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逢魔刻(おうまがとき) 沈み始めた太陽が 朱(あけ)と紅(べに)とを混ぜる頃 静けさが町を包み 家に入れと母が呼ぶ 人と魔物が逢い見(まみ)える 魔魅(まみ)の忌(いま)わしき逢瀬(おうせ) 黄昏刻(たそがれどき)は禍々(まがまが)しく 百魅(ひゃくみ)生じて災い成す 逢魔刻(おうまがとき) 焼け落ちる様な天仰ぎ 溶けて行く陽を仰臥(ぎょうが)する 郷愁(きょうしゅう)の目頭から しとどに溢れる泪 現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)の狭間 暗闇の雲が交叉する 誰(た)そ彼刻(がれどき)は苦々しく 無常の風を吹かせて去る 逢魔刻(おうまがとき) 魑魅魍魎(ちみもうりょう)の行列が 鼻を掠(かす)めて行こうとも 聲(こえ)一つ上げてはならぬ 只過ぎ行くを送るのみ 映ろう人の魂が 我が世恋しと哭(な)き叫び 鴉にその身窶(やつ)しても 浮かばれぬその怨念よ 戦慄(せんりつ)の時間(とき)よ今 我が身を抱いて舞い踊れよ 戻りはせぬ日に 想いを寄せて 黄昏刻(たそがれどき)は禍々(まがまが)しく 百魅(ひゃくみ)生じて災い成す 誰(た)そ彼刻(がれどき)は苦々しく 無常の風を吹かせて去る -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 218.169.55.231