「特別犯罪対策室」の大澤絵里子(天海祐希)は、部下の花形一平(溝端淳平)から犯
罪系のサイトに、人を殺したと書き込む人物がいると聞く。この人物は、自ら“神”と
名乗り、殺害したとする3人の女性の名前、現場の住所、遺体写真まで公開しているが
、その中に、通報があったばかりの女子大生刺殺の情報もあった。別の2件も実在の事
件であり、しかも、その“神”が警察発表より前に死亡した場所や状況などを書き込ん
でいることから、絵里子は連続殺人を疑う。
絵里子は片桐琢磨(玉山鉄二)、山村啓輔(温水洋一)、花形、岩井善治(ケンドーコ
バヤシ)に、別の2件の洗い直しを指示すると、木元真実(戸田恵梨香)を連れて女子
大生の遺体発見現場へと向かった。
捜査員から、女子大生は心臓をひと突きにされ死亡したと聞いた絵里子は手慣れた者の
犯行だと想像。しかし、真実は凶器の角度から、被害者が自分で刺したとしか思えない
と言う。
その頃、“神”がやったという2件目の変死事件を調べていた科捜研の奈良橋玲子(吉
瀬美智子)は、事件は殺人ではなく事故だと断定。また、1件目の水死事件を追ってい
た山村、岩井も、それが事故だったと報告する。
一方、ネット上ではそんな“神”を賞賛する声が続々と書き込まれ、“神”に殺人を依
頼する者まで現れる。片桐らは、“神”の支持者から殺人のターゲットにされた23名と
連絡を取り、そのうち21名の身柄を保護した。
そんな折、捜査一課の小野田忠(塩見三省)の班が“神”を逮捕する。逮捕されたのは
盗聴マニアの藤原優(浅利陽介)という男だった。藤原は、傍受した消防無線から死亡
事故の情報を得ると誰よりも先に現場に駆けつけ、被害者の写真を撮りネット上で公開
していたのだ。
これで事件は解決かと思われた矢先、連続して2件の殺人が起こる。殺されたのは、“
神”に殺人依頼をされて連絡が取れなかった2人だった。どちらの現場の壁にも血で描
かれた×マークが残され、防犯ビデオには黒いガウンに身を包み、巨大なナイフを手に
した男が映っていた。
殺人の手法やいでたちが、それまでネット上で書かれた“神”の情報と一致しているこ
とから、絵里子は“神”に憧れるあまり、自分が本物の“神”だと思い込む者の犯行だ
と推測。2件の殺人が成功した今、犯人はネットに書き込まれた依頼をまっとうするま
で殺人を重ねるものだとして、犯人をおびき寄せるために自分がおとりになると提案す
る。殺人依頼が集まるところに自分の名前を書いて殺人を期待する声を書き込めば、犯
人は期待に応えようして動くはず、というのだ。それを聞いた上層部はいい顔をしない
が、野立信次郎(竹野内豊)は絵里子に全面協力を申し出る。
対策室では、早速、花形らが絵里子の殺人依頼を書き込み、「警官を殺れるのは神だけ
」などと、盛り上げる。
そして、作戦が決行される──。
夜、帰宅を装い絵里子が一軒家に入っていく。家の中には真実が、家の周辺には片桐ら
対策室のメンバーと捜査一課の刑事たちが身を潜めている。静かに時間が流れる中、つ
いに犯人と思われる黒装束の男が姿を現す。が、男は張り込みの刑事の存在に気づいた
かのように逃走。対策室のメンバーがそれを追い、片桐が男と対峙する。片桐は銃を構
え男に照準を合わせるが、引き金を引くことができず、男は走り去る。
対策室のメンバーが男を取り逃がした、という無線に苦々しい思いをしながらも、絵里
子は家を飛び出し男を追う。
その頃、花形は男が逃げ込んだ倉庫のような場所で男と格闘していた。しかし、男にナ
イフを突きつけられ絶体絶命のピンチに。すると、そこへ銃を手にした岩井が現れる。
男は岩井にナイフを投げつけると、隙をつき屋外へ飛び出す。それを絵里子が追い、や
がて、花形、岩井も合流する。追われた男は、小屋の中へ。絵里子は花形、岩井に援護
を要請すると、小屋へ足を踏み入れようとする。が、瞬時にガソリンの匂いを察知した
絵里子は、花形、岩井に小屋から離れるように言うと、自身も走り去る──と同時に、
爆発が起こり小屋は炎に包まれる。やがて、駆けつけた小野田班らの捜索で、小屋の中
から犯人と思われる男性の遺体が見つかる。
小野田は疲労していると思われる絵里子に帰宅するように促す。絵里子は、護衛のため
警官・井上(野村宏信)を付けられ帰宅の途につく。自宅マンションの前にやってきた
ところで、井上がトイレを貸してほしいとしいと絵里子に頼む。それを快諾し、絵里子
は井上を家に入れる。
その頃、片桐は玲子から小屋で見つかった遺体が、犯人の男のものではなかったと連絡
を受ける。
井上はトイレに入ると警官の制服を脱ぎ始める。露になったのは、黒装束のガウン姿だ
った。手にナイフを持つと、そっとトイレを出て、絵里子のほうへ。背中を向ける絵里
子にナイフを振りかざそうとするが、絵里子は身を翻して応戦。そんなところへ、真実
、片桐、花形が飛び込んでくる。が、絵里子はすでに井上を後ろ手に組み伏せていた。
なぜ、井上が犯人だと気づいたのかと聞く花形に絵里子は、井上が履いていた編み上げ
靴が今は使用されていない古いものだったからと答える。
後日、絵里子は再び池上浩(丸山智己)と会う。絵里子が刑事だと知らない池上は、仕
事が大変そうだと絵里子を労う。そんな池上のやさしさが絵里子にはうれしく……。