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「ハガレン」主題歌と、白熱のソウルジャズライヴ映像を同時リリース! 来年デビュ
ー20周年を迎えるシンガーMISIAの意気込みとは?
全世界シリーズ累計発行部数7000万部を誇る、荒川弘の人気コミックス『鋼の錬金術師
』が、Hey!Say!JUMPの山田涼介主演で実写映画化される(12月1日公開)。主題歌「君
のそばにいるよ」(11月29日発売)を歌うのは、「原作の大ファン」というシンガー
MISIA。映画の作品世界に寄り添いながら、「喪失」と「再生」を歌う歌詞は、誰もが
自分の人生を投影できるような、普遍的な内容へと昇華されている。
また、このシングルと同時リリースされるのが、今年7月にZepp DiverCity(TOKYO)に
て開催された限定ライヴ“MISIA SUMMER SOUL JAZZ“を収録した映像作品『MISIA
SOUL JAZZ SESSION』。新世代ジャズの担い手として、世界中で注目される黒田卓也(
トランペット)を始め、名うてのジャズミュージシャンとMISIAが繰り広げるセッショ
ンの模様は、全ての音楽ファン必見だ。
■漫画では、人生の不条理に立ち向かっていくところもある。その辺りを歌詞でも表せ
たら。
──今回のシングル「君のそばにいるよ」は、映画『鋼の錬金術師』の主題歌です。
MISIAさんは、“ハガレン“原作の大ファンだそうですね。オファーが来た時は、どの
ように思いましたか?
MISIA: 原作も完結して随分経っていますし、アニメになったり、その劇場版が公開さ
れたりと歴史のある作品なので、今回は実写版ということで、どのような形で参加する
のが一番いいかなっていうのは考えました。今までの流れを踏襲する歌がいいのか、全
く別の世界観がいいのか。そこは最初迷って。結果的には、映画は映画の作品として、
山田涼介さんが主役を演じているその世界観に沿った楽曲にしていくことにしました。
今、LAに在住しているIchiro Suezawaさんという作家さんがいるんですけど、2012年に
、「DEEPNESS」という曲のアレンジを頼んだ時にすごくかっこよくて。彼はブルーノ・
マーズなどの、ちょっとヒップホップ寄りのR&Bアーティストをサポートしていたりす
る、すごく才能のある人なんです。「DEEPNESS」の時も、すごく日本語らしいメロディ
を守りつつ、最新鋭のサウンドを入れてくれたので、いつかまたオリジナルをやりたい
と思っていて、それで今回お願いしたらすごくいい形にしてもらえました。
──歌詞にはどんな世界観を詰め込んだのでしょうか。
MISIA: 「僕」という、男の子の一人称が思い浮かんだ時に、「男の子の主人公にしよ
う」という構想は最初からあったのですが、その男の子が、「誰に対して歌うのか?」
っていうところがポイントになってきましたね。恋人なのか、母親なのか、でもそれも
何となくしっくりこない。それで進めているうちに、『ハガレン』というのは2人の兄
弟の物語でもあるから、山田さんが演じるエドから弟アルへのメッセージにも聞こえる
し、弟からエドに歌っている曲にも聞こえるような、そういう表裏一体な目線で、「希
望の光」に2人が手を伸ばしているような、そんなイメージを思い浮かべながら考えて
いきましたね。物語の中の、「身体はなくても心はつながっている」というテーマもあ
ったので、それって亡くなった人と生き残った人の間の話とか......。漫画では、人生
の不条理に立ち向かっていくところもある。その辺りが歌詞でも表せたらいいなと思い
ました。
──物語に基づいた世界観であると同時に、もっと普遍的なテーマについても歌われて
いるように思いました。
MISIA: 原作の売り上げが7000万部もの大ヒットを記録するというのは、もちろん、フ
ァンタジーとしてのストーリーの面白さがあってこそなんですけど、自分の人生に照ら
し合わせた時に、共感できる部分がたくさんあるからだと思うんですよね。これは、ネ
タバレになるかもしれないのであまり多くは言いませんが(笑)、なぜ「鋼の錬金術師
」というタイトルなのか? とかね(笑)。
──ミュージックビデオは、『ハガレン』の曽利文彦監督がメガフォンを取ったそうで
すね。
MISIA: 「どうする? 錬成してみる?」って言われて(笑)。「嬉しいです、ぜひお
願いします!」って言いました。そうしたら、全てブルーバックで、ターゲットの印だ
けが付いているセットの中で、ちょっとだけ演技したんですけど、役者さんってすごい
なあと思いました。完成した映像がどうなるか分からないまま、想像だけで演技してい
るわけじゃないですか。こんな状況で、よくそんなことができるなあって(笑)。映画
はエドとアルの話ですが、このMVでは映画のシーンの中に登場させていただいたり、ア
ルとも共演させていただいています。
■お客さんとの距離がすごく近くて、いつもよりもテンション高めになりました!
──11月29日には、ライヴBD/DVD『MISIA SOUL JAZZ SESSION』がリリースされます。
この限定ライヴは、黒田卓也さんプロデュースの同名アルバムをリリース直前に披露し
たものでしたが、そもそもこのアルバムを制作しようと思ったキッカケは?
MISIA: 去年9月に横浜・赤レンガ倉庫にて開催されたフェス『Blue Note Jazz
Festival in Japan 2016』に出させてもらったんですけど、その時日本で初めてブルー
ノートUSと契約したトランペッターの黒田卓也くんと共演して。それがすごく楽しかっ
たんですね。私はジャズ畑の人間ではないので、トラディショナルなジャズは通ってな
いんですけど、例えばルーツやエリカ・バドゥのような、ジャジーなものに影響を受け
たソウルミュージックはずっと聴いていて。
──そうでしたよね。
MISIA: 私くらいの世代って、ジャズもR&Bもヒップホップも聞いて、自然とクロスオ
ーバーしている人は多いと思うんです。そういう流れの中で、ロバート・グラスパーの
ような、ハイブリッドなアーティストも出て来ているわけじゃないですか。で、私自身
も黒田くんと一緒だったら、狭い定義での「ジャズ」ではない、面白い音楽が作れるん
じゃないかなと。例えば、今回「MAWARE MAWARE」で取り入れたアフロビートなどは10
年前から大好きで。いつか自分の音楽に取り入れてみたかったんですよね。
──実際に、ライヴをやってみての反応は?
MISIA: こういう音楽は、ホールではなくライヴハウスでスタンディングで見てもらう
のが一番伝わると思って、久しぶりにライヴハウスでやったんですよね。お客さんとの
距離がすごく近くて、いつもよりもテンション高めになりました!(笑)それにジャズ
セッションですから、毎回ライヴの内容が変わっていくんですね。だから、今回のDVD
が「全て」ではないんですけど、たくさんあるソウルジャズセッションの中の1ページ
だと思ってもらえたら、きっとその他のページにも興味を持ってもらえるんじゃないか
なって思います。そうやって、自分の好きなものが伝わっていったらいいな、という気
持ちは、デビュー時に「R&Bをもっと広めたい」と思っていた気持ちと変わっていない
ですね。
──GYAOでは「来るぞスリリング」、「運命loop」、「BELIEVE」(独占・フル尺)を
配信いたします。3曲について、何か印象に残っているエピソードがありましたらお聞
かせください。
MISIA: とにかく、ベースのラシャーン・カーターがビックリするくらいカッコいいん
ですよ。レコーディングではベースをマーカス・ミラーが弾いているんですけど、ラシ
ャーン ヴァージョンとの違いを楽しんでほしいです。ソロとか、CDではラウル・ミド
ン(ギター)がやっているところをラシャーンがベースでやってくれていたり。ドラム
のアダム・ジャクソンも、ビックリするようなすごい演奏を聴かせてくれています。
──ポップミュージックとしてのエッセンスがギッシリ詰まった「BELIEVE」が、最新
鋭のソウルジャズアレンジで生まれ変わる瞬間は、何度聴いてもゾクゾクします。
MISIA: ありがとうございます。音楽って、化学反応というか、それこそ錬成しながら
進化していくものだと思うんですよね。ジャズも、もともとはアフリカの音楽がアメリ
カ大陸に渡って、他のジャンルと融合したことで生まれたものだったりするじゃないで
すか。それが今度、日本に届いた時にどんな音楽が生まれるのか。その一つの答えが出
せたとしたらうれしいなって思います。
──しかも、黒田さんはヒップホップを通って来ている人だから、ジャズともヒップホ
ップともJポップとも違う、新しいハイブリッドな音楽になっていますよね。
MISIA: だとしたらうれしいです。今回、Ichiroさんや黒田くんと一緒にやってみて、
「うわあ! こんな音楽知らなかったー!」って思うことの連続で。「まだまだワクワ
クすることが、音楽にはたくさんあるんだなあ」って思えたのは、まだまだ自分の中に
「余白」があるわけじゃないですか。チャレンジできる「余白」がある限り、ずっとこ
の世界で音楽を続けていけたらいいなと思っています。
──最後に、今後の抱負を聞かせてください。
MISIA: 来年でデビュー20周年なんですけど、4月にアリーナツアーを控えているんで
すね。そのツアーでやろうと思っていることが、今からものすごく楽しみなんですよ。
まだ言えないんですけど(笑)、いまだかつて見たことがないものをお届けできると思
います!
◆MISIA
長崎県出身。その小さな体から発する5オクターブの音域を誇る圧倒的な歌唱力を持ち
、「Queen of Soul」と呼ばれる 日本を代表する女性歌手。1998年のデビュー曲「つつ
み込むように...」は日本の音楽シーンに強い影響を与え、ジャパニーズR&Bの先駆者
と言われる。その後発表されたファーストアルバム「Mother Father Brother Sister」
は新人ながら、 300万枚の異例のセールスを記録。以降、「Everything」「逢いたくて
いま」など、R&Bというジャンルにとらわれず、バラードの女王の名も確立された。そ
の実力は 日本国内のみならず、アジアひいては世界からも認められる。デビュー19年
目を迎えてなお、年々音楽に対する追究心は とどまることを知らず、世界を舞台にさ
まざまな作品を発表。来年のデビュー20周年に向けて、さらなる期待が高まる。また、
音楽活動のみならず社会貢献活動にも注力し、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)名誉
大使などを歴任。座右の銘は、「余白の美学」
トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト
」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それ
ぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエ
ンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお
届けします。
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