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https://entertainmentstation.jp/66672 MISIAが聖地・横浜アリーナでツアーファイナルに秘めた思い THE TOUR OF MISIA LOVE BEBOP all roads lead to you 2017.2.4 横浜アリーナ シングル「つつみ込むように…」でMISIAがデビューした翌年の1999年に、第1回目の“ THE TOUR OF MISIA”は行なわれた。 ツアーは通常、ニューアルバムを出した後に行なわれるものだが、当初“THE TOUR OF MISIA”は特定のアルバムを掲げたツアーではなかった。それだけに、アルバムに縛ら れず自由にセットリストを組むことができるので、MISIAのキラー・コンテンツである 「歌を聴かせるパート」あり、MISIAの得意な「ダンサブルなコーナー」あり、バンド による生演奏あり、コンピュータと同期したデジタル・サウンドあり、彼女の歌と音楽 の魅力のすべてを堪能できるツアーとなっている。 今回の“THE TOUR OF MISIA”は5年ぶりで、数えて12回目。今回で“THE TOUR OF MISIA”シリーズは最後になるという。そんな思い入れもあってか、横浜アリーナに詰 めかけたオーディエンスは開演前からざわついている。前回の“THE TOUR OF MISIA” 以降、「星空のライヴ」や「Candle Night」など、じっくり聴かせるスタイルのライヴ が続いていただけに、エネルギッシュに歌い踊るMISIAに対する期待感が、会場に充満 している。そしてこの夜は、そんな期待を遥かに上回る一大エンターテイメントが用意 されていたのだった。 オープニング・アクトのRYO(Little Black Dress)が、ニューカマーとは思えない堂 々たる歌を聴かせた後、いよいよMISIAのライヴの幕が切って落とされる。 ステージの左右に潜んでいた巨大なゴールドのキングコブラのバルーンが、鎌首をもた げて会場を見渡すように立ち上がる。7人のバンドメンバーとDJ、6人の女性ダンサーが 勢ぞろいしたところで、MISIAがステージ中央から輝くコスチュームをまとって現われ た。 前置きなしの、いきなりド派手なオープニングだ。強烈なリズムと、真っ直ぐなメッセ ージを持つ「LOVE BEBOP」からライヴがスタートする。MISIAは最初から飛ばす、飛ば す。踊りながら、アリーナの最深部まで、楽々とその歌声を届かせる。切れ味のよいボ ーカルは、水を得た魚のようだ。待望の“ダンス全開”のMISIAに、オーディエンスは 歓びを隠しきれない。その気持ちはMISIAも同じで、「もっと盛り上がれ~!!」と歌 の途中でオーディエンスをさらに煽った。   「LOVE BEBOP」のエンディングで、ステージ中央に陣取ったDJ Ta-Shiのスクラッチ・ プレイがピックアップされる。そのとき、サプライズが起こった。スクラッチを決める DJ Ta-Shiの“首”がガクッと前に落ちたのだ。このショッキングな“イリュージョン ”に、オーディエンスは一瞬どよめいた後、大きな拍手を贈る。 エレガントな黒いドレスをまとった女性ダンサーがステージに現われ、MISIAと一緒に 思い切りスウィングするグルーヴの「Butterfly Butterfly」に合わせて踊る。彼女た ちをアシスタントにして、今度はMISIAがスティックを使ったマジックを披露。立て続 けのサプライズに、観客はのっけから大喜びだ。 息つく間もなく、「ESCAPE 2016」。MISIAのヒップホップ・サイドを担うサウンド・プ ロデューサー“SAKOSHIN”の渾身のトラックが、アリーナを揺さぶる。2000年にリリー スされたシングル「ESCAPE」をアップデートしたトラックは、オリジナルの何十倍もパ ワフルだ。「カモーン、アリーナ! 盛り上がっていくよ~!!」と叫ぶMISIAの気合 いもハンパない。しょっぱなから爆発したライヴは、とどまることを知らないように上 昇していく。 6曲目の「Change For Good」は、柔らかな16ビートが心地よい。MISIAは余裕を持って 歌いながら、ダンサーたちと縦に並んだり横に広がったりして、フォーメーションを組 みながら踊ってみせる。ヒップホップ、ラテン、スウィング、ハウスなど、序盤はさな がらデジタルを駆使した“グルーヴの見本市”といった様相だ。 「みんな、“THE TOUR OF MISIA”、横浜アリーナにようこそ!」とMISIAが挨拶すると 、そのままDJ Ta-Shiのショーが始まった。MISIAが日本一と言ってはばからないスクラ ッチ・プレイが見事だ。15000人を軽く越えるオーディエンスを、たった一人で相手に できるDJは滅多にいない。2台のターンテーブルを神がかった技で操る様子を、真上か ら狙うカメラがとらえ、その映像が舞台の左右にあるスクリーンに映し出されると大き な歓声が上がる。 バンドのメンバーも楽器を弾く手を休めて、DJ Ta-Shiのカミワザに聴き入っている。 やがてミュージシャンたちがハンドクラップを始めると、オーディエンスもつられてク ラップでDJ Ta-Shiの卓越したプレイに応えたのだった。 DJショーが終わると、いったん場内が暗くなる。するとステージセットの真ん中に置か れた大きな顔のオブジェの目が光る。その目の形が、どこか懐かしい。このオブジェの 原画を手掛けたのは、90才を越えてもなお活躍している、影絵作家の藤城清治さんだ。 MISIAは藤城作品が大好きだという。サウンドも舞台セットも、MISIAというアーティス トを中心に組み立てられていて、クオリティの高いのエンターテイメントとして構築さ れている。 やっとひと息ついたのは、アコースティック・ギターをバックに歌われた「明日はもっ と好きになる」だった。それも束の間、続く「真夜中のHIDE&SEEK」では、優雅な16ビ ートに悠々と乗ったMISIAが、バンドと火の出るようなアドリブ合戦を繰り広げたのだ った。 暗転になり、オーディエンスが席に着くと、ピアノの前に座ったMISIAが話し始めた。 「こんばんは、みんな、最高! “THE TOUR OF MISIA”の“聖地”は、ここ、横浜ア リーナだと思ってます。ここにはたくさんの思い出があります。仙台から始まった今回 のツアーも、やっと聖地までたどり着くことができました。嬉しくって、心が破裂しそ うです。次はバラードを歌います」。 MISIAはデビューアルバムに収められていた「キスして抱きしめて」を、自らピアノを 弾きながら歌い出す。その素晴らしいこと。続いて弾き語った「流れ星」で、途中から 弦一徹率いる4人のストリングスが加わると、場内はしーんと聴き入る。怒涛の盛り上 がりの後、動から静への見事な場面転換だ。 映画『シン・ゴジラ』の音楽を担当した鷺巣詩郎が、MISIAに書きおろした傑作「オル フェンズの涙」までを、ストリングスと一緒に歌って、ライヴは終盤へ突入。 オレンジ色のドレスに着替えたMISIAは、今度は心の解放を歌った「FREEDOM」で楽しま せてくれる。「もっと楽しもうよ」とMISIA。徹底的に楽しむことで開く心の扉がある ことを、MISIAはよく知っている。それが“LOVE BEBOP”の精神なのだ。ライヴ本編は 、明るく楽しい「Oh Lovely Day」で一度、幕を閉じた。 アンコールでは一転して、再びド派手な世界へ。ステージ中央に設置された台の上に、 真っ白なドレス姿のMISIAがいる。ステージの左端と右端の“手のひら”型の台の上に はDrag Queenがいる。合計6人のDrag Queenと、6人のダンサーが入り乱れてのハウス・ ミュージックのオン・パレードだ。「INTO THE LIGHT」から始まって、「逢いたくてい ま」や「忘れない日々」がハウス・バージョンにアレンジされてメドレーで続く。 実は“THE TOUR OF MISIA”には隠れたテーマがある。それは「クラブ・カルチャーを 日本に根付かせること」だ。MISIAがデビューした当時、日本ではヒップホップやハウ スはまだアンダーグラウンドだった。同じくLGBTやDrag Queenなどの“多様性=ダイバ ーシティ”もマイノリティだった。それを多くの人に紹介し、共に楽しく生きる世界に していこうという願いが、“THE TOUR OF MISIA”にこめられている。今やそれらは広 く世に知られるようになったが、最終回を迎えた“THE TOUR OF MISIA”でその総集編 を見ることができたのは、幸せだった。また、そのテーマをずっと貫いてきたMISIAの アーティスト・スピリットに感動した。そのスピリットを象徴するように、ハウス・メ ドレーのラストを飾ったのはなんと「Everything」だった。 MISIAが「あなたにスマイル:)」で東日本大震災や熊本・大分にエールを贈った後、ハ プニングが起こった。 「すべてはここから始まりました。やっぱり聖地でこれを歌わなくちゃ」とMISIAはセ ットリストになかった「つつみ込むように…」を歌い始めたから、会場が熱く揺れる。 デビュー曲だからこそ、MISIAの歌もバンドの演奏も、第1回目の“THE TOUR OF MISIA ”とはケタ違いにスケールが大きくなっていることが実感できる。 ここで気付いたのは、目の前のダンサーたちの踊りが、第1回目のそれを彷彿とさせる ことだった。今回のツアーではダンサーを一新して若手が起用されているのだが、何と 彼女たちはMISIAのダンサーに憧れて踊り始め、MISIAのダンサーを先生として踊りを習 ってきたのだという。つまり、クラブ・カルチャーが世代を超えて、見事に受け継がれ ていたのだ。そんな思いがこみあげたのか、MISIAの声が嬉しさで震えているようにも 聴こえたのだった。 「最高だね~! “THE TOUR OF MISIA”はこれでいったん終わります。私はまた、こ こ、聖地の横浜アリーナから新しい何かを始めたいと思ってます。そう感じることがで きたのは、皆さんのお陰です。新しい種を見つけて、育てて、花を咲かせます。そんな 歌を最後に歌わせてください」。 そうして歌った「花」は、この日、いちばん美しいエンディングで、“THE TOUR OF MISIA”シリーズの最後を飾ったのだった。 -- https://www.facebook.com/MISIAsupporter MISIA 情報彙集應援專頁 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc), 來自: 118.232.220.125 ※ 文章網址: https://www.ptt.cc/bbs/MISIA/M.1488133142.A.5B0.html