名前(なまえ)を 持(も)たずに 生(う)まれた
野草(やそう)を 見逸(みそ)るは 已(や)む無(な)し
何(なに)かを 訴(うるた)う 声(こえ)さえ
何処(どこ)かで 無(な)くした 侭(まま)で

あなたを 憶(おも)う
あなたの 在(あ)りし日(ひ)を
行先(ゆきさき) 累累(るいるい)の 果(は)てに
胸(むね)が 病(や)むとも
わたしの 裡(うち)に あなたの 在(あ)る 限(かぎ)り
零落(なれはて) 犬死(いぬじ)にの 相(そう)に
呑(の)まれまいと 為(す)るを
決(け)して 忘(わす)れはしない

生命(いのち)は 棄(す)てると 覚(おぼ)えた
誇(ほこ)りは 掃(はら)えと 学(まな)んだ
骸(むくろ)は 塵(ちり)なと 肥(こえ)なと
最後(さいご)は 曝(さ)れた 頭(こうべ)よ

あなたを 憶(おも)う
あなたの 在(あ)りし日(ひ)を
行先(ゆきさき) 累累(るいるい)の 果(は)てに
胸(むね)が 病(や)むとも
わたしの 裡(うち)に
あなたの 在ある 限(かぎ)り
零落(なれはて) 犬死(いぬじ)にの 相(そう)に
呑(の)まれまいとも

今(いま)や 何程(どれほど)の 霊(みたま)が
我(われ)を 睨(ね)みて 手招(てまね)く

渾(すべ)て 荼毘(だび)に 付(ふ)する
わたしの 在(あ)り方(かた)を
肝先(きもさき) 追憶(ついおく)を 盾(たて)に
病(や)みを 呑(の)むなら
わたしの 側(そば)に
あなたは 在(あ)り 連(つが)る
成(な)り果(は)て 恋死(こいじ)にの 様(よう)に
散(ち)り交(ま)じる 二人(ふたり)は
決(け)して 離(はな)れはしない

誓(ちか)って