狭(せま)い此(こ)の世で犇(ひし)めきて
 同じ頭(かしら(で愛(め)でたり貶(おと)したり

 餅屋(もちや)が描く枕絵(まくらえ)
 絵師(えし)が搗(つ)く黍餅(きびもち)
 掛け違えた看板
 仕舞(しま)う隙もありゃしない

 狸囃子(たぬきばやし)は馬鹿(ばか)囃子(ばやし)
 手前(てまえ)知らねど祭りの渦の中

 女郎(じょろう)が釣る太刀魚(たちうお)
 魚屋(なや)が焼く焼き餅
 取り違えた看板
 返す気失せたら

 団団(だんだん)　狸(たぬき(の腹　ぽくぽくと
 冉冉(ぜんぜん)　其(そ)の気の面(つら)　しゃあしゃあと
 万万(ばんばん)　狸(たぬき)の場(にわ)　ぞろぞろと
 転転(てんてん)　礫(いこし)の如(ごと)

 其(そ)れが狸(たぬき)だぁよ

 山師(やまし)が守(も)る本丸(ほんまる)
 守衛(しゅえい)が張(は)る博奕(ばくち)
 生き別れた本分
 改(あらた)む気はありゃせぬ

 団団(だんだん)　狸(たぬき)の腹　ぽくぽくと
 冉冉(ぜんぜん)　其(そ)の気の面(つら)
 然(さ)ればよ　絶対(ぜったい)　狸(たぬき)の場(にわ)　ぞろぞろと
 手(て)ん手(て)ん　ねまりの　極(きわ)