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変わらないMISIA“歌姫ブーム”とはなんだったのか──近田春夫の考えるヒット
今週編集から送られてきたCDの一枚がMISIAだった。
その名を見てなんだか懐かしい気持ちに襲われた。丁度、この連載の始まった頃(97
年)に盛り上がりをみせていた、和製女性R&Bシンガー、通称ディーバのブームの立役
者のひとりとして、チャートによく登場したりしていたことを思い出したのだ。
今は昔。20世紀の終わりには“ヒップホップ以降のソウルミュージック”の担い手と
して、我がシーンにおいて結構な数の女性歌手がデビューをしたものだ。ただ、当初盛
んだったその流行歌としての新しい試みや実験的なアプローチも、結局“売り上げの増
加”には結びつかなかったのだろう。気がつけば、スタイルの革新性などの競い合いよ
りは、普通な意味での歌唱力に重きをおいたプロデュース/作品が幅を利かすようにな
っていった。
MISIAとて決して例外ではない。かの『Everything』(00年)あたりで、もはや既に
曲調はコニー・フランシス的“シックスティーズ”の焼き直しみたいなものとまでいい
きってしまえば、そりゃオーバーかもしれないけれども、音としての冒険は「もうやめ
た!」ような印象さえ受ける、超無難もとい王道な熱唱の世界にシフトし始めているの
だ。
業界全体のそうした傾向への加速度的な収斂とともに、“歌姫達のフィーバー”も終
焉を迎えたのだった。
あの熱狂ぶりはなんだったのか? 思いつくままに、それを“バブルの残滓”といっ
てしまうのは、いささか安易過ぎて気がひけもするが、たまさかこうして振り返れば、
そんな時代ももうはるか遠くになりにけり……である。おっと、柄にもなく感慨にふけ
ってしまいました(笑)。
てな訳で、あまり音響の側面には期待などしていなかったMISIAの新曲だったが、聴
いていると、イントロから最後までほぼずーっと鳴り続く、いわゆる“ブリティッシュ
ニューウェーブ”の全盛期にはよく聞かれた、ギターともシンセともつかぬ8分音符の
刻みの音が、心地よく耳に残る。
サウンドプロダクションの妙が“売り”というjpopもなかなか多くないなか、エイテ
ィーズっぽいデジタルな味わいをうまく今様の音に昇華させまとめた、このアレンジの
センスは悪くないと、俺はそう思ったのである。
それにしてもMISIA変わってないよね歌い方! と思う。
如何なバックトラックを従えようともである。たっぷりと込めた思いと共に、これで
もかこれでもかと、切なくもドラマティックに歌い上げ歌い切るボーカルわざは超健在
なのだった。それこそその唱法こそまさに『Everything』以来伝統のお家芸と認めるに
俺もやぶさかではない者だが、たまには、らく~に力を抜いて歌うMISIAも味わってみ
たい、そんなことが頭のどこかをよぎっていった『君のそばにいるよ』なのではあった
。
LiSA。
歌向きなこの声、系譜的にはYUKIなんですかね?
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