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     カルマの坂  詞:新藤晴一  曲:ak.homma   ある時代ある場所、乱れた世の片隅   少年は生きるため、盗みを覚えていった。   醜く太った大人達などには   決して追いつけはしない風のように   今、空腹を満たすのがすべて   是も非も超え、ただ走る。   清らかな、その心は穢れもせず罪を重ねる。   天国も地獄さえも、ここよりマシなら喜んで行こう。   「人は皆平等などと、どこのペテン師のセリフだか知らないけど」   パンを抱いて逃げる途中、すれ違う行列の中の   美しい少女に目を奪われ立ちつくす。   遠い町から売られてきたのだろう。   うつむいているその瞳には涙が。   金持ちの家を見とどけたあと   叫びながら、ただ走る。   清らかな、その身体に穢れた手が触れているのか。   少年に力はなく、少女には思想を与えられず。   「神様がいるとしたら、なぜ僕らだけ愛してくれないのか」   夕暮れを待って剣を盗んだ。   重たい剣を引きずる姿は、   風と呼ぶには悲しすぎよう   カルマの坂を登る。   怒りと憎しみの切っ先をはらい、   血で濡らし辿り着いた少女はもう、   こわされた魂で微笑んだ。   最後の一振りを少女に。   泣くことも忘れてた。空腹を思い出してた。   痛みなら少年もありのままを確かに感じてる   -お話は、ここで終わり。ある時代のある場所の物語- -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 218.160.84.168