに出会うことができた。そのメッセージをしっかり受け止めなければいけないと
。
──ドキュメンタリーのナレーションはいかがでしたか?
地名なども独特ですし、難しさを感じましたね。ただ、たくさん出てくる医学用語は意
外にすんなりOKでした(笑)。もともと関心があるからかもしれませんね。生物多様性
について「COP10」大使に任命されてからずっと学び続けてきたので、ついつい感情が
入ってしまったんです。早口になったり、抑揚をつけすぎてしまいましたね。ナレーシ
ョンは事実をしっかりと(聞き手に)届けることがとても大事で、感情を込めすぎず、
一定のリズムで語る方法をレクチャーしていただきながらなんとかやり切ることができ
ました。
世界的にもニュースになりましたが、今はもうスーダンはいません。ですが、彼が教え
てくれたことを私たちはしっかりと学ばなければいけないと思うんです。キタシロサイ
に限らず、私たちがよく知るアフリカの動物たちの多くがレッドリスト(絶滅危惧種)
に入っています。「目の前に見えるから大丈夫だよ」ではなく、その先にあることを知
ってほしいと切に願っています。
──2つのドキュメンタリー番組を、どう受け止めてほしいですか?
難しいことは抜きにして、たとえば「ノンフィクションW」なら、子供達の笑顔や歌声
を聴いて、その純粋さを映像から感じていだだけるだけでもいいと思います。そうする
ことで、今まで自分には関係ないと思っていたアフリカの現状が、すっと身体に入って
くるきっかけになると思います。
「BBC Earth」も気の毒な動物や、難しい環境問題などとして見るのではなく、スーダ
ンのチャーミングな動きを見ていただくだけでいいと思うんです。まずは、知ることが
すべてのスタートになると思うので、肩肘張らず見てほしいですね。
また、この番組をご覧になってから、「THE SUPER TOUR OF MISIA」を見るとより興味
深いかもしれません。アフリカの動物が飛び出す演出や、さっき言ったような子供達の
歌声がライブに盛り込まれていて。それって私の人生まるごとみたいだなって自分でも
思いますから(笑)。
──では最後に7月7日MISIAさんの誕生日に放送されるWOWOWの3つの特番をご覧になる
視聴者へのメッセージを!
まず、誕生日の七夕の日に様々な角度から私を表現する番組を放送していただけるのが
とても嬉しいです。七夕に生まれたせいか、昔から「運命の出会い」にとても関心があ
りました(笑)。音楽の出会いも私にとっては衝撃的で運命的なもので、テレビから流
れてきた音楽に心を掴まれたんです。ライブに来ていただけるのはもちろん嬉しいです
が、いろんな事情で来られない方がいるのも存じ上げています。テレビが天の川だとし
たら、今度の七夕は見てくださる方と私の間に橋が架かる日だと思うんです。そうして
橋を渡り、出会ってくださった方の人生が少しでも豊かになればこれほど嬉しいことは
ないですね。実際に、見た方にきっと楽しんでいただけるライブになっていると思いま
すし、ドキュメンタリー番組も然り。何か1つ光る星を心に持って帰っていただけたら
幸いです。
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