<日本シリーズ:西武7-2中日>◇第7戦◇25日◇ナゴヤドーム
西武自慢の選手会長・和田が優秀選手賞に選ばれた。第7戦こそ無安打だったが、第
6戦まで26塁打、長打8本はシリーズ新記録で、4本塁打はタイ記録。これだけ打ち
まくれば、3併殺打の新記録があっても立派な優秀選手賞だ。「勝ててよかったですよ
。短期決戦だったしね」。「疲れましたか」の質問には「もう疲れは出てます。疲れた
~」と、苦笑いもこめて思いっ切り表情を崩した。
忙しくて、大活躍の1年だった。カブレラの故障で開幕当初は4番を任された。いく
ら打っても「4番はカブレラですから」と答え、主砲が帰ってくると5番に戻り、また
打った。8月にはアテネ五輪でまた打った。長嶋ジャパンに白星をもたらす一発もあっ
た。
強行日程を終え、帰国すると球界再編問題でも奔走した。西武は堤オーナーが1リー
グ推進派だけに、球団と選手会の板挟みにもなった。「僕らはオーナーとケンカしよう
と思っていたわけじゃない。選手会として12球団を維持した方がいいということにな
ったから。だから活動したんです」と、複雑な立場にも負けなかった。
迎えたプレーオフ。第1ステージ第3戦でサヨナラ本塁打を放つなど、またも打ちま
くった。2年前に無安打に終わった日本シリーズでも記録ずくめの大暴れ。こんなに立
派な選手会長はどこにもいないのに、一息つく間もなく、ソワソワし始めた。第1子誕
生の予定日から4日が過ぎている。オフは、新米パパとして忙しくなる。【久我悟】
〔2004/10/26/08:13 紙面から〕